静御前の怨念/鎧武

Last-modified: 2025-12-17 (水) 17:42:49
  • プロローグ
    • ナレーション「時は天照七年、先の日輪の國での大乱と時を同じくして、
      老中「田沼意次」が失脚。新たに老中の任に就いた松平定信により、寛政の改革が執り行われた。
      しかし各地の飢饉、大火、打ち壊しによる混乱は猖獗を極め、悪気・邪気とも言える暗雲は今や日ノ本全土を覆わんとしていた。
      「始まりの男」となった者、葛葉紘汰は未開の宇宙を開拓すべく旅を続けていたが、突如発生したクラックから邪気が流れ込むのを感じ取った。
      溢れる邪気を危惧した紘汰は異変解決のためにクラックを通るが、辿り着いた先は、紘汰が生まれ育った時代より遥かに昔の地球の日本…もとい、日ノ本であった。
      時代の異なる風景に困惑しつつも、邪気の元凶を探し出すべく、紘汰は鎧武へ変身し旅をするのであった。」
  • 会話1
    • 鎧武は土佐・卯月にて周囲の状況を調べていた。
    • 鎧武「何だか、前もこんな異世界に来た覚えがあるな。また『武神』と呼ばれているアーマードライダーが居たりするのかな?」
    • 慶寅「へぇ~、なかなかイカした甲冑を纏っているな。粋だねェ。」
    • 鎧武に徳川慶寅が話しかける。
    • 鎧武「刀を持っている…ということはアンタは侍なのか?」
    • 慶寅「おたくと同じようにな。なぁ兄ちゃん、俺と一つ手合わせしてくれ。もし俺に勝ったら、何でも望みを叶えてやるぜ?」
    • 鎧武「人間相手にアーマードライダーの力で闘うのは気が進まないけど…今の何も分からない状況を打破するためには、やるしかねぇな!」
  • 会話2
    • 慶寅「参った、俺の負けだ。見たことの無い武具にその技…楽しいケンカだったぜ。…さて、何でも望みを叶える約束だったな。この徳川慶寅に言ってみな。」
    • 鎧武「徳川…って、あんた将軍の…!?」
    • 慶寅「まぁ、俺は将軍の後継ぎには関係無く好きにやらせてもらっているけどな。で、望みは何だい?」
    • 鎧武「俺は、この不穏な邪気を何とかするために来たんだ。何か手掛かりがあれば教えて欲しい。」
    • 慶寅「そんなんでいいのかい?欲が無いねぇ。俺やお前さんと同じく、この邪気に反応して動いている奴らが居る。その内の一人がこの異変の手掛かりを知っている…らしいぜ?」
    • 鎧武「つまり、異変を解決しようと動いている奴を探して聞いていくしかないのか。…ありがとう!俺はもう行くよ。」
    • 慶寅「必ず生きて帰って来いよ!アンタとの再会、楽しみにしてるぜ。」
  • 会話3
    • 鎧武は中南米瑪雅(マヤ)・グリーンヘルに辿り着き、タムタムと出会った。
    • 鎧武「随分と山奥に来てしまったな。……ん?誰かが近づいてくる…?」
    • タムタム「アォォォーゥ!!」
    • 鎧武「うわっ!何だこいつ!」
    • タムタム「俺たむたむ、太陽ノ加護ヲイタダク神ノ戦士。オ前、俺トタタカエ。俺ガ勝ッタラ、ソノ仮面ヲモラウ!」
    • 鎧武「仮面の戦士…もしかして、この世界のアーマードライダーみたいなものなのか?よしっ、その勝負受けて立つぜ!」
  • 会話4
    • タムタム「俺ノ崇メル神けつあるくあとるトハ違ウガ…オ前、イヤアナタハ神様ダッタノカ…!たむたむノ無礼、ドウカ許シテホシイ。」
    • 鎧武「おいおい、そんなにかしこまらなくていいって。神様って言っても大したことはしてないしさ。」
  • 会話5
    • 京都・洛中山門前にて特に強大な邪気を感じた鎧武が駆け付けたところ、武神鎧武が待ち構えていた。
    • 鎧武「お前は…!確か戦極時代で、俺達に倒されたんじゃ無かったのか?」
    • 武神鎧武「確かに一度は死んだ。だがあるお方の力により、この通り現世に蘇ったのだ。今度こそ、全ての武神を倒し…この私が天下を取ってみせる!」
    • 鎧武「お前を蘇らせた奴の正体を喋ってもらうぜ!そしてお前もブッ倒す!」
  • 会話6
    • 武神鎧武「この私が二度も討たれるとは…無念なり…静御前様…!」
    • 鎧武「静御前…そいつが今回の黒幕の正体か。」
  • 会話7
    • 鎧武は異変の中心であるしずか千年桜がある場所に来た。そこで異変の元凶である静御前と出会う。
    • 静御前「辛い‥‥‥苦しい‥‥‥憎い。何もかも‥‥‥滅べ‥‥‥!おおおおぉぉ‥‥‥!」
    • 鎧武「たとえ辛く苦しい思いをしたとしても、その恨みで全てを滅ぼそうとするなんて間違っている!静御前、ここからが俺のステージだ!」
  • 戦闘後
    • 鎧武に倒された静御前はその怨念を払われ、輝いていた。
    • 静御前「ああ、わたくしは何をしているの‥‥‥?どうして忘れていたのかしら‥‥‥?辛く苦しいこともあったけど、幸せな思い出も沢山あったわ‥‥‥」
    • 静御前は鎧武の方を見る。
    • 静御前「あなたがわたくしを苦しみから解放してくれたのですね‥‥‥ありがとう‥‥‥これでやっと向こう側へ行けます‥‥‥」
    • 静御前は宙に浮く。
    • 静御前「しづやしづ しずのおだまき 繰り返し 昔も今に なすよしもがな」
    • 静御前は光となって消滅した。
  • クリア後
    • ナレーション「無事に静御前の浄化昇天を見届けた鎧武。
      日ノ本を覆いつくしていた邪気は薄れ、今や空は元の色を取り戻している。
      浄化の影響であろうか、鬱屈した邪気からの解放を喜ぶように辺り一面には見事な桜が咲き乱れていた。
      鎧武が思い出すのは、かつて『葛葉紘汰』であった時の、友人たちとの花見の記憶。
      『始まりの男』となった今、二度と味わえないと思っていた満開の桜景色に、心が震える鎧武であった。
      異変の沈静を知り、徳川慶寅が遅れて駆け付けた時には、鎧武の姿はそこにはなかった。
      神の力により、訪れた世界の人々の記憶から謎の鎧武者・鎧武の記憶は消されていた。
      慶寅も例外では無かったが、彼の記憶には朧げに鎧武との思い出が残されていた。
      そしてこの度の出来事は、後に『暗雲立ち込める災厄の中に颯爽と現れ、異変を解決した伝説の鎧武者』の寓話として後世に語られ伝わるのであった。」