地獄の君主

Last-modified: 2013-09-15 (日) 21:50:18

地獄とは

神々しい天国のようなあたたかい光に満ちた空間とBGMの中で天使の形をしたシンボルが行き来している場所、その実態は封じられた強力なモンスターが巣食うその名もずばり地獄。ここは太古の昔、マジックキングダムが指輪(クーン編に登場するもの)の力を用いて作り出したものの、天国のはずが地獄になってしまい封印されたといわれる。

 

その最深部に控えているブルー編最終バトルの相手が地獄の君主である。君主と表記されているが主人公がついた瞬間に誕生した(あるいは封印が解けた?)ようにも見え、その正体はいまいちよくわからない。

 

よくわからないのは存在そのもの以外にもある。それはこの敵が強いのか、弱いのかである。調べてみると「けっこう強かった」という感想が多いのだが、なぜかサガ愛スタッフ他サガメインのプレイヤーは「ブルー編では弱いよ」という意見が多数を占めているようである。これはいったいどういうことなのか?

 

地獄の君主の実力

まずパラメータを見てみよう(『裏解体真書』掲載のパラメータは誤植らしい)。この地獄の君主は人型と龍型の2形態が存在しており、最初は人型でスタート。最高3ターンで龍型に変化し、そこからは龍型→人型がダメージ数で、人型→龍型はダメージ数または3ターンで移行というパターンだ。HPは共通。基本HPは主人公の戦闘回数に応じて最大5倍まで上昇する。

 
基本HPSTRQUIINTWILPSYVITCHA
人型2500060665267713590
イルストーム(全体に毒)+ライフスティール(HP吸収)、スマイル(全体に麻痺)、七支刀(全体に300~400ダメージ)
 

人型は上記の行動パターンのどれかを使ってくるが、イルストーム+ライフスティールのあとは高確率で七支刀を使ってくる。人型では秘術の一つ「愚者」が自動で発動しており、敵味方双方のダメージが1/4に減少しているのだが、七支刀はこの効果を受けない。ひどい話である。パーティの行動が限定された直後に大ダメージを食らうのが厄介だ。またこのゲームには麻痺耐性のある装備が少ない(ただしブルー編限定の三女神の腕輪にはついている)のも面倒。

 
龍型2500090355267719990
爪+角+牙、電撃+冷気+火炎、高温ガス+毒ガス
 

一方の龍型は複数回行動で上記の行動パターンをランダムでとってくる。また行動回数は「爪、角、牙」が4回(各1回ずつ+1)、「電撃、冷気、火炎」は3回(各1回ずつ)、「高温ガス、毒ガス」が2回(各1回ずつ)となっている。

 

QUIは低いもののSTRが高めかつ最大4回行動なので、一気にHPを持って行かれる可能性が高い。こちらが回復に追われるうちじり貧になってしまうことも多いのではなかろうか。なお人型において発動されていた「愚者」は龍型に変化したときには打ち消されている。ダメージはこちらのほうが当てやすくなっているわけだ。

 

チートな魔術師とプレイヤーたち

ではこの地獄の君主に立ち向かうキャラクターの強さはどうなっているのか。
このブルー編の主人公の最大の特徴は、ヒューマンキャラが使えるすべての術を覚えられるという点にある。ん?このゲームでは陽術⇔陰術、秘術⇔印術、空術⇔時術はそれぞれどちらか片方しか覚えられないはずではないのか? しかもそのどちらか一方しか集められないというのはブルー編の最初に指示されていなかったか? だがブルー編の終盤では主人公はこのようなチート能力をある方法により身につけてしまうのである。おかしいだろ。
しかも店で買えない術はその系統の術を使った戦闘後に習得するのを待つしかないのだが、どちらか一方の系統に関してはそんな手間をかける必要もなく覚えることができるのである。攻撃用では敵に大ダメージを与える超風(陽術)や塔(秘術)、他にも敵・味方の特殊効果を無効にするヴォーテクスやこちらの行動回数を増やすシャドウサーバント(陰術)、相手の動きを止めるタイムリープ、オーヴァドライブ(時術)なども即習得可能だ。

 

またブルー編専用の術として命術が存在する。これは二種類しかなく終盤にしか覚えることはできないが、

 

リヴァイヴァ=気絶するとHP全快で復活
サクリファイス=LPを消費して味方全員のHPを「術者のHP+1」だけ回復する

 

とその効果は絶大だ。

 

もう一つは割とこのゲームをやりこむプレイヤーのやりこみ具合である。
上記のように地獄の君主は人型だと状態異常攻撃が多く、龍型では物理や熱・冷気・電撃等の各属性攻撃が目立つが、いわゆるサガ界のプレイヤーはこれらへの対策をほぼ完璧にして挑むことが多いようだ。必要な装備品は可能な限り入手し、それが敵ドロップ専用ならよほど面倒なレアアイテムでない限りは徹底して狩る(もっとやりこむ人ならレアアイテムもひたすら粘る)。防御・回復用の術もしっかり装備と組み合わせる。

 

このような対策が、チート主人公の存在によってほかの主人公より容易になっているのである。地獄の君主が比較的強いのはこの主人公の存在を前提にしているのかもしれないが、システムその他を完璧に近いほど把握しているプレイヤーにとってはそれでも温い部類に入ってしまうのである。おお何という悲劇。

 

ところで、7人クリアを達成したデータで行けるおまけ要素としてこのゲームには開発二部があり、その最深部ではすべてのラスボスと戦うことができるようになっている。地獄の君主が比較的弱いラスボスと思っていた人たちはここで初めてその強さを知るようだ。開発二部とはそんなやりこみプレイヤーたちによって過剰に貶められてしまった地獄の君主にとっての救済措置・・・だったのかもしれない。

 

72ィ!?

さて今回は開発二部においてのT260G単独撃破となっている。が、なぜかこの企画を目にしたある人物が何を思ったか最初からデータつくりをして同じ戦闘に挑んでしまった。何という企画つぶし

 

というのは冗談。この動画の戦略では幻魔という武器を装備・使用することで発動する幻魔相破という技をメイン火力にしているが、T260G編ではこの幻魔を入手することができない。おそらくは主人公を第1パーティから外すことのできるリュート編でのプレイだろう。なおこの作者は同様にリュート単独、サンダー単独での撃破動画もアップしている。
一方、今回の企画当日のプレイはT260G編での挑戦なので同じ戦法は使えない(おそらく動画作者もそのことを意識して作ったと思われる)。物理・耐性防御の強化やHP回復も重要だが、何よりもHP125000を限られたWPの中でどう削っていくかが見どころとなるだろう。もちろん、それまでのデータ作り放送もやりこみ要素とリセット回数満載なので必見である。

 
 

参考動画 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21459842 ある第一回選手による卑劣な罠