開かないロッカー”消えた部員”

Last-modified: 2008-11-17 (月) 16:50:30

開かないロッカー“消えた部員”


一宮「う~ん……言われてみれば、確かに……」
桜沢「そうでしょ?絶対おかしいよ」
いつも以上に深刻な顔をしている3年生2人。
一宮「で、誰も気づかないのかな?」
桜沢「いや、何と言うか、あえて避けていた様な感じがしないでもない」
つまり、古傷に触れたくない感覚と同じか。部室のドアが開いたのはその時だった。
神護「こんにちは」
天馬「おはよーございます……何、神妙な顔しているんですか?」
2年生の神護と天馬だった。
桜沢「いや、ちょっと、ね……」
神護「??」
天馬「また誰かがマッチョにさらわれて、剥かれたんですか?」
一宮「ない!それは無い!!」
力いっぱい否定する一宮。よほど酷い目にあったのだろう(○話参照)。
桜沢「あー、でも、今日は睦月くんが来てないね」
神護「え?ターゲットが変わったんですか?」
突っ込むところはソコデスカ?
一宮「それも無いと思うけど……」
天馬「だとすれば、一宮さんは気をつけたほうが良いですよ。また食われますから」
一宮「結局、俺かよ……」
神護「それで?お二人で何を考え込んでいたんですか?」
やっと本題に戻る。脱線が多い演劇部なのでこのくらいは当たり前である。ソレも困るが。
桜沢「これだよ」
と、言って手にしたのは演劇部の部員名簿である。表紙には2008年版とあるから今年のものだ。しかし、テーブルには去年の物やそれ以前の名簿まである。
神護「名簿が何か??」
天馬「また幽霊でも出たんですか?」
一宮「ある意味、幽霊だよね」
天馬「は?」
桜沢「これは今年の名簿だけど……」
2008年度版の名簿を開く。演劇部の歴史から過去公演会の一覧まである。そして部員一覧、そこで手が止まる。
桜沢「劇部は名簿上60名以上が在籍しているんだ。でも、実際活動しているのは10人前後でしょ?」
神護「そ、そうなんですか?」
天馬「なるほど。確かに“幽霊”ですね」
神護「え?何?どういうこと?」
一宮「そっか。神護君は今年入部したばかりだったね」
神護「はい」


