概要
語呂合わせ?の一種。特に、計算式に基づいた語呂合わせを指して言う。現時点でこの名称で紹介されている最古の例は、織田正吉『ことば遊びコレクション』(1986)で、おそらくは「ぎさんすうか」と読む。
実例
擬算数歌は、計算式のうち数字の部分だけが語呂合わせに対応している限定型、+や-などの演算記号も語呂合わせに含まれている包括型の二通りある。どちらの場合も、語呂合わせになった言葉が分断されておらず、関連し合っているのが特徴。限定型は比較的オーソドックスである一方、包括型は難易度が非常に高い。
限定型
4 × 9 + 8 × 9 = 108
4 × 9 で「しく」(四苦)、8 × 9 で「はっく」(八苦)、すなわち「四苦八苦」を表し、それが一般的に煩悩の数とされる 108 に収束するという定番の語呂合わせ。
18782 + 18782 = 37564
184 + 184 + 184 + 184 + 184 + 184 = 1104
18782(いやなやつ) 足す 18782(いやなやつ) は 37564(みなごろし)。184(いやよ) を繰り返していくと最後には 1104(いいわよ)。この2つの語呂合わせは、かつてテレビ番組『トリビアの泉』でも紹介された。
3564 + 2943 + 183 + 49 + 4 = 6743 (にぅま・作)
3564(見殺し)、2943(憎しみ)、183(嫌味)、49(辛苦)、4(死)。これらが一気に押し寄せると 6743(虚しさ)に襲われる。
114+514+23+514+889+514+23+889+33+364+23+351=4251 (にぅま・作)
114(いいよ)、514(来いよ)、23(兄さん)、33(さぁさぁ)、889(早く)、364(見ろよ)、351(さあ来い)、4251(しつこい)。
√6374 ≒ 79.837 (にぅま・作)
6374(無惨な死)、79.837(泣くわ皆)。
√968459 ≒ 984.103 (にぅま・作)
968459(苦労は地獄)、984.103(悔しいおっさん)
√45450721 ≒ 6741.7
ネット上に突如として出現した最大の問題作。「しこしこおなにい」「むなしいな」。
包括型
239 × 4649 = 1111111 (タカタ先生・作)
239(不作)になりそうなので 4649(よろしく) と願を ×(かける)と 1111111(1が7個=イナ穂)が実った。
861 ± 246
「野郎、いい加減にしろ!」。861(野郎いい)、± プラスマイナスで「加減」、246(にしろ)。解の部分は無い。
「戦場に架ける橋」。/1000 (1000の上なので千上=戦場)、2(に)、×(かける)、84(はし)。
応用
次の3種類の擬算数歌は、7775の都都逸調で読むことができる。
「五分と五分とでしかけた上は引くに引かれぬ身の事情」。
「ささ(酒)はじゅうぶん三味ひき寄せて渋い節(ふし)引く四畳半」。
「(前半未解読)話に身が入る四畳半」。
これらは、織田正吉『ことば遊びコレクション』で紹介されているが、いずれも出典不明でありかつ詠み人知らずのものとなっており、どこでこれら擬算数歌を採集されたのかはよくわかっていない。また、解を含めてあらゆる部分を語呂合わせさせた大作となっているが、実は計算部分と解が一致していない。
そこで、自前で作ったのが以下の擬算数歌。
「要求を十分満たせばご自由に」
「人の人情かけても寂しさ 和みが去ってく世の無常」
「苦労をかけた身の上話 心を惹いて泣きついた いろんな事情が後引く昨夜」
備考
参考・引用
織田正吉『ことば遊びコレクション』
日本お笑い数学協会『笑う数学』






