第1話 夏の風物詩
フルサト | 金チャン、とっても素敵♪ 着丈もぴったりでよかったワ~! |
キンベエ | うむ、着心地もよく快適で…… 日本を感じるからかのお。 なにやら落ち着くような……。 |
フルサト | ウフフ……金チャンのでコツは掴めたワ! 次は〇〇のを作るわネ♪ |
ナポレオン | むむ……! キンベエよ、 何やら見慣れる格好をしているではないか。 |
キンベエ | ああ、これは浴衣といってな、 日本で夏の夜に着る着物のひとつだ。 |
キンベエ | フルサト殿から完成したと聞いてな、 早速袖を通してみたところだ。がっはっは! |
ナポレオン | なんと! マダム・フルサトが作ったのかね!? |
フルサト | そうヨ~♪ 今度、街の広場でちょっとした夏祭りが あるって教えてもらったの。 |
フルサト | 日本では、夏祭りといえば浴衣だもの。 せっかくだから、 浴衣を作って着ていくコトにしたの。 |
キンベエ | 小さな祭りだと聞いとるが、 浴衣に出店にとあれば、 充分夏の夜の良い思い出になると思うぞ。 |
ナポレオン | ふむ…… 夏祭りにユカタとやら、実に興味深い。 ……よし。 |
ナポレオン | ラ───ップ! ラップはどこだ!来い! ニコラとノエルも来たまえ! |
ラップ | はぁ…… 一体なんの騒ぎですか、陛下。 |
ナポレオン | 我々も〇〇とともに ユカタを着て夏祭りに行くぞ! よいなっ!? |
ニコラ | わぁい! 陛下とお祭りだなんて楽しみです! |
ノエル | きっと、素敵な夏の思い出になりますね…… 楽しみです……! |
ラップ | 祭りがあることは知っていますが、 生憎私はその日作戦で出ております。 |
ナポレオン | ラ───ップ! |
ナポレオン | もちろん私は その作戦の全容を把握しているぞ。 確かに簡単な任務ではないが……。 |
ナポレオン | それはお前の前準備次第だ! 当日は全力で作戦を成功させ、 そして素早く私のもとへ帰還するのだっ!! |
ナポレオン | それができぬお前ではないだろう? |
ラップ | また、無茶なことを……。 無論、作戦の成功を優先しますが…… 善処はしましょう。 |
ゲベール | なんの騒ぎかと思ったら……浴衣か。 そりゃ、こっちじゃあ見ねぇ格好だよな。 |
エンフィールド | そうだね。日本では ああいう服を着てる人が多かったから、 懐かしいなぁ……。 |
フルサト | ウフフ……気になるの? よかったら、ふたりの分も作るワ。 みんなで一緒にお祭り行きまショ! |
ゲベール | あ!? いや、俺は……っ。 |
エンフィールド | ゲベール、人の好意は 有り難く受け取っておくべきものだよ? その日はちょうど君も非番じゃないか。 |
ゲベール | ……ッチ、しゃーねぇな! |
フルサト | 〇〇、 ワタシのワガママに付き合ってくれて、 本当にアリガトウ……。 |
フルサト | ビーチもとっても楽しかったけれど、 故郷の風物詩は、きっとトクベツなのネ……。 |
フルサト | ウフフ! これから忙しくなるワァ。 張り切って準備しなくちゃ♪ |
第2話 夏祭りの危機
ノエル | 今日は邪魔なラップもいないし…… 陛下と〇〇と僕たちだけで 夏祭りを楽しむチャンス……! |
ノエル | ……だったのに。 はぁ……。 |
ニコラ | ね、ノエル。 雨、止むかな……? |
ノエル | どうだろう……。 せっかくのお祭り、 中止になっちゃうのかな……。 |
フルサト | ……ニコラちゃん、ノエルちゃん。 そんなに暗いカオしないで? |
フルサト | 夕方までに雨が止むように…… ワタシと一緒に 『てるてる坊主』でおまじないしまショ! |
