擬算数歌

Last-modified: 2025-10-03 (金) 23:10:49

概要

 語呂合わせ?の一種。特に、計算式に基づいた語呂合わせを指して言う。現時点でこの名称で紹介されている最古の例は、織田正吉『ことば遊びコレクション』(1986)で、おそらくは「ぎさんすうか」と読む。

実例

 擬算数歌は、計算式のうち数字の部分だけが語呂合わせに対応している限定型、+や-などの演算記号も語呂合わせに含まれている包括型の二通りある。どちらの場合も、語呂合わせになった言葉が分断されておらず、関連し合っているのが特徴。限定型は比較的オーソドックスである一方、包括型は難易度が非常に高い。

限定型

4 × 9 + 8 × 9 = 108

 4 × 9 で「しく」(四苦)、8 × 9 で「はっく」(八苦)、すなわち「四苦八苦」を表し、それが一般的に煩悩の数とされる 108 に収束するという定番の語呂合わせ。

18782 + 18782 = 37564

184 + 184 + 184 + 184 + 184 + 184 = 1104

 18782(いやなやつ) 足す 18782(いやなやつ) は 37564(みなごろし)。184(いやよ) を繰り返していくと最後には 1104(いいわよ)。この2つの語呂合わせは、かつてテレビ番組『トリビアの泉』でも紹介された。

3564 + 2943 + 183 + 49 + 4 = 6743 (にぅま・作)

 3564(見殺し)、2943(憎しみ)、183(嫌味)、49(辛苦)、4(死)。これらが一気に押し寄せると 6743(虚しさ)に襲われる。

114+514+23+514+889+514+23+889+33+364+23+351=4251 (にぅま・作)

 114(いいよ)、514(来いよ)、23(兄さん)、33(さぁさぁ)、889(早く)、364(見ろよ)、351(さあ来い)、4251(しつこい)。

√6374 ≒ 79.837 (にぅま・作)

 6374(無惨な死)、79.837(泣くわ皆)。

√968459 ≒ 984.103 (にぅま・作)

968459(苦労は地獄)、984.103(悔しいおっさん)

√45450721 ≒ 6741.7

 ネット上に突如として出現した最大の問題作。「しこしこおなにい」「むなしいな」。

包括型

239 × 4649 = 1111111 (タカタ先生・作)

 239(不作)になりそうなので 4649(よろしく) と願を ×(かける)と 1111111(1が7個=イナ穂)が実った。

861 ± 246

 「野郎、いい加減にしろ!」。861(野郎いい)、± プラスマイナスで「加減」、246(にしろ)。解の部分は無い。

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 「戦場に架ける橋」。/1000 (1000の上なので千上=戦場)、2(に)、×(かける)、84(はし)。

応用

 次の3種類の擬算数歌は、7775の都都逸調で読むことができる。

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 「五分と五分とでしかけた上は引くに引かれぬ身の事情」。

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 「ささ(酒)はじゅうぶん三味ひき寄せて渋い節(ふし)引く四畳半」。

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 「(前半未解読)話に身が入る四畳半」。

 これらは、織田正吉『ことば遊びコレクション』で紹介されているが、いずれも出典不明でありかつ詠み人知らずのものとなっており、どこでこれら擬算数歌を採集されたのかはよくわかっていない。また、解を含めてあらゆる部分を語呂合わせさせた大作となっているが、実は計算部分と解が一致していない。

 そこで、自前で作ったのが以下の擬算数歌。

タイトルなし1.png

「要求を十分満たせばご自由に」

タイトルなし2.png

「人の人情かけても寂しさ 和みが去ってく世の無常」

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「苦労をかけた身の上話 心を惹いて泣きついた いろんな事情が後引く昨夜」

備考

参考・引用

織田正吉『ことば遊びコレクション』
日本お笑い数学協会『笑う数学』