・舞台上をみる(O)→辰・酉

Last-modified: 2008-05-23 (金) 21:53:35

シーン6 本番初日 開演5分前

・舞台上をみる(O)→辰・酉


緞帳の内側、舞台の上。ここに居るのは酉役の瀬納秋と辰役の天馬のみ。
瀬納「いよいよでござる」
既に役になりきっているのか、普段の会話すら“ござる”口調になっている。
瀬納「やっぱり緊張するなぁ。天馬君はどう?」
場内のざわめきがピークに達する。同時に緊張もピークだ。
天馬「まぁ、それなりに……」
瀬納「ほほぅ、たいした余裕だね~」
余裕と言うより、別の事を考えていただけなのだが。
天馬「あ……」


――天馬君さ、髪解いて舞台出た方がいいよ――


そういえば、そうだったな。
瀬納「どうしたでござる?」
天馬「……そうだな。やってみるか……」
瀬納「え?どうしたでござる?」
天馬「ちょっと、予定変更」
もうすぐ開演だというのに、持ち場を離れる天馬。
湊「こっちはどう?って、え?何?どうしたの?」
桜井「何だ何だ!?」
様子を見に来た湊が慌てる。天馬はそのまま下手袖まで歩いていき、髪を縛っていたリボンを解いた。長い髪がふわりと広がる。
村河「え?」
神村「おぉ」
上手袖に居る部員にもその様子は見えていた。
一宮「マーベラス……」
天馬「荷物のところに置いといてください」
天馬は湊にリボンを渡す。
湊「オッケー!さぁ、開演だ!!」
長い髪をなびかせ、天馬は舞台へ戻った。
天馬(望み通り、オレの本気みせてあげるよ……)
目つきが変わる。それは“役者”になった瞬間だった。


<分岐終了後>へ繋がる