つまり。
在籍人数60名以上でありながら、実際に稼動しているのは1/6程度なのだ。しかも顔を見たものすら居ない。
神護「学校には来ているんでしょうか?」
実のところ、それすらも分からない。
天馬「いい加減、と言えばそれまでですが義務教育ではありませんからね。その程度で問題にならないのでしょう」
本当か?
一宮「いや、学校なんだからさ、いい加減じゃ困るんだけど……」
天馬「本人たちが困るだけです」
桜沢「天馬くん、案外冷たいね……」
天馬「興味が無いだけですから」
良く言えば“ドライ”である。余計な雑音に惑わされることは少ない。
神護「つまり、消息不明の部員約50名は何所へ行ったのか?と」
桜沢「うん。それを考えてた」
案外、暇しているのだろうか?
一宮「それだけの人数が実際に動いていたら、俺たちの負担もっと少なくなるでしょ」
天馬「確かにそれは言えますね」
もっとも、この“少人数で何とかする”というのも好きな人も居る。
神護「それで、消息は掴めそうなんですか?」
桜沢「全然……」
ダメぢゃん。
神護「考えるだけ無駄かと……」
天馬「案外、ロッカーに入っているとか」
マテ。
一宮「え?部員がロッカーに入っているの!?」
驚いて荷物を入れている扉が正方形のロッカーを見る。あの中に?
天馬「ギュウギュウに押し込められて、“ゥァー”とう呻き声が……」
桜沢「そ、それ、洒落にならない位怖いから!」
天馬「ん~、ホラーですねぇ」
神護「……楽しんでませんか?」
天馬「キノセイダヨ」
絶対、嘘だ。
一宮「部員が押し込められたロッカー……あ、開けたくない!見たくない!!」
天馬「でも、実際に開かないロッカーありますよね?」
桜沢「え?」
一宮「うっそ!?」
神護「……」
絶句する3人をよそにロッカーへ歩み寄る。
天馬「ここです」
荷物入れ。左端上から2番目。鍵が掛かっているのかはたまた部室ドアの様に立て付けが悪いのか、開かずのロッカーが実在していた。
一宮「鍵が掛かっているだけならいいんだけどさ」
ガチャガチャと扉を動かしてみる。当然開かない。何かに引っかかっている様な、内側から開かない様に引っ張られている様な。
桜沢「気になるな……そのロッカー」
神護「え?まさか調べる気ですか?」
桜沢「消息不明の部員の話からかなり脱線したけど、その開かないロッカーも気になるし」
ほらね、また脱線したでしょ?
一宮「今。誰か突っ込み入れなかった?」
神護「え?」
桜沢「何のこと?」
天馬「ホラーですね~」
神護「やっぱり、楽しんでいる……」
天馬「ボクシラナイヨ」
がちゃ。
湊「おはよ……何しているの?」
部室にやってきたのは部長の湊だった。4人がロッカーの前に陣取っていれば不思議に思う。一宮はこれまでの経緯を話す。当然脱線した話も含めて。そうしなければ話が繋がらないのが演劇部クオリティ。
湊「なんだか、凄い繋がり方だね……」
流石、演劇部。
湊「要するに、消えた(?)部員を探すためにそのロッカーを開けたいというわけだ」
一宮「ちょっと違う気がするけど、そんなところかな」
大分違う気もします。
湊「……誰か、突っ込み入れた?」
桜沢「いや……」
一宮「ほら、やっぱり!」
神護「何をそんなに慌てて……」
天馬「ホラーですね。もしかしたら、居ない部員が突っ込み入れているのかもしれませんよ?」
湊「居ないのにどうして」
天馬「ホラーですから」
湊「とりあえず、鍵持ってくるよ」
一宮「え?あるの?」
湊は隣の部屋へ入っていく。5分位して金属ケースを持ってきた。キーケースだ。
湊「ロッカーの鍵はこの中に予備が全部あるはずだ」
そのケース自体鍵は掛けられておらず、ノッチをずらせば開いた。ジャラジャラを音を立てて鍵の束が現れる。その数……
桜沢「ひ、百個くらいあるんじゃない!?」
神護「コレクションですか?」
湊「錠を付替えたけど、鍵は処分していないみたいだね……」
これは手当たり次第差し込んでいくしかない様だ。
湊「序に全部の鍵がどれか調べておこう」
一宮「しんどそう……」
湊「はい、これは灰の担当分」
一宮「って!?多いんですけど!」
湊「多分、この部が出来た頃のものからあるかもね~」
そんな無茶苦茶な。
桜沢「これ、今日1日じゃ終わらないよ」
湊「なら明日も続きやろうよ」
神護「あ、あの、練習は?」
湊「もちろん、練習の後で」


