――………もう卒業か……
俺がここに転入してからどれくらい経っただろうか。
本当にいろいろあった。
テケ「どうしたのだ? 早く行くのだ。」
――あ、ああ……ごめん
テケ「今日はあるじ様の晴れ舞台なのだ…笑顔で見送ってあげるのだ…」
――うん……そうだね。
ドリモグ先生の声「9時30分より、卒業式を行います。在校生は体育館に集合してください。」
――行こうか。
テケ「うん」
踏まれ「ヤバイー!遅刻遅刻!」
校門をくぐる踏まれさんが見えた。
いつもならあるるさんが黙ってないんだろうけど……
今日は肝心のあるるさん先に行ってしまったのか、誰も咎めるものはいない。
踏まれ「としあきー!おはよー!」
――あ、ああ
天子ちゃん「おはよー!とっしー!」
もう一人いた。
もう体育館の中は人がいっぱいだ。
知ってる人、知らない人、様々な顔がそこにあった。
いつもの先生「それでは、まず母ちゃんより、卒業生への挨拶をいただきます。」
母ちゃん
「○○○スレ。ここは隔離スレです他所に話題等を持ち込まないで下さい
話題無いねー君たち
あらすじはまだかい?
ちょっと待てよ!?
何です?
あり~がと~う~
さよ~なら~
先生~
しかられた事~さえ~
ベイパーキャノーン!!
な~つか~しぃ~
おい、何か混ざったぞ。
自演乙
でもね、このスレの半数以上は母ちゃんの自演なんよ。」
――なぁ、意味わかる?
鮭王「俺に聞くなよ。」
ちーすけ「考えるな…感じろ!」
のまのま「にゃはははは!もっと盛り上げろ~!」
いつもの先生「……ゴホン!えー、続きまして、スキマシステムの管理者であります婚約様から、ご挨拶をいただきます。」
婚約「はぁーい!婚約でーっす!ちろー!見てるー?」
ちろ「お、お、お母さん!ちゃんとしてよ!」
あれがスキマシステムの管理者か…そういえばずいぶん前に見た覚えがあるな。
婚約「――であります。故に……良き友人であり、ライバルでもありましたぐるぐる氏に……皆さんも素晴らしい友人を……」
なんかいつの間にかまともなことを言ってるような気がして困る。
いつもの先生「送辞。在校生代表。球体さん」
ん?誰だっけ…?
テケ「送辞……春の息吹がにわかに感じられる今日の良き日に……」
ああ、テケちゃんか……
球体さんって言われても分からなかった…
そういえばそうだっけ
テケ「以上を…グス、持ちまして…あ、挨拶と…」
⑨「テケちゃん……」
テケ「!あ、挨拶とします!」
あ……
テケちゃん…頑張ったな…
いつもの先生「答辞、卒業生代表。だぜだー」
だぜだー「答辞。えー、何だ。考えてたことは書いておいたんだが忘れちまったぜ!」
おぉ……さすが会長だぜ…
フリーダムだなぁ
だぜだー「色々あると思うけどさ。自分の好きなことをやり続けてればいいぜ。私を見ろ!今すげぇ自由だ!」
まぁ……見れば分かるよ。
いいのかなぁ式でこんなこと言っちゃって。
だぜだー「最後に!生徒会役員の皆!すまなかったな!ありがとうだぜ!」
最後まで会長らしい挨拶だった。
まあ今更この学校に何か言っても無駄か。
いつもの先生「では最後に、雷影様よりご挨拶をいただきます」
雷影様「マジ許す!」
ですよねー
まあ何となく分かってたよ雷影様。
いつもの先生「校歌斉唱。皆様ご起立願います。」
本当に…楽しかったな。
いつもの先生「と、言うわけでこれで終わりです。また新学期に元気で会えるのを楽しみにしてます。」
大パンダ「起立!礼!」
日直の声とともに2年生生活は幕を閉じた。
鼻唄「めかぶさんっ!うぅっ……うわぁぁぁん!」
めかぶ「こらこら。泣くんじゃないよ。」
鼻唄「だ、だって…だってっ!」
めかぶ「もう会えないわけじゃないんだからさ…元気出しな」
校庭はすっかり3年生とその名残を惜しむ生徒で溢れ返っていた。
仕方のないこととはいえやはり別れは辛い。
ZIP「⑨先輩!あ、あの、そ、卒業おめでとうございます!」
⑨「あら、ZIPちゃん?来てくれたのね。ありがとう。」
ZIP「うっ…グス、ひっ…ひっ…」
⑨「もう、どうしたの?せっかくの可愛い顔が台無しじゃない。」
――テケちゃん、行かないの?
