男性差別の無自覚

Last-modified: 2025-06-07 (土) 09:46:49

男性差別

男性差別とは、男性であることを理由に不利益な扱いを受ける現象を指す。日本社会では、女性の地位向上の議論が進む一方で、男性への制度的・文化的な逆差別が見過ごされがちである。

就職・育児における差別

日本の保育士資格取得者のうち、男性保育士に対しては「おむつ替えや着替えをさせないでほしい」などの保護者からの制限が多く、現場で十分に業務を果たせない事例がある。これは男性を潜在的に「加害者視」する社会的偏見によるものであり、厚生労働省も対応に苦慮している。

行政サービスにおける差別

一部の自治体では、子育て支援セミナーや母子家庭支援が充実している一方、父子家庭への支援が十分でないと指摘されている。たとえば東京都の一部区では「母子限定支援」と明記された制度が存在し、父親が申請できないケースがある。

痴漢対策広告と表現

鉄道会社が掲示する痴漢撲滅ポスターでは、男性を加害者と断定する表現が多く、男性団体などから「無実の男性が萎縮する」として問題提起されている。痴漢抑止を目的とした取り組み自体は正当であるが、性別で一方を断罪する構図が偏見を助長するとの指摘がある。

今後の課題

男女平等を真に実現するには、女性差別の是正だけでなく、男性に対する無自覚な差別の是正も求められる。