エリア1
…私、…甘いものが…食べたいです… | |
いきなりどうしたの? | |
こう毎日まいにち厳しい訓練ばかりでは 私は頭も身体もおかしくなりそうです 疲れている時は、やはり甘いものに限ります!限るんです! | |
あー、たしかに言われると甘いもの、食べたいなあ | |
甘いものなんて、このご時世に食べられるわけねえだろ あきらめるんだな それよりもサシャ、今度また厨房に忍び込んだら 次は助けてやれねえぞ | |
うぅ、そんな殺生な… | |
甘いものかあ。そういえば… 寄宿舎にある図書室の文献で、昔ある時期に 食べられていたという甘いものの作り方が載ってたな… | |
えっ!甘いものを作ることができるんですか!? | |
材料さえそろえば、なんとかなりそうだったけど | |
それですっ! ないなら作ればいいんですよ。そうでしょう、みなさん! こうなったら、その昔食べられていたという甘いものを 今度の探索で素材を集めて、みんなで作りましょう! | |
何言ってんだよ。私たちは訓練生だぜ。 食い物なんて作ってる場合かよ | |
それ、面白そうね! | |
え?お前、何言いだしてんだよ | |
訓練以外で、仲間で何かを作るなんて素敵だと思わない? ねえ、やってみましょうよ | |
甘いものを食べられるのかぁ。 …よし、俺はのったぜ | |
まあサシャはともかくクリスタが作りたいって言うなら 挑戦してみる価値は大いにあるな | |
昔の文献に記載されていたことを 実際に試してみるなんて興味深いな | |
…ちょっとあんたたち、本当にそんなこと、やる気なのかい? 今日は調査兵団からの視察もあるって話なのに 甘いもの作りだなんて、呑気な話だね… | |
…何やら浮かれているみたいだったから 黙って様子を聴いていれば… 甘いものを作って食べようですって? まったく今期の訓練生ときたら、ずいぶんとたるんでるわねえ | |
…でも、疲労回復のためなら、決して悪いことでもないわね… |
エリア10
よお、ペトラ。そんなところで何やってるんだ? | |
うわっ、お、驚かさないでよ! | |
さっきからこそこそしやがって…。 おまえ、今日は訓練生の兵舎に行ったんじゃないのか? | |
用事なんてすぐ済んだから、もう帰ってきたのよ | |
訓練生ですぐに実戦投入できる人材はないか 調べに行ったんだろ。どうだった? | |
そんな人材、いるわけないでしょ。 それどころか、今年の訓練生は呑気なものよ。 みんなで料理の準備をしてたわ 私の頃じゃありえない。 まったく、何を考えているのかしらね | |
料理…か お前は料理はやらないのか | |
そんなもの、するわけないでしょう。 私は調査兵団。ましてリヴァイ班なのよ | |
本当にそうなのか? | |
当然でしょ | |
…そうか。 それじゃあ、そこの棚にしまってあったこれは、 お前とは一切関係ないんだな? | |
は?…って、ちょっと!!なんであんたがそれを持ってるのよ!? | |
お前は隠してたつもりのようだが…俺にはすべてお見通しだぜ | |
最初からずっと盗み見してたの!? | |
たしかに、泣く子も黙るリヴァイ班の兵士が料理なんてわけにはいかないからな。 周りの目を気にするのはわかるぜ。 だが、…俺の前なら恥ずかしがる必要はないな いくら兵士とはいえ、惚れた相手に女房きどりで たまには料理の腕を見せたい… 俺にはよくわかるぜ。それが手順ってもんだ。 | |
…その兵長にまったく似てない喋り方と考え方、 今すぐ本当にやめてくれない? | |
料理に夢中になって、兵士の腕っぷしが多少落ちるって 問題のほうは気にすることはない お前は俺と同じ班に入った以上、今後は補佐に徹すればいいんだ 巨人討伐数39体のこの俺に、な | |
ここ最近、討伐数がまるで変わってないやつの、 何を補佐しればいいのよ? | |
…照れ隠しにしては、かなりいただけない発言だな | |
うるせぇな…。何を騒いでいる? | |
あ、リヴァイ兵長、すいません。 すぐ片付けます | |
