小型剣

緒言

サガシリーズ全般を通して不遇な武器、小型剣。
やれ要らない子だの産廃だの穀潰しだのと蔑まれ、メインで使えばおまめだのと名付けられ、究極の即死技ファイナルレターもＺではなく乙レターだのとさんざんもてあそばれる不遇ぶり。武器が剣と銃しかなかったサガフロ１はともかく、他の武器が軒並み復活したサガフロ２でも長剣と統一されてしまい出番はなし。
唯一の例外は短剣として登場したアンサガだろうか。LP削りが重要となるこのゲームではブラディーマリーやダーティーダンスが主力級の働きをし、RTAではどの短剣でも使える高速突きが雑魚処理において獅子奮迅の活躍を見せている。

貴方の小型剣ウェイクアップ

そんな小型剣だが、ミンサガにおける小型剣技は非常に強力だ。序盤はスタンが入る衝突剣、中盤は先制できてBPの低いハヤブサ斬りや性能の高い金のトロイメライなどが重宝するし、終盤は電光石火、三星衝、そして変幻自在と性能の非常に高い技がそろっている。もちろん即死効果があるファイナルレターは今作でも健在だ。
そしてもう一つ重要なのはこれらの技は意外に覚えやすいこと。というのもミンサガにこなれたプレイヤーは、中盤では四天王の一角であるタイニィフェザーやフレイムタイラント、終盤はゴールドマイン等を用いた道場*1でこもりつつ技を習得しようと頑張ることが多くなりがち（といってもせいぜい計数時間といったところ）なため、こういった強力な技は狙うとあっさり覚えてしまうケースが少なくないのだ（なおこれらの強い技を閃く確率はたいてい10%未満である）。

貴方の小剣縛ってあげたい

ミンサガの場合、かつての小剣から派生した小型剣のもう一つの仲間として細剣が存在している。
技を見ると技数の合計は20（最初から使える高速突きを除く）で同じ、違いは下にあげた５つの技だけであり、主だった技は両者に共通していることがわかる。また、ディフレクトや盾効果に関しても両者に差はない。

次に武器そのものの性能を一部抜粋して見てみよう。

あまり差がないように見える。序盤の最弱武器は性能が7も違い、中盤の武器性能もそれほど差がない。細剣のほうが術具は多く大地の剣とエスパーダ・ロペラという強力な武器が２つそろっているものの、一方で能力補正と耐性面では小型剣が明らかに有利である。

なんだ小型剣も強いじゃないかと思ったそこのあなた、それは大きな間違いなんだ。問題はこれらの武器の入手難度にあるのだ。

小型剣のうちアンティークダガーはダークという仲間キャラが初期装備で持っており、メルビルのエリザベス宮殿にも固定で置いてある。剣の女王はディアナの初期装備である。店売りで性能が最もいいのはハンガーであり、水竜剣はあるイベントをこなすと四天王の一角である水竜からもらえる一品もの。ロブオーメンはランダム宝箱か終盤の敵ラミアのドロップ品、最強の竜鱗の剣は最終試練にいるゴールドドラゴンがレアで落とす。

このシリーズの最強武器ならまあこんなものだろう・・・と思うだろう。一方の細剣はどうか。ドレスソードは主人公の一人アルベルトの初期装備（姉より武器が弱いけど仕方ないね）、炎のロッドは中盤訪れるバイゼルハイムに固定で置いてある。問題はここからで、レイピアは主人公の一人ジャミルの初期装備となっている。最初からこんな性能の武器をタダで強奪もとい入手できるとは！　こちらの店売り最強はヴェルニーレイピアでハンガーよりお高いが、先ほどのレイピアを改造すれば比較的安価で入手可能。最強候補２つはどちらも一品ものだが、そのうち大地の剣は中盤にカクラム砂漠の地底湖でディスティニーストーンの一つトパーズを入手後に手に入れられる。そしてエスパーダ・ロペラは中盤のイベント「皇帝の奇病」をクリアすると褒美として４つの選択肢の中から選ぶことができる。が、他の３つはあまりうまみがないため、通常プレイではまずこの武器がプレイヤーの手にわたってしまうのである。小型剣に対してこの入手の早さと容易さはいったい何なのだ！

しかも先ほど初期装備にあると書いたアンティークダガーと剣の女王だが、ダークはある３つの条件を満たした次の周から登場するキャラ（２周目以降限定）でエリザベス宮殿の固定宝箱が取れるのはメルビルが襲撃される終盤になってから（つまり「皇帝の奇病」の後）、また剣の女王はディアナの固定装備で他のキャラは使うことができない一品ものである。ああなんということか、なんということか！

さてそれほど不遇な小型剣が挑戦するのは真サルーイン。万全に準備しても多大な運を要求されるというRPG史上最強クラスの敵を相手に小型剣のみでどう立ち向かうのか。この当日の見どころに加えて上記のように収集が非常に困難な小型剣を５人分どう集めていくのか、データ作り動画も見逃せないポイントと言えるだろう。