| ウルカーンの宿屋 | |
| 主人公 | (束縛の腕輪が…) |
| フレア | ………………。 主人公様。 どうして止めるのです。 私の道具としての使命は終わりました。 いえ…あなたが終わらせました。 道具として私を欲していた人達もあなたが退けました。 …私には、もう何も残っていません。 しかし、この腕輪を葬らなければ… 私のまやかしの生命を終わらせることはできないのです。 主人公様。 束縛の腕輪を私にお譲りください。 ………………。 そうやって… 私の身も心も縛るのですね。 こうした刹那の安らぎと引き換えに…。 狂おしいまでの切なさと行き所のない恋しさを抱えて生きろ…と言うのですね。 貴方は…卑怯…です…。 ………………。 主人公様…。 外の世界に…私を…? ここが私にとっての世界です。 他は知りません。 すでに道具としての私の役目は終わりました。 私にはもう存在する理由も価値もないのです。 新しい役目…? それを探すべきだと言うのですか? あなたと一緒に…? たとえ、かりそめのものであったとしてもこの命が続いている限り私にはやるべきことが残されていると…? ………………。 わかりました。 もしも私にまだ役目が残されているのなら… それを探すため、あなたとともに外の世界へ参りましょう。 ここを出るのは初めてです。 できる限りのことはしますのでよろしくお願いします。 |