su145855

Last-modified: 2009-01-30 (金) 21:22:40

??「ふ~んふふ~んふふ~ん♪ふふん♪」
――お?踏まれさんじゃないか。随分ご機嫌だな
踏まれ「おおっ!としあき君じゃん?どうしたの?もう授業は無いよ?」
――ああ、もう帰るところだよ
踏まれ「何?暇なの?じゃあさ、じゃあさ、私と料理研究会見に行かない?」
――ん?生徒会はいいの?副会長が怖いよ?
踏まれ「いいのいいの!ちゃ~んと許可は貰ってるよ!副会長だってきっと色々忙しいんだよ!」
――ふーん……そういうときこそ踏まれさんが支えてあげるべきじゃないの?
踏まれ「それは私の役目じゃないんだよねー。ま、いいじゃん。料理研究会にゴーだよ!」
――あ、やっぱり俺も行くんだ…

で、女の子の手料理が食えるかもしれないという淡い期待に乗せられてホイホイついて来てしまった訳だが
犠牲さんと、ねぎさんがちゃっちゃと納豆とネギをかきまぜ、ハシをネバネバさせていた。

――で?何これ?
踏まれ「ネギ納豆野菜丼だって。」
これは…期待外れか?いや、俺が犠牲になっただけか…期待の犠牲に…
踏まれ「納豆にねぎを合わせるのはいまや常識!で、さらにどんな野菜を加えればマーベラスなハーモニーを」
――いや、言いたい事は大体分かった。だが納豆にレタスを加えるのはいかがか?
踏まれ「私はにんじんだからいいけどねー」
――卵でもぶっかければいいんじゃ?
犠牲「その発想は無かったです。……想像力の犠牲です」
――まあ、何だ…いただきます
ねぎ「はい、どうぞ召し上がれ」

――こ、これは!?レタスの水分が納豆のネバネバを和らげ爽やかな風味をかもし出している!
――さらにたれとからしの配合が絶妙で米と織り成すハーモニーはまさに究極のオーケストラ!
――口の中に広がる野菜の風味はまさに大自然の恵みそのもの!
ねぎ「……は?」
犠牲「犠牲になったんですね…料理の犠牲に」
――まあ、普通だな…というかレタスは無くてもいい気がするけど
踏まれ「だよねー。あ、でもこのにんじんの千切りは意外に合うかも」
――ごちそうさま
犠牲「おそまつさまでした」

――さて、帰るか
納豆「みんなー!納豆まだいっぱい余ってるよー…あっ」
帰ろうとした俺達に声をかける小柄な影
その小さな女の子が俺達の目の前で転ぶ。
器いっぱいの納豆を持ったまま……

犠牲「ひゃあぁん!」
次の瞬間、並々と盛られた納豆が器ごと犠牲さんの胸に降りかかった。
納豆「あわわわ、ご、ご、ごめんなさい!」
ねぎ「洗濯しなくちゃー早く脱いで。染みになっちゃうよ」
――ちょ!犠牲さん!
俺の目の前で脱ごうとする犠牲さんを慌てて止める。
シャツの隙間から小さな胸を覆うブラが見えて、ドキドキした。
犠牲「あ、わ、え、み…見ました?」
慌てて後ろを向く犠牲さん
首だけこっちを見て、でもその目は恥ずかしそうな、恨めしいような、そんな感情を含んでいた
――み、見てない!見てないから!
踏まれ「何か目がやらしいよ…」
ねぎ「とりあえずー男の人は出て行ってね?後は女の子の秘密よ。」
――あ、はぁ、すいません。じゃあ後お願いします
慌てて逃げるように外に出る。
でも俺の頭の中からはあの小さな胸元が焼きついて消えなかった。
――はぁ……うん、よし、帰ろう。そうしよう
誰もいないのに呟いて、俺は逃げるように帰路に着いた。