卯&未編

Last-modified: 2008-05-20 (火) 22:30:01

【本番まで残り 48日】PM4:00
・舞台を観る(D)
卯&未編




綺咲「僕達の役って、わりと普段と変わらない感じですから、やりやすいですよね」
桜沢「うんうん、のんびり目にセリフ言えばいいし、そんなに切羽詰ったところないしね」
二人、椅子に座りながら台本をチェックしていく。
桜沢「長セリフもないし、……流れさえ間違わなければ覚えやすくて良かったよね」
綺咲「はい。……あぁ、でも皆さんの個性に負けてはいけないんですよ。そこが難しい所だと思います」
桜沢「だね……大人しいキャラだと、他のインパクトの強いキャラに喰われてしまうもんね」
再び、むぅっと眉間に皺を寄せ、台本とにらめっこを始める。


桜井「……あの二人、役まんまだな」
一宮「仲良く同じ表情で台本見てるよ……」
くすくすと笑いながら綺咲たちを眺める桜井と一宮。
桜井「なんだ、二人とも難しい顔して……そんなに難しい役か?いつものまんまやればイイだろ?何の苦労もねぇだろ?」
綺咲「それでは、喰われるんです!!」
桜沢「キャラが薄いんです!!」
一宮「……マーベラス、みたいな濃いキャラじゃないもんね。」
桜井「あぁ、そこか……」
綺咲「あ!!ちょっと役交換して練習してみませんか?」
一宮「ん??」
綺咲「ほら、人によって取り方って違うでしょう?
自分自身では見えないけれど、他の人から見えている自分ってちょっと面白かったりしませんか?」
桜沢「ちょっと、面白いよね!」


桜井が卯、一宮が未、綺咲が巳、桜沢が亥という振り分けでそれぞれがセリフを言ってみる事になった。
短いセリフだと分かりにくいところもあり、各メインに立つシーンを選び……。
桜井「……オレからか……えっと……」
少し……いや、かなり照れつつもちょっと泣きそうな顔を作り、パタパタと走り回る。
桜井「うわぁんっ、ひ、一人に、しないでぇぇぇぇ~!!!」
一宮「あははは!!!そんなでかいウサギイヤだ!!」
綺咲「いいですね、その身長だからこそ、オイシイ……でも、その走り方、頂きます!!」


綺咲「次、僕ですね……巳……」
顎の下に軽く手を添え、もうっぽうの手で髪をかき上げ
足をくねっとくの字に曲げ、少し斜め上を見つめ
綺咲「あぁんっ、アタシって…んマ~ベラスぅ~!!」
桜沢「くねくねした動きがヘビっぽいかも!!」
一宮「……マーベラスって言う時に、『ん』って溜め込むとちょっと色っぽいかもね…参考にするよ」


桜沢「えっと、オレは……亥、だね……」
少し奥から蛇行しつつ走り出し、『俺様はやるぜ!』と叫ぶ。
最初は小さく……段々大きな声を出し、最後、舞台からはけるところで一際大きく『俺様はやるぜ!』と退場するような形を取る。
桜井「ここってさ、喋りながらやるの大変じゃねぇか?」
桜沢「カーブして方向転換するときに、息継ぎすると、上手くタイミングつかめますよ」
桜井「なるほどね、そこでリズム取るわけだ……」


一宮「未って……結構難しいな……」
桜沢「でしょ?気遣いとか……くらいしか特徴がなくて」
一宮「じゃあさ……あそこから、あそこまでの幅が舞台だとするよ?」
そういうと、大きく上手へ移動し
一宮「卯君?……いない?アレ?」
オーバーアクションであれ??あれ??とキョロキョロと動く。
そして、再び中央に当たる部分にもどり、いきなり倒れ、くっと上半身だけ持ち上げると片手を前へ差し出し
「……死ぬ」
というと、パッと立ち上がり、下手へ移動し
「とかいって……テンパってるんじゃ……っていう感じで
舞台全体を使って訴えてみたらどうかな?」
桜沢「あぁ!!心配してます感が凄く出ますよね!ありがとうございます!!」


お互い面白い練習になったねと言い合う。
桜井「でも、オレ、絶対卯はイヤだな」
綺咲「オイシイのに……」
一宮「でも、今回は、それぞれに見合った役だから思いっきり出来ていいんじゃないか?」
桜沢「ですね、時々自分がわからなくなって見失ったりもするけれどね。」
一宮「そんなときは、さっきみたいな練習しようか」
綺咲「そうですね!!今の面白かったですしね!!」
というと、お互いの台本を広げ、それぞれのセリフの見直しを始めた。