達成要件/マイルストーン
俳優の道は果て無く長いものです。その長い人生を通じどのように学んでいくべきでしょうか。
生徒の目線と教師の目線、両方から読み解く。
アマチュア・養成所入所時
- 叱らず、強いず、モチベーションを上げる
自然とやりだすことの中に、実は得意な要素が見いだされるもの。
稽古はそこに焦点を当てて行うのがよいだろう。
ダンス、演技、歌、なんでも構わない。生徒がふと演技を始めたことを止めたりはせず、心のままにやらせてみる。
教師がが「それはいい」「これは悪い」などと教えてはいけない。
あまりに強く叱ったりすると生徒はやる気をなくし、しまいには演技も嫌になって、やがてはやめてしまうだろう。
デビュー、預かり
- 長所を生かして「花」を輝かせる
早い子はだんだんと声の調子も出てきて、仕事についてのわきまえも出てくるもの。
徐々に役の幅をふやして、トレーニングを行うべきであろう。
仕事をし始めたころというのは幽玄の様子を持っているように見えるもの。
また、演技そのものが新鮮に映り、際立つ時期です。
この二つの利点がありますから、欠点は隠れ長所がますます花となって輝くのです。
きめ細やかな演技などさせる必要はありません、与えられる役割にもそぐわないし、それで演技が上達するわけではありません。
ジュニア
- 芸が上達して来たら
ただし、芸が上達してくるようであれば、その時には何をやらせてもいいでしょう。
新鮮な演技に加えて、上手であるならば何の悪いこともありません。
けれども、ジュニアの時に見られる「花」が誠の花でないことは念頭に置いておかなければいけません。
それはただ、ジュニアの時代だからこそ咲かせられる一過性の花に過ぎないのです。
ジュニア時代の稽古は、新鮮さと将来性とが組み合わさりやり易いものとなりますが
それゆえに、生涯における技能を見極めるような材料にはなりえません。
この年代の稽古は、本人がやり易く得意なものを「花」とさせ、そのうえで基本の技能を大事に習得させるべきでしょう。
ひとつひとつの音を大切にし、落とさぬよう修練をつみましょう。