ニコラ | てるてる、ボーズ? ……って何? |
ノエル | おまじないって、本当に効果あるわけ……? |
フルサト | むかーしむかし……、 あるお坊さんが天気が晴れるように 祈祷したケドうまくいかなくてネ。 |
フルサト | そのお坊さんの首を布に包んで吊るしたら、 雨が止んで とってもよく晴れたんですっテ……。 |
ニコラ&ノエル | ぴゃああああっ……!?!? |
フルサト | ウフフ。他にもいろんな 言い伝えがあるみたいだケド…… きっと、強くお祈りすればダイジョウブよ。 |
ニコラ | うん、やらないよりマシだよね! |
ノエル | どういう風におまじないするの……? |
フルサト | まずは紙とか……そうネ、布でもいいワ。 くしゃくしゃっと丸めるの。 |
フルサト | それを、 白い紙か布でこういう風に包んで……。 |
フルサト | はい、完成♪ これを吊り下げて、 晴れるようにお願いするのヨ。 |
ノエル | へぇ、けっこう簡単なんだ……。 |
ニコラ | ねえねえノエル、〇〇に、 一緒に作ってってお願いしてこよう! |
ノエル | うん……! |
ナポレオン | おおっ、わが愛しのピストルたちに 笑顔が戻ってきたな。 感謝するぞ、マダム・フルサト! |
フルサト | ウフフ……どういたしまして。 |
ナポレオン | さて…… その『てるてるボーズ』とやら、 私も作ろうではないかっ! |
ナポレオン | 皇帝が手ずから作り祈れば、 天も願いを聞き届けるであろうっ! はーっはっは! |
第3話 全員集合!
ニコラ | 雨が止んで良かったね、ノエル! 陛下と〇〇も一緒に おまじないしてくれたからかな? |
ノエル | うん、きっとそうだよ……! お祭り、中止にならなくてよかったね、 ニコラ |
ニコラ&ノエル | ラップもいないし……ふっふっふ……。 |
ナポレオン | ニコラ、ノエル、菓子の味はどうだね? |
ニコラ | 陛下! 陛下の買ってくださったポム・ダムール、 とってもおいしいです! |
ノエル | バーバパパも…… 甘くてふわふわで美味しいです……。 ね、〇〇。ひとくちどうぞ。 |
ナポレオン | どれ、私も一口もらおうか。 |
ナポレオン | ……うむ! これは良いものだな。 |
ナポレオン | さぁ、気になるものがあったら どんどん言うがいいぞっ! もちろん、〇〇もだ! |
ナポレオン | しかし……ラップは何をしているのだ? 夕方には戻れと言ったのに、 夜になっても戻らんとは……。 |
ナポレオン | 私の副官たるものが遅刻など…… もしや、雨で足止めを食らったか!? |
ノエル | むぅ…… ラップなんか来なくていいよね……。 |
ニコラ | うん。だってラップのやつ、 いつも陛下のおそばにいるんだもん。 今日くらい、僕らに譲ればいいんだ! |
ラップ | ……おや? |
ナポレオン | おおっ、ラップ! ラップではないか! |
ナポレオン | まったく 皇帝の言いつけに遅参するとはな。 |
ナポレオン | ともかく、作戦ご苦労。 さあ、お前も早く ユカタに着替えてくるがいい! |
ラップ | いえ、私は……。 帰りに通りかかっただけですので、 少し見たら基地に戻ります。 |
ナポレオン | まったく……この期に及んで 何をつまらぬことを言っているのだっ!? |
ナポレオン | お前のためを思って、 〇〇がわざわざ基地から ユカタを持ってきているのだぞ! |
ラップ | ……そう、ですか。 マスターのご好意なら、 無駄にするわけにはまいりませんね。 |
ラップ | ありがとうございます、マスター。 あちらで着替えてきますので……。 |