テケ「もうちょっとだけ待ってあげるのだ……」
目に涙を浮かべたテケちゃんがボーっと⑨先輩を見ていた。
ずっと……
もまれ「なべ先輩…卒業おめでとうございます。」
なべ「あら、もみもみー!来てくれたのねー!」
もまれ「当たり前じゃないですか。先輩…その…はは、何て言っていいかわかんないや…」
なべ「もみもみ…新聞部、よろしくね。平らMちゃんと一緒に盛り上げていってね。」
もまれ「……はい!」
なべ「そうだ。これあげる。私の愛用のカメラ。」
もまれ「ええ!?そんな高価なもの受け取れませんよ!」
なべ「なに言ってるの。貸すだけよ。いっぱしのジャーナリストになったら返してね。」
もまれ「……グスン…あ、ありがとう…ございます!大事に……します!」
なべ「うん。よしよし。」
この学園には先輩後輩の分け隔てなく接する人が多かった。
本当に学校全体が一つの家庭のような温かさだった。
それは新たな旅立ちを迎える日であっても変わることはなかった。
だぜだー「じゃあな、副会長。私が好き放題やれたのもアンタのおかげだ。助かったぜ。」
ゆむ「はいはい。私もアンタの後ろ盾のおかげで楽だったわ。」
万歳「ゆむさーん!一緒に帰りましょう!」
だぜだー「お迎えみたいだぜ。仲良くな。」
ゆむ「ふん、余計なお世話。」
万歳「あ、すいません……お話中でしたか?」
だぜだー「んにゃ、今終わったところだから気にすんな。」
天子ちゃん「ししょー!えへへ…卒業おめでとうございます!」
ゆむ「……」
万歳「え、えっと……あ、ありがとう……」
アベサン「先輩がいなくなってまた槍部候補者が減ってしまったなぁ」
DX上海「あら?紅い人がいるじゃない」
アベサン「まだ二人だぜ。…そうだな。ラングリーの人も掛け持ちしてくれんかなぁ。」
大体は部活の引継ぎや友人との別れに時間を使い、別れを惜しんでいた。
そこに笑顔は少ない。
――あるるさん。
あるる「ん?としあきじゃない。」
――踏まれさんとは…
あるる「ああ、大丈夫よ。もう終わったわ。」
――そうですか。
あるる「何?何か言いたいことがあったんじゃないの?」
――いえ、ただの挨拶ですよ。
あるる「そう。……踏まの事、よろしくね。あの子、まだ半人前だからさ。」
――はあ、いいんですか?俺で。
あるる「私は丼に追いつかないと…可愛そうだけどあの子のサポートに回れるほど暇じゃないのよ。」
――…分かりました。まぁ適当に何かあったら助け舟を出しますよ。
あるる「それでいいわ。あまり甘えさせても本人のためにならないし…」
ぶっきらぼうだけどあるる先輩の言葉の端々に優しさが感じられた。
本当は踏まれさんのことも大丈夫だと思っているんだろう。
ゆあ姉先生の声「みんなー!もう下校の時刻よー!早く帰りなさーい!」
――おっと
ちーすけ「帰るかー!」
巫女巫女「たまには全員で帰るってのはどうだ?」
オレオ「俺はどうでもいいっすよ」
だぜだー「よっし!最後のイベントだ!帰るかー!」
アベサン「ウホッいい提案……」
学園生活は終わりを告げ、そしてまた新たに始まる。
この空がずっと続いているように。
大地がどこまでも繋がっているように。
人の絆が繋がっているように。
ベイパーキャノーン!!
きっと、これからも俺達は家族なんだ。
――っていう話、どうよ?
オレオ「んー面白かった。かなり大爆笑」
――だろ?気に入ったからってパクんなよ?