竜類の原典とかの私的解説と自分用のメモ的なもの

Last-modified: 2007-06-07 (木) 20:41:58

竜とは何か
それはファンタジー世界で絶対的な力の象徴として描かれる存在であります
そんな竜たちをすこし私的に解説していく項目

竜の種類

一口に竜、ドラゴンといっても実に様々な形態があります
一般的に想像するのはトカゲのような身体に蝙蝠の翼を持ち、角を生やしていて炎を吹く
といったところでしょうか
ではそれ以外にどんな種類がいるか、実際に見ていきましょう

名称訳語など 翼前足後足補足
ドラゴン多くが炎を吹く
リンドブルム翼竜?翼を持つ竜の総称
リンドドレイク地竜?翼を持たない竜の総称
ワーム蛇?外見上は巨大な蛇
ヴィーヴル翼蛇?翼の生えた蛇、ワイアームとも呼ばれる
ワイバーン飛竜尻尾に毒を持つとされる
ナーガ竜蛇インドの竜、ナーガ・ラージャ(竜王)という王達がいる
ヒュドラ多頭竜首を切られても再生する、本来四肢はない
龍(ロン)中国の龍、9種の動物を合わせた姿とされる
大蛇おろち日本に住む巨大な蛇、かの八岐大蛇も大蛇の一種
虹蛇にじへびオーストラリア先住民アボリジニの神話に登場する虹の精霊
サウルス恐竜恐竜、昔は尻尾を引きずってると思われてたぞ
当図鑑での分類分け