ラップ | はぁ……私を睨んでいる双子が いたずらをしないよう、 見ていていただけますと助かります。 |
第4話 銃の矜持
ミカエル | なんだろう? 向こうが少し騒がしいね……。 |
ファル | 何か催しでもしているんですかねぇ。 様子を見に行ってみましょうか。 |
ゴースト | ……へぇ。ちょっとした祭りみたいなこと やっとるんか。 えらい賑わっとるやん。 |
店主 | さあさあ、見てっとくれ! 高得点のお客さんには、 豪華景品プレゼントだよ~! |
ファル | この小規模なら 仕方ないかもしれませんが……。 |
ファル | 催しの届け出があったとは 聞いていませんねぇ。 |
ゴースト | なあなあ自分ら…… ちゃーんと許可取っとるん? それとも……勝手にやっとるんか? |
店主 | ひっ……! せ、世界帝軍……!? |
ファル | おや? 我々が来ると、何か不都合なことでも? |
店主 | と、とんでもございません……! 許可もきちんといただいております! ハイ……! |
ゴースト | ……ふぅん、さよか。そんならええわ。 んで、こん店は……射的かぁ。 |
ファル | 興味でも? |
ゴースト | んー、特別あるわけやないけど…… 銃としてこんくらいはできんと、って 思わへん? |
ファル | ふむ……それもそうですね。 あなたはどうします? |
ミカエル | 僕はいいよ。 遊戯の類にはあまり親しみがないんだ。 |
ゴースト | そんならワイから…… なんや、ちゃちい銃やな。 ほな行くで。 |
ゴースト | ほい、ほい、もういっちょほいっと! |
店主 | お、おお……! 本日一番の高得点です! |
ゴースト | ふん……ま、ワイにかかれば こんなもんや。 |
第5話 狙った獲物は逃さない
フルサト | ウフフ、これがお祭りなのネ。 通りすがる人、みんな楽しそうで…… いいものネ。 |
フルサト | 浴衣も着て、〇〇と3人で こうして楽しめるなんて…… 本当に夢のようだワ。 |
キンベエ | のお、フルサト殿、 あれはなんだろうか? |
フルサト | あら……『アヒル釣り』? アヒルちゃんを釣るのカシラ? |
フルサト | なんだか面白そうネ、やってみない? |
キンベエ | うむ、それがいい! 店主殿、3人分よろしく頼む。 |
店主 | はいよ! このフックで釣ったアヒルの数だけ、 いろんな景品と交換できるよ。 |
キンベエ | ほお! そりゃ、いい土産物になるのお。 どれどれ……! |
キンベエ | よっ! ほっ! そりゃっ! よし、掛かっ━━ |
キンベエ | ……むむ! 逃した! ふぅ、なかなか難しいもんだのお。 |
フルサト | アラ、器用な金チャンが 苦戦するなんて……ワタシには無理かしら? |
フルサト | とにかく、やってみなきゃネ! ソーレッ! |
フルサト | ……ワオ! 見て、〇〇、金チャン! |
キンベエ | おお……! こりゃ驚いた。 お上手ですなぁ、フルサト殿! |
フルサト | ワタシもびっくりしたワァ。 ……これ、たくさん釣ったら 景品をもらえるのよネ。 |
フルサト | それじゃ、 みんなの分まで頑張っちゃうワ~♪ |
フルサト | まだまだいくわヨ~! ソーレッ! |
第6話 迷子
ファル | しかし、こんな辺鄙な町の祭りでも、 案外賑わっているものなのですねぇ。 |
ミカエル | あの方は こういう催しがあまり好きではない と思っていたけれど……。 |
ミカエル | いや、そもそもこの程度の些事は、 あの方の耳には入らないか。 |
ファル | ええ。それに、 祭りはそう悪いものでもありませんよ? |
ミカエル | ……おや。 君がそんなことを言うなんて、驚いたな。 |
ファル | ふふ…… 祭りは商業活動の一環ですからねぇ。 |
