概要
日本のATD-X計画、ロシアのPAK-FA計画を合併し共同開発を行った第五世代戦闘機。ロシア側開発名称はT-50。
ロシアが得意とする高出力エンジンによるスーパークルーズ能力、日本製電子機器の搭載などによりステルス性以外のあらゆる面でF-22を凌駕する戦闘機となっている。
現在両国で試験が進められており、2016年度から量産機の製造が開始され2018年度内には量産第一バッジである36機が納入される予定。
同盟国であるインドではT-50及び本機を基にFGFAを開発する予定である。さらに対中政策において協力関係にある東南アジア諸国へ輸出可能性もある。
設計
機体
基本的にはPAK-FAに基づいているため、外見的にはロシア向けであるT-50とあまり変わらない見た目となっている。ただし、ATD-X開発時に得た技術を付加しているためRCSはT-50より低減されている。
機体に使用されている複合材の割合は日本向けの方が多く、軽量化されている。
2015年7月に試験中の4号機の尾翼に微細な亀裂が見つかったが、これは材料の問題ではなく致命的な欠陥ではないとされた。
アビオニクス
ATD-Xと合わせて開発された高出力多機能レーダーを搭載している。多機能とある通り、通常の捜索、追尾に加えてECM/ESM、無線としても使用可能である。さらに主翼前縁、キャノピー下方左右、テールブームにはXバンドレーダー及びLバンドレーダーが搭載されており、全方位捜索能力が備わっている。周波数拡散技術が適用されており、被発見性を低減させている。
IRSTはT-50と異なりRCS低減を意識し、平面的なカバーに覆われて設置されている。性能自体はあまり変わらない。さらに機体下面前脚前方に固定式のFLIRが設置されており、対地、低空目標の捜索、追尾にレーダーと組み合わせて用いられる。
HUDとHMDを並行して搭載しており、両者を同時に用いることで近接戦においてより多くの目標に対処可能となっている。
主表示装置はカラーで、タッチパネルを採用している。ウィンドウサイズも変更可能であるためパイロットに必要な情報のみを表示することが可能となっており、負担を軽減している。
データリンクには統合データリンクシステムを採用しており、接続している全てのユニットの情報をディスプレイに表示可能である。
エンジン
主エンジンはリューリカ製であるAL-41F1をIHIでライセンス生産したものである。ブレードにXF5エンジンの開発で得た高耐久ブレードを用いているため、原型より高出力が可能である。
兵装
派生型
要目
| 諸元 | |
| 乗員 | 1名(B型は2名) |
| 全長 | 19.8m |
| 全高 | 6.05m |
| 翼幅 | 14m |
| 翼面積 | 78.8平方m |
| 空虚重量 | 17,300kg |
| 最大離陸重量 | 36,900kg |
| 動力 | リューリカ・サチュルン/石川島播磨 AL-41F1-IHI ターボファンエンジン |
| ドライ推力 | 21,000lbf × 2 |
| アフターバーナー使用時推力 | 35,300lbf × 2 |
| 性能 | |
| 最大速度 | M2.5 |
| 巡航速度 | M1.6 |
| フェリー飛行時航続距離 | 5,500km |
| 戦闘行動半径 | 1,900km |
| 武装 | |
| 固定武装 | 9A1-4071KJ 30mm機関砲×1(装弾数:250発) |
| ハードポイント | 機内4ヶ所(内短SAM専用2ヶ所)、機外6ヶ所 |
| ミサイル | |
| 短距離空対空 | AAM-5B |
| R-74 | |
| 中距離空対空 | AAM-4B |
| RVV-SD | |
| 長距離空対空 | XAAM-6 |
| R-37 | |
| KS-172 (機外搭載) | |
| 空対地 | AGM-1 |
| AGM-2 (機外搭載) | |
| 空対艦 | ASM-3(機外搭載) |
| XASM-4 | |
| その他爆弾、ロケットなど各1.5t | |
| アビオニクス | J/APG- 火器管制レーダー |
| J/APX-1C 先進敵味方識別装置 | |
| J/ASW-30 データリンク装置 | |
| J/ARC-26 無線機 | |
| J/ARC-701 VHF/UHF通信装置 | |
| J/ASQ-2 統合電子戦システム | |
| J/AR-1 統合航法装置 | |
| J/AVQ-3 ヘッドマウンテッドディスプレー | |
| J/ALE-3 チャフ・フレアディスペンサー |