部内感謝祭

Last-modified: 2008-10-14 (火) 22:43:15

*部内感謝祭


放課後。
大方の部員が揃い、今日もまず基礎練習から始まる。
ストレッチをして発声練習をし、その後ミーティングと云う流れだ。

ミーティングが終わり、各部員達はそれぞれの分担に就いていった。部長の湊は時計を見る。
そして副部長の一宮と黒羽に後を任せて顧問の白雪先生の所へ向かった。



部室。
黒羽「部長ひとりで、白雪先生に相談って……まさか!個人的な!!」
一宮「いやいやいや、それはないだろ多分」
黒羽「んで、過去の日誌って何処を探せば良いんだ?本棚には今年分の資料しかないし。ロッカー室?」
一宮「うーん……ロッカー室の方は、過去の台本だけのハズ」
黒羽「じゃあ、倉庫か。時間かかりそうだな。おーい暇そうな皆の衆~!集まれ~!」

二人は手の空いていそうな部員に声を掛けてみた。

能登川「はーい!オレやりまー」
四隣「わーい! ドキッ☆野朗だらけの発掘たいかーい」
一宮・黒羽「「遊びじゃないんだぞ」」
釈迦如来「ハモった、ハモったー♪」
桜沢「偶には、小鳥くんが突っ込んでみたら?」
綺咲「ええっ……今のは何処にですかっ??」
能登川「およ、(ツッこみ役の)天馬センパイが居ないです」
桜沢「牧野くんを呼びにでも行ったのかな?」


一方、職員室前の廊下。

  湊 「今、前回の時の日誌を探してもらっている最中です」
白雪先生「まぁ、形はある程度、踏襲しつつも要は気持ちの有り方よね」
  湊 「そう……ですね」
白雪先生「当代の部長として、君自身はどうしたいの?」
  湊 「僕としては、その思いを何か目に見て意識できるもので表せられたらなぁと……」
白雪先生「あら天馬君、今日も美しいわね」
 天馬 「有難う御座います(笑顔)何の話をしているのかお聞きしても大丈夫ですか?」
白雪先生「ええ、構わないわよ」
  湊 「部室のお祓いも兼ねて、部内感謝祭についての申し出ををしていたんだ」
 天馬 「感謝祭、ですか」


そして、白鳥先生も立会いのミーティング。

湊「えっと、探してもらった過去日誌に目は通せたかな」

部員の中には納得した者も居れば、神妙な面持ちの者、辿って来た歴史に興奮する者など様々だった。

一宮「で、今日の議題『部内感謝祭』をどう執り行うか、具体的に決めていこうと思う」
黒羽「開催は明後日、これは決定で良いか?」
白鳥先生「堅苦しくなる必要は無いけれど、制服をきちんと着るとか、いつもよりも節度を持って臨むようにね。そうそう、各自ロザリオは必須よ」

「準備するものとか、どうしましょうか。日誌によると……」
「講堂か聖堂を貸し切って、備品を持ち込みましょうか」
「それは準備にばっか時間かかりそうだな」
「感謝と魔除けの印にリースでも作ります?」
「これ位なら明日中に用意できそうだね」
「掃除も遣らないと。明日は雑巾持って集合です」

次々に案が出されボードに書き込まれていく。
案を元に意見を出し合い、まとめられていった。

湊「よし、こんな所かな。OBには僕から連絡してみるよ」
一宮「明日は準備と掃除、明後日は本番か。まあコレで大丈夫だろ」
黒羽「うっわ、もうこんな時間かよ。白熱したなー」
湊「そうだな、じゃあ今日はこの辺りで解散!」



明後日。
やや緊張した雰囲気の中、演劇部の部員達は部室の各所を廻って行った。

たまに開かない事も在るが、いつも出迎えてくれる部室の扉や人外の者も居たりする発表の場、講堂とその舞台装置。
様々な衣装や小道具が眠る衣装室。
公演の度に破壊と創生を行う作業室。

それぞれに聖水などを供え、部長が感謝の言葉を述べる。
丁寧に黙祷を捧げると、部員達の思いにこたえる様に物音がしたり、声を聞いた部員も居たと云う。

湊「今までありがとう。これからもこの演劇部を宜しくお願いします」



こうして部内感謝祭は幕を下ろした。