ファル | 浮かれた人々は、 つい散財するものでしょう? |
ファル | そうして市場に回った金を、 適当な理由でも付けて徴税し、回収すればいいんですよ。 |
ミカエル | なるほど、道理で。 とても君らしい考えだね。 |
ファル | ところで……。 |
ファル | 先程からゴーストさんが 見当たらないのですが。 どこに行ったんでしょう。 |
ファル | 彼、いまいち存在感がないものですから…… うっかり置いてきてしまいましたかねぇ。 |
ミカエル | ふむ……僕も気付かなかったよ。 どこでいなくなったんだろう。 |
ファル | やれやれ…… 面倒ですが、捜しに行きますか。 まずは……。 |
ゴースト | ファルはんにミカエルくん、 どこにおるんや……。 |
ゴースト | けったいなお面に気ぃ取られたんが あかんかったか……。 |
ゴースト | どうせワイは存在感ない…… 見つけてもらえんやろし、 ひとりで帰るか……。 |
ファル | はぁ…… こんなところにいたんですか。 |
ゴースト | えぇ……! ワイを見つけてくれるなんて…… あんさんやるなぁ。 |
ファル | まったく……あなた、 ただでさえ存在感がないんですから、 もっと目立つところにいてくださらないと。 |
ファル | 兵士からも、あなたをよく見失うと 聞きますし……。 |
ファル | そうですねぇ、 いっそ、鈴でも付けておきましょうか。 |
ゴースト | …………。 見つけてもろといてなんやけど、 わい、あんさんのこと好かんわ……。 |
第7話 名銃の名にかけて
エンフィールド | 〇〇さん、こんばんは。 今日はいい夜ですね! |
エンフィールド | ずっと雨が降っていたので どうなることかと思いましたが、 無事お祭りに来られて何よりです。 |
エンフィールド | ああ、あとは、 ブラウン・ベス先輩さええらしたら……。 |
エンフィールド | 作戦なので仕方ありませんが、 やはり少し残念です……。 |
エンフィールド | しかし、こうして〇〇さんの 素敵なお姿を見られたので良かったです! ええ! |
エンフィールド | ふふっ、〇〇さん、 浴衣、とてもよくお似合いですよ。 |
エンフィールド | ……えっ、僕もですか。 ありがとうございます。 そう言っていただけると嬉しいです。 |
エンフィールド | さて……〇〇さん、 僕に少しお時間をいただけますか? 折角なので、出店を回りましょう! |
エンフィールド | まずは何にしましょうか。 ……おや? あちらに射的がありますね! |
エンフィールド | 大英帝国が誇る名銃として、 僕も挑まないわけにはいきません。 |
エンフィールド | それに、得点に応じて豪華景品と…… これは、ブラウン・ベス先輩へのお土産にも 最適ですね! |
エンフィールド | さあ、〇〇さん、 射的用の銃でも変わらない、 僕の優秀さをとくとご覧くださいね! |
エンフィールド | それでは── いざ! |
店主 | おめでとうございます! 最高得点更新です! ……今日は凄腕のお客さんが多いなぁ。 |
エンフィールド | おっと。皆さん、声援と祝福を どうもありがとうございます。 |
エンフィールド | この程度、優秀なこの僕にかかれば 当然ですとも。ええ! |
エンフィールド | 〇〇さん、 なんでも好きな景品を選んでくださいね? |
エンフィールド | あ! これなんて、 ブラウン・ベス先輩への贈り物に 良さそうじゃありませんか? |
エンフィールド | あとでお渡しするのが楽しみですね! ええ! |
第8話 夜空に咲く花
ラップ | ……お待たせしました。 着替えてまいりましたよ。 |