何をやってたんだ?それは…なんだ? | |
え、えっと、これは…なんでもありません! | |
なんでもなくはねぇだろうが | |
いや…その…実は甘いものは疲労回復によいと聞きまして 兵長や皆の疲れを癒すならと、ちょっと試していました | |
ほう…詳しく聞かせろ |
エリア20
アッチチッ! おい、本当にこれでいいのかよ?! | |
天板の向きを変えて調整するみたい。火加減に気を付けてね | |
でも意外ですね。 まさか恩人様まで甘いものを作るとは思いませんでした やっぱり甘いものは偉大なんですね | |
うるせえ。 気が散るからお前は黙ってろ | |
ユミル、落ち着いて。 あせって作ろうとしないで、まず別にお試しを作ってみようよ 誰も実物をみたことがないんだもん 試作品を作って、それから本番を作ったほうがいいよ | |
うんうん。そうですねえ。 甘いものはいくら作ったって困りませんから… | |
サシャ、てえめはひとの作ってるのばっかり変な目でみてねえで 自分もちったぁ作れ! | |
なあ、アルミン。本当にこんな作り方でいいのかよ? ちっとも完成する気配がねえぞ | |
文献どおりのやり方でやってるよ。 うまくいかないのはエレンの手際の問題だって ほら、あのふたりをみてみなよ。あれぐらい早くやらないと、 きれいに素材が混ざらないんだってば | |
あのふたり? | |
… | |
…ねえ、あんた。 なんで私の横で作ってるのさ? | |
べつに。理由なんかない… | |
…そうかい でもさ、やるんならもっと手早くやんなよ。 そんなちんたらかき混ぜてたら日が暮れるよ | |
… | |
し、信じられない。 ふたりのスピードがさらに上がった! | |
なんか、料理を作ってるような雰囲気じゃないんだが… | |
おい訓練兵。 悪いが、その横、使わせてもらうぞ | |
あ、はい。どうぞ | |
面倒くせえが…疲れを効率よく癒して、 仲間を一人でも生き残らせたいって気持はわかるからな… | |
(この人も僕らと同じ甘いものを 作ろうとしているみたいだな…) (ずいぶん手際がいいけど…) | |
あの…もしかして… | |
静かにしてろ、料理をしている時に喋りかけるな。 唾がとぶ | |
あ、ハイ! | |
ペトラの言ってたやり方だとこれでいいのか 思ったより簡単だな… | |
なあ、アルミン…。この人… | |
す、すごい… | |
ん?どうしたアルミン? | |
エレン、あれをみて! す、すごいよ、あのひと! 右手で素材を砕いて、左でそれを混ぜ合わせて! しかも、その動作に一切のよどみもためらいも迷いも感じられない! 素材がっ!素材がみるみる微細な粉になっていく!! そして、左手で粉とした素材が、右手のボウルの中で 一切のよどみなく混ぜ合わされていってる! エレン、あのひと、きっと只者じゃないよっ!? | |
…アルミン、お前…料理詳しいんだな… |
エリア30
さあて、みんな終わったね。それじゃあ後は しばらく寝かせて固めれば、甘いものの完成だ | |
そうか!楽しみだな、甘いもの | |
たしかに。…楽しみだな | |
ああ、楽しみだ | |
なあ、アルミン。甘いものって、 やっぱり干し芋みたいなものか? | |
いや。たぶん作り方からして、 干し芋よりずっと強い甘さだと思うよ | |
干し芋より甘いのか! それってどれくらいだ? | |
だから、比べられないぐらいだよ | |
比べられないくらいか!? それじゃあ、干し芋何枚ぶんぐらいだ? | |
…。何枚ぶんだろうね。 …かなりだと思うよ | |
コニー。お前は少し黙ってろ それよりアルミン。 どれがミカサの作ったやつなんだ? | |
えっと、たぶんこれだね | |
そうか。 これは…楽しみだな | |
ああ。 俺もクリスタの作った甘いものが楽しみだ… | |
俺も楽しみだ。 かなりの干し芋ぐらいの甘いもの… | |
…。 ま、まぁ、それぞれ完成まで楽しみに待ってなよ |
エリア
エリア