容姿差別
概要
男性に対する容姿に関する評価とは、身長、体型、顔立ち、髪の状態といった外見的特徴に基づいて、個人が社会生活において何らかの不利益を受ける状況を指す。女性の容姿に関する問題が社会的に注目される一方、男性が経験する容姿に関する評価や偏見は、問題として認識されにくい傾向がある。
具体的な事例
婚活サイトやマッチングアプリにおいて、「身長170cm以上」といった条件が設定されることがあり、低身長の男性が不利な状況に置かれる場合がある。また、企業の採用面接や職場において、能力とは直接関係のない外見的特徴が、評価に影響を与える可能性も指摘されている。テレビ番組などでは、男性の容姿を笑いの対象として扱う表現が見られ、こうした表現が社会における容姿に関する偏見を助長するとの意見もある。
統計と問題の状況
ある転職サイトの調査では、採用担当者の約6割が「男性の採用判断において外見が影響する」と回答しており、容姿がキャリア形成における一因となっている可能性が示唆される。容姿に関する悩みを持つ男性からの相談件数は増加傾向にあるが、専門的な支援体制は十分に整備されているとは言えない。こうした状況は、男性の自己肯定感に影響を与え、美容整形を検討する男性の増加に繋がっている可能性も考えられる。
メディアにおける描写
メディアにおいて、特定の外見的特徴を持つ男性を画一的に描写することは、容姿に関するステレオタイプを強化し、再生産する可能性がある。男性が自らの容姿に関心を持つことや、美容への努力を軽視するような風潮も一部に見られる。こうしたメディアの描写は、職場や学校における個人の外見に関する言動に影響を与え、精神的な健康に影響を及ぼす可能性が指摘されている。
出典
- 東洋経済オンライン「東大男子が経験する、外見による選別? 男だって、容姿で差別されている」https://toyokeizai.net/articles/-/24771
- NEWSポストセブン「容姿差別で苦しむ40代男性介護士の事例」https://www.news-postseven.com/archives/20210620_1669313.html