ナポレオン | おお! 似合っているではないか! 流石は私の副官だっ! |
ノエル | まあ……そこそこ、かな。 〇〇の見立てたやつ、 だもんね……。 |
ニコラ | ふんっ……悪くはない、よ。 ……一応 |
ナポレオン | さて、ラップも来たことだ。 まだ回っていない店に行ってみるとするか! |
ニコラ&ノエル | はい、陛下! |
(爆発音) | |
ナポレオン | ──伏せろ! |
ラップ | 〇〇! |
ラップ | ……花火、でしたか。 敵の襲撃かと思いましたよ……まったく。 |
ノエル | わぁ、花火だ……! あっちから上がってる……! |
ナポレオン | ふむ……位置的に、 数キロ先にある世界帝軍基地だな。 |
ナポレオン | そういえば、 セレモニーをするという 情報があったか……。 |
ニコラ | えっ、 世界帝軍の花火、ですか……? |
ナポレオン | うむ。フランス歴代の君主たちも、 民衆を楽しませ王権を増強するために 花火を用いたものだ。 |
ナポレオン | 無論余も、自らの名君ぶりと 帝国の繁栄を象徴するものとして、 花火を打ち上げた。 |
ニコラ | 陛下…… この花火は、世界帝を称えるもの なのでしょうか……? |
ナポレオン | おそらくな。 ……しかし、気にする必要はないぞ。 |
ナポレオン | 花火のひとつやふたつ程度、 怖じずに楽しむ心の余裕は 必要であるからな! |
ノエル | はい……! いつか世界帝を倒したら、その時は 僕達が花火を上げる番ですね……! |
ナポレオン | うむ! その意気だぞ! さすが、私の愛しいピストルである! |
ラップ | マスター……、 世界帝軍の上げた花火とあっては、 やはり複雑でしょうか。 |
ラップ | しかし、ご覧ください。 夜空に浮かぶ色とりどりの花……。 |
ラップ | 人々の思惑はどうあれ、 確かに綺麗なものです。 |
ラップ | 陛下が言うように、美しいものを 美しいと……ただ楽しむということに、 私は異論ありませんよ。 |
ラップ | ……基地に戻ればまた、 レジスタンスとして厳しい戦いへ身を投じる 日々に否応なく戻ります。 |
ラップ | ……ですが、今このひとときだけは、 どうか私と共に…… 穏やかな時を過ごしてください。 |
第9話 『クソゲー』
ミカエル | おや? これは……。 |
ファル | ああ、花火ですね。 ……そういえば今日、近くの基地で セレモニーをするとか言っていましたっけ。 |
ファル | 意図せずして 祭りに華を添えてしまいましたか。 |
ファル | 少々癪な……。 さて、あの基地の責任者は誰でしたかねぇ。 |
ゴースト | そのセレモニーとやらも フィナーレっちゅうわけか。 しっかし、キレーやなぁ……。 |
ミカエル | ふむ……体を揺さぶるような音の響き…… いいね、 新しい曲のアイディアが湧いてきたよ。 |
ゴースト | パッと咲いて、 キラキラ光って散っていって…… 花火ってこないに綺麗なもんやったんか。 |
ゴースト | なあ、ファルはん、ミカエルくん。 |
ゴースト | こーゆう綺麗なモンを見ると、 世界は捨てたもんやないなーって思わへん? |
ファル | さあ? 生憎、私はそういう情緒に疎いものでして。 ああ、光ってるなぁとしか。 |
ミカエル | ~~~♪ ~♪ ~~~♪ |
ミカエル | ……ん? 何か言ったかい? ゴースト。 |
ゴースト | …………。 花火の美しさを噛み締めとったんに、 なんや台無しやわ……。 |
ファル | 満足したのなら、もう戻りましょうか。 アインスへの報告もありますし。 |
ゴースト | せやな……。 |
ゴースト | ……あっ! なんやアレ!? ワイらの射的の得点が、誰かに抜かれとる! |