翌日。
湊「さて、今日集まってもらったのは、この鍵を徹底的に調べることだ」
言いながら湊は鍵の束をジャラジャラと鳴らす。その数、200以上。
一宮「……増えていないか?」
湊「あれからまた発掘したから」
しないでください。
黒羽「あー、ごめん、俺急用が……」
がしっ!肩を掴んだのは桜沢。
桜沢「はい、1名様ご案内~」
黒羽「え?ちょ!?マテ!!」
ズルズル……
綺咲「でも、どうして急にロッカー整理なんて始めるんですか?」
湊「それなんだけど……」
…………
綺咲「はぁ……ロッカーの中に部員ですか……」
釈迦如来「まさか、そんなことあるわけないじゃないですか~」
四隣「メルヘンですね~」
綺咲「どちらかというと、ホラー?」
黒羽「それより、早く手伝ってくれよ~」
ガチャガチャと鍵を錠に合わせては外す。
神村「結構、しんどいですね……」
和泉夜「だから僕達も駆り出されたんですね……」
天馬「要はここのロッカーさえ開けば良い訳ですから……」
キーボックスから鍵を取り出しては合わせていく。
一宮「ま、そうだよね。で、どう?」
天馬「ウンともスンとも言いませんね」
綺咲「え?喋るんですか?」
天馬「いっそ、その方が楽ですね」
いや、怖いから。
神護「やっぱり楽しんでいますね……」
湊「え?楽しいの?」
ニコニコしながら湊がやってきた。この展開、危険だ。
湊「じゃあ、はいこれ」
神護「え?」
手渡されたのは鍵の束。一体何所から持ち出してきたのか。
湊「実はさ、ロッカー開けたらまたこの束が出てきてさ~」
神護「はぁ!?」
素っ頓狂な声を上げる。
和泉夜「ロッカーから鍵が出てくるなんて……まるで誰かが隠しているとしか思えませんよ」
一宮「隠している……?」
神護「どうしたんですか?」
一宮「いや、そこの開かないロッカーって、何か隠してあるんじゃないかなって」
桜沢「伝説の台本とか?」
神村「今では第一線で大活躍の役者のサインとか?」
四隣「歴代先輩達のあんな事、こんな事、恥ずかしい写真とか?」
ない。
能登川「それは四隣君が知りたいだけでしょ?」
四隣「あ、ばれたか」
あははは、と笑う四隣。隣で能登川が溜息をつく。
能登川「……はぁ。それで、どうですか?開きそうで……?」
鍵片手にロッカーと格闘している天馬を覗き込む。が、その表情が凍りつく。
天馬「……破壊したほうが早そう……うん……よし。早速実行」
ちょっと待ってください。
能登川「そ、そんな無茶苦茶な事しないで~~!」
湊「壊すのは厳禁!」
綺咲「お、落ち着いてください~」
四隣「いや~、こうなったらもう誰も止められない~」
楽しんでいる人も居る。
和泉夜「え?そうなの?」
観月「なんだか、危険な香りが……」
一宮「いや、ここは破壊しよう」
湊「ちょっと、灰まで!」
しかし、このまま時間を浪費するのも問題だ。しかし、どうやって壊すかが問題だ。
一宮「手はあるの?」
天馬「もちろんです」
ニヤリ。そして工具箱から取り出したのは、1本の針金。
神村「針金で壊すの?」
黒羽「んな無茶な」
釈迦如来「でも、実際やりそうで楽しみ」
どうやら、ロッカーそのものを壊すことを想像していたようだ。
和泉夜「あの、それでは扉すら外せないかと……あ!?」
観月「何?どうしたの?」
天馬「気付いた?」
その針金を鍵穴に差し込む。そう、ピッキングだ。この様な屋内ロッカーの鍵は構造が単純なものが殆どだ。しかも古いものならなおさら。ならば無理に鍵を探すより“こじ開けたほうが早い”のだ。
湊「……犯罪に走らないでね……」
天馬「今時、こんな方法で開く扉なんて安アパートでも無いですよ」
ガチャガチャと差し込んでは、形状を変えてまた差し込む。数回それを試したところで、動きが止まる。
天馬「どなたか、ヘアピン持っていませんか?」
和泉夜「あ、僕持ってますよ。何本必要ですか?」
2本ほど受け取る。それを束ねて鍵穴へ挿す。
神護「そんな方法で開くんですか……あぁ!!」
差し込んだ針金とヘアピンを纏めてグルリと回す。と、錠のシリンダーも回転する。


