su147645

Last-modified: 2009-02-04 (水) 02:12:21

――ふぅ、本当にこんなところに露天風呂があるのか?
転入してきたばかりの俺はたまには学園外にも目を向けようと放課後を利用して温泉を探していた。
いわく、この不況に耐え切れず破綻した企業が温泉旅館を作ったものの、創業直前に夜逃げしそのままになっているそうだ。
それを雷影様がスポンサーが出てくるまで管理する代わりに自由にしてもいいことになったそうな。
……あの雷影様…何者なんです?

 

――それにしてもやっぱり一人は心細いな…

 

近年は訪れる者が少ないことと、建物が半分老朽化していることからちょっとした肝試しにも使われているらしい。

 

――くそ、誰か連れて来ればよかった……ん?

 

森の中にちょこんと広がる空き地から和風の建物が見えてきた。
なるほど、これは確かにもったいない。

 

――結構立派じゃないか温泉あるかな……

 

建物内は意外にも整理されて…というより何も無かった。
和室や広間、食堂や厨房といった場所はまだ生きているのか、意外に手入れがされており、たまには人の訪れがあることが見て取れる。

 

――温泉は……こっちか

 

案内図が大きく張り出されていたのでそれを見る。
なるほど、避難経路までしっかりしてるところを見ると機材を運べばすぐに営業できるんじゃなかろうか。

 

??「あはは……」
??「うふふ……」

 

――ん?

 

何か女の子の笑い声のようなものが聞こえて背筋が寒くなる。

 

――気のせいか…?

 

もう帰ろうかと思ったがここまで来て温泉を逃すのももったいない気がする。
幽霊などいるわけないじゃない!と言い聞かせて温泉に向かった。

 

――混浴か……まあできることならテケちゃん辺りと一緒に来たかった所だけど…無理だよなぁ

 

脱衣所は区切られているものの、中の案内にはしっかりと書かれていた。
効能:打ち身、ヒビ、リウマチ、痔、冷え性、虚弱体質、倦怠感、食欲不振、産前産後の冷え性

 

――俺にはあまりありがたくないな……

 

??「そんなこと……」
??「羨ましいわ……」

 

――えっ?

 

また声が聞こえた気がする。
な、な、何だというんだ!?もうスッパテンコー状態だっての!
このまま突撃するだけだっての!

 

――えぇい!こ、こ、怖くなんてないんだからねっ!

 

立て付けの悪い板を無理矢理空けてそのまま浴場に走りこむ。
その途端に足元が滑って俺は勢いよく尻餅をついた。

 

――ぎゃああああああ!!

 

何かに足を取られたと勘違いした俺はパニックになって叫ぶ

 

??「きゃああああああああああ!!!!!」
――おわああああああああ!?

 

途端に女の子の悲鳴が聞こえてきたんだからたまらない。

 

――やめて!助けて!僕悪いとしあきじゃないよ!

 

??「いいからそれしまってよ!ばかー!」
??「…………」

 

一人の女の子が先に入っていた。
な、何だ…?お化けじゃなかったのか…
言われて気がついたが滑った勢いで女の子の目の前に俺のチンコがあった。
あー?何だ?どういうことだ?

 

――おまっ!何しやがる!
??「こっちのセリフだっての変態!」
??「ケンカはダメよ。ダメモちゃん」
ダメモ「Notさん!?だって!だって!わ、私……いきなりあんな……」
Not「ここは混浴なんだからそんなこともあるでしょう?」
ダメモ「普通ありませんよ!」
――な、何だ?誰と喋ってるんだ?

 

よーく目を凝らすと湯気の中にもう一人の女性がいる。
影薄いなぁ。気付かなかった。肌も透き通るように真っ白だ。

 

――お化けじゃない?
ダメモ「いいからちんこしまえ!」

 

水道が生きているので銭湯と変わらない。
ちゃちゃっと手早く体を流して俺も入ることにした。
もちろんある程度の距離はとってある。

 

――何だ、二人とも学園の生徒だったのか。
ダメモ「そうだけど……悪い?」
Not「私達は華道部なんですが学園には使える和室が無いので」
――はぁ……じゃあここで部活動を?それが何故温泉に?」
ダメモ「理事長が使っていい!マジ許す!って言うから使わせてもらってるんだ」
Not「それに女としての美を磨くのは華道を志すものじゃなくても当然ですわ。」
――はぁ、ごもっとも

 

話をすると二人とも意外に落ち着いていて中々に良い人そうだ。
よく見ると二人とも中々可愛い。

 

ダメモ「ん……?やだ、何見てんの……?」
Not「あら、女は見られて綺麗になるとも言うから、見てもらえるのは魅力がある証拠よ。」
ダメモ「わ、私はまだ先輩の境地には至れません…」

 

ダメモって子は俺と学年が同じってこともあって割りと子供っぽい
水面から僅かにのぞかせた胸元も…まあ無いわけじゃないけどあるわけでもないな。
肌も綺麗だし、割合美人だとは思う。
学校で見かけたら印象に残ると思うんだが…残念ながら記憶に無い。

 

Notさんって人は随分落ち着いている。
1年後に俺はこれほど落ち着いた言動ができるだろうか…
胸も大きいし大人の女性らしい魅力と雰囲気を兼ね備えている…と思うのだが…何か違和感が…。
それが何かどうしても分からない。

 

ダメモ「先輩ー私そろそろのぼせてきちゃいましたー」
――上がればいいじゃないか?
ダメモ「えー……」
Not「この子は照れているんですよ。今上がったらとしあきさんに裸を見られちゃうでしょう?」
――ああ……でもさっき俺の見たしいいじゃないか
ダメモ「思い出させないでよ!」

 

ザバッと大きな音を立てて立ち上がるダメモ。
当然裸がばっちり見えてしまうわけで

 

ダメモ「ぎゃああああああああ!!」
Not「あらあら、積極的ね。」
――……
ダメモ「わ、忘れてー!もう!もう!は、早く出てよぉ!」
――あ、ああ、仕方ないな……

 

仕方ないので先にあがることにする。
もちろんしっかり前を隠して。

 

Not「としあきさん!」
――はい?
Not「無理にとは言いませんがあまり女性の前でおちんちん膨らませないでくださいね。刺激が強すぎますので。」

 

逃げるように温泉から脱出した。

 

Not(バれてないわね…パットの技術は素晴らしいわ。)
ダメモ「あいつの記憶を綺麗に抹消する方法は…」
Not「呪いか、薬じゃないかしら?」
ダメモ「………」
Not「うふふ」

 

後から聞いた話だと、実はこの温泉は学園の裏山の林から数十メートルのところらしい。
確認してみると、山の斜面に小さな階段が作られている。
俺の苦労は一体なんだったんだろう…まあしかし、これで放課後でもゆっくり来れるな。