湊の様子

Last-modified: 2008-03-30 (日) 00:08:43

思いっきりネタばれになりそうなクラス出店の衣装のまま楽屋に飛び込んだ時には、既に開演1時間前を切っていた。
先に楽屋にいた部員はすっかり着替え終わっている。
湊はひとまず用意してあった自分の椅子に座って一息つく。

湊「ゴメン、誰かお茶、お茶下さい……」
神村「はい、どうぞ」
湊「あ、ありがと……」

神村からペットボトルを受け取り飲む。そしてじっと見られていることに気づく。

湊「な、何?そんなに見ないでよ」
神村「すみません……いえ、似合うなって思って」
村河「うん、似合ってる、似合ってる!灰もな」
綺咲「本当に似合いますよねぇ」
湊・一宮「あはははは……」
湊「……ありがと。みんなも衣装似合ってるから。はい、着替えるから今見たものは忘れてー」

湊はバタバタしながら申の衣装に着替え始める。横で一宮も着替えるようだ。
着替えながら忘れていることがないか考える。
もうすぐ本番だ。どうしても気持ちはざわついてくる。この気持ちは何回舞台に立っても変わらない気がする。
着替えが終わったら次はメイクだ。

湊「紅男ーメイク手伝ってもらってもいいかな?」

神村は役者もするけど、メイクも担当していた。湊は自分でメイクするのは苦手なのでいつも手伝ってもらっている。

神村「はい、はーい。じゃぁじっとしてて下さいね」

鏡に向かって言われるままにじっとする。
そして数分で完了した。

湊「さんきゅ。ばっちりだ。髪は……」

ブラシを使って髪を立ててスプレーで固める。いつも下しているので微妙に違和感がある。
衣装を着てメイクをして髪をセットして……自分と違う存在に変身する。
そうすると自然と気合いが入る気がする。

湊「これで申の完成~なんてな」

鏡の中の自分に笑いかけてから時間を確認する。

湊「これ置きに行くついでに隣の様子見て来るよ。みんなも最終確認しておいてね」

湊はそう言って、戌の衣装を持って楽屋を出て行った。