ホームレス男性の多さ_0604(水)
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概要
このページでは、日本のホームレス問題において、男性が圧倒的に多いという現実と、それに対する社会の反応の薄さについて取り上げます。
厚生労働省の調査によると、ホームレスの約9割が男性です。
それにもかかわらず、男性への支援は十分とは言えず、「男性だから助けを求めにくい」「男性の貧困は軽く見られがち」といった空気が問題となっています。こうした“見えにくい差別”にもっと目を向ける必要があると考えられています。
発端
日本では毎年、厚生労働省が全国のホームレスの人数を調査しています。
その調査によると、2023年時点で確認されたホームレスの約90%が男性でした。多くの人はこの数字に驚きますが、ニュースなどではあまり大きく取り上げられることはありません。
ホームレスになった理由としては、失業、家族との関係の悪化、病気や障がいなど、さまざまな原因があります。しかし、男性の場合、「助けを求めるのは恥ずかしい」「男なのに情けないと思われそう」と感じて、誰にも相談できないまま路上で生活するようになる人も少なくありません。
このように、ホームレスの多くを男性が占めているにもかかわらず、社会の目があまり向けられていないことが問題視されるようになってきました。
問題視された背景
ホームレスの人の多くが男性であるにもかかわらず、社会ではあまり大きな問題として見られていないことが問題になっています。これは、「男はがまんすべき」「働けない男はダメ」という古い考え方が今でも残っているためだと考えられています。
また、女性や子どもが路上生活をしている場合はニュースで大きく取り上げられることが多いのに、男性が同じ状況にいても「本人のせいだ」と言われてしまうことが少なくありません。このように、男性の貧困や困難が「自己責任」として片づけられてしまう社会の空気があります。
その結果、支援を受けられない男性や、助けを求めても気づいてもらえない人が多くなってしまっています。こうした状況を見直すべきだという声が、少しずつ広がってきています。
社会的反応
ホームレスの多くが男性であることについて、SNSではいろいろな声があがっています。中でも、次のような意見が目立ちました。
・「ホームレスのほとんどが男性って、もっとニュースで取り上げるべきじゃない?」
・「女性や子どもなら心配されるのに、男だと“がんばれ”で終わるのはつらい」
・「男性の貧困も、ちゃんと助けられる社会にしてほしい」
・「困ってる人を性別で分けて考えるのはもうやめた方がいい」
こうした意見からは、「男性だから」「女じゃないから」という理由で見過ごされてきた問題に、気づき始めている人が増えていることがわかります。社会全体が、すべての人に対して公平な目を向けられるよう、少しずつ変わってきています。
団体や関係者の対応
これまで、ホームレス支援といえば女性や高齢者を中心に行われることが多く、男性への支援はあまり注目されてきませんでした。でも最近では、一部の自治体やNPO(ボランティア団体)が、男性ホームレスにも目を向けるようになってきました。
たとえば、東京都や大阪市では、性別に関係なく利用できる一時的な宿泊施設や、仕事を探すサポートなどが少しずつ整ってきています。また、「男性にも安心して使える場所をつくろう」という呼びかけも広がっています。
ただ、こうした取り組みはまだ少なく、全国的にはまだ支援の数が足りていないのが現状です。今後は、「男性も助けを求めていい」という社会の空気をつくることが大切だと考えられています。
