B-Side

Last-modified: 2008-01-29 (火) 02:06:28

594 名前:名無し募集中。。。:2007/07/19(木) 11:31:43.26 0


 

試験終了のチャイムが鳴った。あちこちで溜息が洩れた。
俺の前にいた佐紀が振り返って笑った。この様子なら大丈夫そうだな。
教室から受験生たちがどっと溢れ出した。
「僕ん家に集まって新聞で予想点出そうぜ」
西崎が余裕たっぷりな感じで言った。
雅はいつもの如く落ちつき払い、
大吾朗は梅田さんに試験終了を知らせに事務室前の赤電話に走って行った。
俺たち五人は全員受かるだろう、たぶん、いや絶対。
どんな高校生活になるか早くも期待に胸が膨らむ気分だ。
まあ、あの二宮って奴の存在は気になる、しかし・・・ ―― 俺はふと、足を止めた。
玄関に向かう受験生の中に見覚えのある顔を見つけたのだ。
あれは・・・知らぬ間に早足になった。
「どうしたの?あゆみくん。大吾朗の電話が終るまで待ってようよ」
佐紀が腕を掴んだ。
「薄情ねえ。さっさと帰るつもりだったの?」
「え?いや・・・」
俺は言葉を濁してそっと玄関に目をやった。彼女の姿はもうなかった。
見間違いだったのかな。いや、あの横顔を見間違うはずはない。
あれは俺が初めて心から美しいと思った横顔なんだ。
―――― 矢島舞美
そうだ。彼女は絶対に矢島だ。矢島も同じ高校を受けたのか。矢島と同じ高校・・・

 

憂鬱だ。学校に行くのが鬱陶しい。朝目覚めるとすでに疲れている。
これは登校拒否の前兆じゃないだろうか。無理もない。色々気苦労が多いもんなあ。
「あゆみちゃん、いつまで顔洗って鏡見てるの」
「母さん」
俺は洗面所を飛び出してDKに駆け込み睨みつけた。
「ほら、あゆみちゃん、早く食べなさい。もうすぐお迎えが来る頃じゃない?」
「母さん、あゆみちゃんて呼ぶの止めてくれって言ってるだろ。
あんたのおかげで息子は学校中の笑い者になってるんだぞ」