源義経【1】
「風の匂いが変わったな……。そろそろ敵のおでましであろうか?」 軍を指揮し先陣に立った源義経は、周囲の空気が豹変したことを真っ先に察知する。かつてない、戦乱の幕開け――。 |
源義経【2】
「我が軍に課せられた使命を果たすため、私はこの弓を引く……」 じりじりと迫りくる薄汚れた敵陣を前に、源義経の手は震え、額から汗が噴き出る。恨みなしの一発勝負、強い者が制す! |
源義経【3】
「殺気に満ちた強大な敵が迫ってきている……。だが、退くわけにはいかない!」 戦いに傷つき空虚となった身、すでに血の色さえ色褪せる。勝利だけを夢見て、ただ前を見据え、その一矢を放つ! |
源義経【4】
「たとえ時代の徒花になろうとも、私の決意は変わることはない。この一矢に、魂をこめる!」 しかし、渾身の一矢は儚く散った……。救われぬ想いは空を駆け、信じる者からの裏切りに心が咽び泣く。 |