SS2 文化の日だ!まだ間に合うはず素直ヒート!!

Last-modified: 2013-08-14 (水) 22:31:28

男「えーっと、女のクラスの出し物はここら辺か・・・」
周りを見渡すとそれらしい物が見つかる。
男「えー・・・・・・・・・」
俺の目の前にある看板。そこには「神内魔境」の四文字。
男「まじかよ・・・・・・」
寒気がしてくる。これは怖い物が駄目な俺に対する当てつけか?
男「しょうがない・・・」
俺は覚悟を決めて、
男「後で女には“風邪で休んだ”って言っておこう」
回れ右をした。
???「あー男君!!」
しかし背を向けた直後に俺は呼び止められる。
女友「どうしたの?せっかくだから入っていってよ♪」
男「・・・・・・良く見つけたな・・・この人混みの中で・・・」
女友「そりゃあ、男君だもの」
理由になってない。出来るならそんな理由でめざとく見つけないでくれ。
男「そうか・・・じゃあ、俺はステージで軽音部の演奏を見てくる!」
女友「えぇ~?!男君寄ってかないのぉ!?」
寄りたくありません。早く僕を体育館へ行かせてください。デスメタルが僕を呼んでいるんです。
女友「後で女に言っちゃおうかなぁ~♪“男君が心底青い顔で逃げていった”って♪」
男「ははは、何を言ってるんだい!僕はたった今教室の扉に手をかけているじゃないか!」
ここで女に弱みを握られるのはやばい。あいつは真性の隠れSだ。
女友「さっすが男君!!はい、これ」
男「ん?なんだこのランタン?」
女友「中は真っ暗だからこれを使ってね。ライトだと雰囲気でないし」
男「あ、あぁ!そう言うことか!」
そんな雰囲気は要りません。
女友「それじゃあごゆっくり~♪」
俺は暗闇の中に足を踏み入れた。

女友『こちらデルタ2。男君が入りました。どうぞ』
女「こちらデルタ1、了解」
私はトランシーバーのスイッチを切る。準備は万端、クラス総動員の、トリの私を盛り上げるための演出も完璧。
女「ふふふふふ・・・・・・!心に、一生癒えない傷を刻んでやるぜ!!」

男「ひぃ!来るな!来るなよぉ!」
後ろから聞こえる足音と気配。何も出てこないのに視線だけを感じ続ける恐怖。
出てくるなら、早く出てきて欲しい。
ガササッ!
男「ひいぃ!!」
いやだ。いやだいやだいやだいやだ嫌だいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!怖い怖い怖い怖いコワイコワイコワイ!コワイコワイコワイ!コワイコワイコワイ!

女(お、遂に来たな!行くぞ!)

女『あ゛ぁぁぅ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
男「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺は手に持っているランタンを声の主に叩き付ける。
ゴスッ!!
女「ひ!」
ゴスッ!
男「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろぉ!!!」
ゴスッ!
ゴスッ!
ゴスゥ!
音が段々鈍くなってくる。
女「ひ・・・ひぃ!」
カランッ
男「うわぁぁぁぁぁ!!」
俺は血まみれの物体から逃げるように教室から飛び出した。

おまけ

休み明け

男「ちーっす」
男友「お、男。立ち直れたか?」
男「お陰様で」
男友「ん?どうした?きょろきょろして」
男「いやさ、女は?」
男友「あぁ。なんか、文化祭中に大怪我したらしくてさ。今入院中だって」
男「へぇ、大変だな」

病院
女友「はい、リンゴ」
女『ありがと』
くぐもった声。女は機械越しに声を出す。
女友「陥没って、どれだけ殴られたのよ?」
女『分からない!途中で意識がなくなってたからな!』
女友「それだけやられても事故にするって・・・最早病気ね」
女『褒めるな褒めるな!』
女友「ほめてないって・・・・・・」

ほんと。こんなので結ばれるのかしら?