ゴースト | くっそー……どないなっとるんや…… 呪ったる。 |
ファル | ふむ…… 私達は、自分の高性能な銃を 使い慣れていますからねぇ。 |
ボースト | そ、それや。 あのポンコツ銃やと、 勝手がようわからんかったんや! |
ミカエル | そういうのを、クソゲーと呼ぶらしいよ。 89が言っていた。 |
ゴースト | クソゲー、なるほどなぁ。 はぁ……あんなクソゲーのことなんぞ はよ忘れて、さっさと帰ろ。 |
第10話 来年も、また。
ラップ | 陛下、ニコラとノエルを寝かせてきました。 |
ナポレオン | うむ、ご苦労! |
ナポレオン | よほど遊び疲れたのだろうな、 お前に抱えられてもぐっすりとは。 ふっふっふ! |
ラップ | はぁ……。 もしかして、彼らの面倒を見させるために 私を呼び寄せましたか? |
ナポレオン | な、何を言う! そのような邪推はよせ! ラップ、信頼とは衝突を乗り越えてこそ 生まれるものなのだ。 |
ナポレオン | それをお前ときたら! せっかく皆と 非日常的空間で共に過ごすチャンスを 自ら避けるような真似をだな……。 |
ラップ | はぁ…………。 |
キンベエ | いやはや、 フルサト殿の腕前には驚かされたのお。 |
フルサト | ウフフ、みんなへの プレゼントができてよかったワ~。 |
フルサト | ゲベールちゃんも、 浴衣とっても似合ってたわヨ! お祭りは楽しめた? |
ゲベール | お、おう……まぁまぁ、な。 浴衣も……悪くなかった。 |
キンベエ | のお、ゲベール。 フルサト殿はお前の浴衣のために 寝る間も惜しんでいたのだからな、 |
キンベエ | お礼はきっちり言うもんだぞ? |
ゲベール | うっ……! わ、わかてるっつの! |
ゲベール | その…… あ、ありがとな。イカしてるぜ、この浴衣。 |
フルサト | そう? ウフフ、喜んでくれてよかったワ♪ |
キンベエ | がっはっは! お前さん、やればできるじゃないか。 |
ゲベール | チッ……! ……〇〇、笑ってんじゃねぇぞ! |
ブラウン・ベス | おい、〇〇。 任務完了だ…… って、なんの集まりだ? これ。 |
エンフィールド | ブラウン・ベス先輩っ! 作戦、お疲れ様でした! 今日は、 先日お話しした夏祭りに行ってきたんですよ。 |
ブラウン・ベス | ああ…… そういえば、〇〇やフルサトも 行ったんだっけか。楽しめたか? |
エンフィールド | ええ、とても! ……あ、こちらはお土産です。 僕が射的で取ったんですよ! |
ブラウン・ベス | ん? は……派手なクッションだな! いや、こんなのもらっても 置くとこないし……。 |
エンフィールド | す、すみません! ご迷惑でしたね……。 |
ブラウン・ベス | ……! いや、迷惑とは言ってない。 ……まあ、もらっといてやるよ。 |
エンフィールド | 先輩……! |
スナイダー | ……おまえは何か土産はないのか? 旧式。 |
ゲベール | ああ!? てめえなんかにあるわけねぇだろ! 俺は射的はしてねぇよ。 |
スナイダー | なら、おまえは何をしに行ったんだ。 何も成果もなく帰ってきたというのか? ん? |
ゲベール | んだとコラ…… 俺が何してようが勝手だろうがよ! |
エンフィールド | まぁまぁ二人とも、落ち着きなよ! |
エンフィールド | スナイダー、 君も来年は行けるといいね。 |
スナイダー | ……ふん。 |
フルサト | そうヨ、スナイダーちゃん。 今年行けなかったコたちも、 今度は楽しみまショ! |
フルサト | また、みんなの浴衣を作らなきゃ! 来年の夏も楽しみネ~! |