和魂【1】
「人は心満ちていれば、争いなど起こさぬものです」 豊かな農作物と、穏やかな気候。この地は幸せに満ちている。和魂の考え通り、争いは起こらなかった。富を得るために、人々が野山を切り開くこともない。 |
和魂【2】
「そのお心だけいただければ十分です、それはあなたたちがお食べなさい」 この地の人々は、太陽が出るたびに天に供物をささげる。日が昇るという当たり前のことに感謝できる心の持ち主なのだ。自分たちが光ある世界で、暖かにすごせることのありがたみを知っている。 |
和魂【3】
「この恵みは、あなたたちの心の潤いにふさわしいものです」 時に降る雨にも、人々は感謝の祈りをささげる。自分たちの食べる作物が、雨によって育ったものであることを忘れてはいない。自分たちだけの力で育てたなどと、おごってはいないのだ。 |
和魂
「あなたたちが天地を愛するように、天地もあなたたちを愛しましょう」 この地の人々は天地に対する礼を忘れてはいない。衣食足りて礼節を知る、と人は言うが、果たしてどちらが先なのだろう。この穏やかな人々を見守りながら、永遠の時をすごしたい。和魂はそう願うのだった。 |