サポートをしているときによく使われる言葉の一つで、「検証」があります。ミーティングのアクションプランで「ではこちらで検証してみます」といったり、「検証してみないと分かりません」といった使われ方をしますが、どのような場面で使われているかを考えてみると、案外いい加減に多用されすぎではないかとおもいます。
今回は「検証」という言葉について考えてみます。
検証の種類には2つあります。一つは「仮説を検証する」ということであり、もうひとつは「問題があるあるいはないことを検証する」ということです。
・仮説を検証する
何かよく分からないことを考える場合には、データを集めて結論を導き出すよりも、仮説を考えてから必要な作業を進めたほうが効率的であることがおおいでしょう。しかし仮説はあくまでも推測であり、事実ではありません。仮説を仮説としておいておくことにまったく意味がありませんし、仮説が間違っているか、あっているかを明確にしないかぎりは、次の作業にも進めません。
このときに検証という作業が必要になってきます。このとき検証の対象は仮説であり、検証の目的は仮説が正しいか間違っているか判断することになります。ここで判断といっているのは、検証では分かるのは仮説の正しさの確からしさであり、100%確かであるということはなかなか分かりません。よって100%の確からしさを求めて検証をするのではなく、ある程度の確からしさを求めるようにします。100%を求めると時間およびコストばかりかかります。
・問題がないことを検証する
次の検証は問題があるか、ないかを検証するということです。例えば、問題がないことを検証するのはQAぷろせすで。このプロセスではいくつものテストを繰り返すことにより、製品に問題がないことを検証します。あるいは問題があることを検証する場面もあります。例えばサポートに依頼されたケースの再現環境の構築は、問題があることを検証するプロセスといえます。
いづれの検証でも何を検証しているのか、どこまで検証するのかはっきり決まっていませんと、時間とコストはかかったけど検証のための検証という意味のない作業になってしまいます。