「清潔感がない男は無価値」?――外見で裁かれる男性たち

Last-modified: 2025-05-05 (月) 20:15:39

概要

現代の日本社会において、外見への期待や評価が女性に対してだけでなく、男性にも強く求められるようになってきています。しかし、そうした要求が「努力できるかどうか」だけでは片づけられないケースも存在します。「男なのに不潔」「冴えない男は自己管理ができない」といった言葉が、実は性別に根ざした偏見であり、男性差別の一形態として問題視されつつあります。

問題の放送内容

ある情報番組*1の恋愛特集で、複数の女性ゲストが「最低限の清潔感は必要」「髪型と眉毛がダメな時点でアウト」などと発言しました。企画自体は「モテる男の条件」というテーマでしたが、スタジオでは特に異論も出ず、男性に求められる外見の厳しさが当然のように語られていました。

また、別のバラエティ番組では、見た目に無頓着な男性タレントが笑いのネタにされる場面がありました。「服に気を使わない=女性に興味がない・だらしない」といった印象操作もされ、視聴者に対して「男として最低限の外見を保たなければならない」という圧力を助長していました。

社会的反応

こうした番組内容に対して、SNSでは「外見で人を判断しすぎ」「清潔感って結局、顔と身長次第じゃないのか?」という批判が噴出。中には、「女性が容姿をネタにされたら炎上するのに、男性なら許されるのはおかしい」といった、ジェンダー不均衡への疑問も見られました。

また、薄毛や体型、身長といった「自分では変えにくい特徴」が、婚活市場や職場評価においてネガティブに扱われる現実に苦しんでいる男性の声も多く投稿されました。「外見の悩みを相談しても、男性は努力不足と突き放される」「美容に関心を持てばキモいと言われ、無頓着なら不潔扱い」といった“板挟み”の状況に、多くの共感が寄せられました。

この問題の根底には、「男性は評価されて当然」「見た目を気にしないと社会的に淘汰される」という価値観の押しつけがあります。ジェンダー平等を語る上で、男性に課されている“外見偏重”のプレッシャーにも、しっかりと目を向ける必要があるでしょう。


*1 どれ? 番組の特定をしてくれる有志の方を募集しています