竜属:いわゆるドラゴン

ドラゴン種、リンドブルム種、リンドドレイク種を含む

属性として
 氷竜族、風竜族、水竜族、火竜族
鱗色として
 黒竜族、青竜族、白竜族
その他
 不死竜族、邪竜族、晶竜族、剣竜族、多頭竜族、菌竜族、画竜族

龍属:上位の竜、よく人に化身する類の竜
  東洋における龍(ロン)とは全く別分類

竜種、神竜種、古龍種

銀鱗龍族、魔龍族

亜竜属:ドラゴンより下位か、ドラゴンとは似て異なるものたち

デミ・ドラゴン種、ワーム種、ワイアーム種、ワイバーン種、ヒュドラ種、シーサーペント種、ドラゴン・キメラ種、インセクト・ドラゴン種などを含む

恐竜属:ドラゴンではなく爬虫類の類、分類上は格棲動物にするようなもの

恐竜種、地蜥蜴竜種、魚蜥蜴竜種、首長蜥蜴竜種、翼蜥蜴竜種などを含む

伝承の竜たち

ドラゴン
スマウグ:『ホビットの冒険』に登場するドラゴン、姿はオーソドックスなドラゴンスタイル
毒龍(どくりゅう):中国に輸入された西洋風のドラゴン、神聖さはなく邪悪で凶暴、火炎と毒煙を吐く
ファイアー・ドレイク:イギリスに棲むドラゴンの一種、炎を吹く
ラベンダー・ドラゴン:イギリスの同名の小説に登場するドラゴン、性格の穏やかな竜であり、人間の幸福のために働く
リンドブルム:翼を持つ竜の総称、翼のないものはリンドドレイクといい、両者を総称してドラゴンと呼ぶ
ワーム
蛇の姿をもつ原初のドラゴン
年代を下るごとに四肢や翼を与えられる、イギリスには十二足のワームのいるとか
ヴィーヴル
ワイアームとも呼ばれる
ヴィーヴル:フランスを中心に住む、ドラゴンとされるが、姿は蛇の身体に蝙蝠の翼を持つ
ギーブル:ヴィーヴルの一種、ミラノ市の紋章に描かれる
メリュジーヌ:ヴィーヴルの一種、上半身が美女で下半身が蛇であり背に翼を生やす、
ラプシヌプルクル:アイヌの伝説の龍の一種、名前は「翅の生えている魔力ある神」の意味、翼の生えた蛇の姿をする
ワイバーン
フランスのヴィーヴルがイギリスに入り変化したとされる
シーワイバーン:海飛竜、ワイバーンの亜種で後肢がなく下半身が魚になっているらしい
ナーガ
インドの蛇神、蛇の姿で、王たるラージャは多様な姿をとる
アナンタ:竜王のひとり、千の頭を持つ、名の意味は「無限」
ヴァースキ:竜王のひとり、不死の飲料アムリタを作る物語に登場するらしい
カーリヤ:王ではないナーガのひとり、全てのナーガの祖先とされる
カルコータカ:竜王のひとり、カーリヤの兄弟である有力な王とのこと
シェーシャ:竜王のひとり千の頭をもち、それぞれの頭に卍の印と、イヤリングや王冠などをつけているとされる、アナンタと同一視されることもある
タクシャカ:竜王のひとり、蛇の姿をしている
ムチャリンダ:竜王のひとり、仏陀が菩提樹の下で瞑想している時に守ったとされる
ヒュドラ
多頭竜、名の通り一つの身体から複数の首が生えている
キリム:ザイール共和国山岳部に住むニャンガ族の伝承の森の怪物、7つの頭に7つの角に7つの目を持つ、鷲の尾羽が生えて前肢を有する
ヒュドラ:ギリシャ神話に登場する九頭の蛇、首を切り落としてもすぐさま再生する
ラドン:ギリシャ神話に登場する100頭の竜、黄金の林檎を守る
八岐大蛇、九頭竜は大蛇の項目を参照
水神
応龍(おうりゅう):黄帝直属の龍、それぞれ三本指の四肢と蝙蝠の翼を持つ
蛟竜(こうりゅう):鱗のある龍の一種、四肢を持ち眉が交わっているらしい
黄龍(こうりゅう):文字通り黄色い龍、五行思想で東西南北の聖獣らと共に、中央を守護する龍とされる、五行では黄色に応する土徳の時代に現れる瑞獣
黒龍(こくりゅう):黒い龍であり、前肢はあるが後肢はない、五行思想で黒色は北、水行を示す
青龍(せいりゅう):青い龍であり、四神(四聖獣)のひとりで東方を守護する、五行では東方の青色、木行をしめす
銭塘君(せんとうくん):唐代の小説に登場する赤龍
(ち):虫离と一文字、小さな龍で角を持たない、龍や蛟竜の幼生のようなもの
白龍(はくりゅう):天帝に使える白い龍、他の龍よりも早く飛ぶとされる、白は五行では西方、金行を示す
馬絆蛇(ばはんだ):蛟竜の一種、四肢はなく体は蛇にて、猫か鼠のような頭を持つ
大蛇
日本の巨大な蛇
九頭竜(くずりゅう):奈良時代に神奈川芦ノ湖に住んでいたとされる九頭の大蛇
八岐大蛇:言わずと知れた八頭の大蛇、8つの谷と峰を覆うほど大きい
虹蛇
蛇の姿を持つ虹の精霊、いわゆる創造神などの役割を担う
ウングル:海底にドロが集まって自然に発生した最初の精霊であるらしい、何故かブーメラン海をあわ立てて大地を生み出す、また全ての精霊の父母
エインガナ:無限の砂漠にひとりで横たわっていたが、その後に地上に存在する全てを生み出し、最後に人間を生んだとされる
ユルルングル:虹蛇の一種、ミリルミナの泉の底に棲む
サウルス
ジャバウォック:『鏡の国のアリス』に登場するドラゴンのような怪物、恐竜のような姿を持つ
諸神話など
アジ・ダカーハ:ゾロアスター教の神々の敵対者、三頭のドラゴンの姿をもち、傷を受けると無数の有害な動物が這い出てくる
アポピス:エジプト神話、太陽神ラーの敵対者である地獄の大蛇など
アヤカシ:日本伝承、西国の海に出没した巨大な海蛇
イクチ:日本伝承、茨城県の海域に棲む全長数kmの巨大な海蛇、アヤカシと同種の存在
イルルヤンカシュ:古代ヒッタイト神話、明確な姿はわからないが、巨大な蛇とされる、主神である嵐の神プルリヤシュの敵対者
ヴリトラ:インド神話、巨大な蛇の姿で、名前の意味は「障害」
ウロボロス:古代ギリシャなど、自らの尾を加える巨蛇で無限をあらわす象徴
オピーオーン:古代ギリシャのオルペウス派に信じられた宇宙蛇
カンヘル:アステカ伝承、キリスト教の影響を受けて生まれた神聖な竜、蛇の身体に前肢と翼を持つ
ゲオルギウスの竜:カッパドキアの騎士ゲオルギウスが退治したドラゴン、毒の息を吐く、翼を持たない鰐のような姿であるともされる
ケツァルコアトル:アステカ神話の登場する蛇神、緑色の羽毛の翼を持つ蛇
シー・サーペント:世界中の海にいるという大海蛇、全長は100mとも数kmともされる
タラスクス:フランス中部のローヌ河に棲むドラゴン、レヴィアタンと驢馬のハーフらしい、六本足の鰐のような姿で毒の息を吐き、炎の糞を飛ばす
テーバイの竜:ギリシャ神話のテバイにあるアレスの泉を守るドラゴン、黄金の鱗を持つ蛇の姿をする、このドラゴンの牙からスパルトイ(竜牙兵)が産まれた
ニーズヘッグ:北欧神話で死者の国ニブルヘイムの泉フヴェルゲルミルに棲む、ニグヘドとも
ピュトン:ギリシャ神話のデルポイ山に棲む竜、姿は蛇に似る
ファーブニル:北欧伝承、英雄シグルズ(ジークフリート)に退治されたドラゴン、翼はなく、蛇の身体に四肢を持つ
ムシュマッヘー:古代バビロニア創生神話に登場する七頭の大蛇
ヨルムンガルド:北欧神話で人間の世界ミッドガルドを取り巻くとされる巨大な蛇、世界蛇(ミッドガルド蛇)とも呼ばれる

魔物生態辞典での扱い

一般にドラゴンには竜、ワイバーンには飛竜の字が当てられるが
魔物生態辞典ではドラゴンには龍、ワイヴァーンには竜の字を用いている
また事象龍は第5章[竜種・龍種]ではなく、第7章[超越種・極希少種]に分類されている

関連項目

竜/亜竜

参考文献

幻想動物事典、刊行:新紀元社
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』