カチャリ


湊「おぉ」
桜沢「あ、開いた……」
綺咲「凄いですね!」
しかし、扉は開けようとしない。
一宮「どうしたの?」
天馬「はたして、開けて良いものか」
一宮「え?」
鍵を隠してまで、開けない様にしているということはもしかしたら何かを必死に隠そうとしているのかもしれない。
だが、それならば部室でなく別の場所でも良いはずだ。
それとも、やっぱり単純に鍵をなくしただけ?
湊「いいよ。開けてしまおう。謎を謎のままにしておくのは良くない時もある」
それを聞いて天馬はゆっくりロッカーを開ける。能登川がペンライトで中を照らす。
能登川「……からっぽ?」
神護「えぇ!?」
黒羽「なんだってぇ」
寒河江「はぁ……人騒がせなロッカーですね……」
その場に居た全員が脱力する。それもそうだ。
釈迦如来「でもさ、部員が詰め込まれていなくて良かったね」
綺咲「そ、そんな怖い事言わないでくださいよ~~!!」
天馬「あ、中から呻き声が……」
綺咲「えぇーーー!!」
湊「冗談言ってないで」
湊も中を覗き込む。何も無い。
湊「カラ、か。まぁ、ロッカーの謎は解けたから良しとしようか」
安堵する部員達。しかし。


天馬「いえ、まだです」
全員がギョっとする。だが、中を覗き込んだ桜沢と綺咲も何か気付いたようだ。
桜沢「ねぇ、このロッカーってこんなに狭い?」
綺咲「ですよね、何か変だと思っていたのですが」
黒羽「え?どれどれ?」
そう言われると気になる。中を覗き込んだ黒羽も違和感を感じる。
黒羽「隣のロッカーは開くよな」
カチャ。扉を開けて中を見る。何のことは無いカラのロッカーだ。しかし、室内の明りは奥まで届いていない。
神護「何か、フタしてあるような……あぁ!」
ドンドンガンガン!!
湊「ちょ、ちょっと灰!」
ハンマーで奥を叩く一宮。
一宮「どうだ?」
天馬「材質が明らかに違いますね」
釈迦如来「音で分かるの?」
その疑問に一宮はロッカーの別のところを叩く。
桜沢「違うね。木か何かみたいな音だったね」
湊「……外せると思う?」
天馬「左下を重点的に叩いてみてください」
一宮「OK」
四隅の何処か一点なら何処でも良いのだが、一宮が右手でハンマーを持っているので左下の方が叩きやすい。
ドンドン、ドンドン、ドンドン、ドン、ガスッ。
一宮「あ!?外れた!」
つっかえ棒ならぬつっかえ板か。棘が刺さらないように手袋をして板を外す。その奥には……
一宮「何だこれ?」
不透明のビニール袋に入れられている長方形の物体。
天馬「大きさからVHSテープの様ですね」
一宮からモノを受け取り、大きさと重さから予想する。とりあえず包みを解いてみると予想通り、中から出てきたのは120分のビデオテープだった。しかし、タイトルはおろかラベルすらない。
桜沢「何が録画されているのか、見ないと分からないか……」
幸い、部室にはテレビとデッキはある。早速セットしようとする。が、しかし……
天馬「……テープにカビが生えていますね……」
桜沢「え!?」
湊「それ、見れないの?」
和泉夜「見れないことは無いと思いますけど……」
天馬「デッキの方は今後、動作保証出来無いですね」


後日。
釈迦如来「あ~あ。あのテープに何が入っていたのかなぁ」
綺咲「確かに気になりますよね」
観月「過去の公演会とかでは?」
おおかたそのあたりだろう。講堂の練習から部室へ戻る道すがらそんな話をしていた。
一宮「おつかれさん」
部室の前で一宮に会う。確か先に練習から上がったはずだった。
観月「何処行っていたんですか?」
一宮「あのテープの事、もしかしたら白雪先生が知っているんじゃないかと思ってね」
観月「あぁ。なるほど。確かに」
釈迦如来「それで、知っていたんですか?」
一宮「それは、中で話すよ」


ある程度部員が揃ったところで、一宮が話を切り出した。
一宮「あのテープは白雪先生も何が録画されているか分からないってさ」
予想はしていた事だ。せめて日付くらい書いてあればある程度は予想も出来るのだが。結果、カビの生えたテープは処分。
湊「ちょっと残念だな」
四隣「まぁ、仕方ありませんね~」
更に名簿に載っている部員も殆どが連絡が取れないらしい。
黒羽「無茶苦茶な学校だな」
確かに。
桜沢「義務教育じゃないから……か。その通りだな」
湊「え?何?」
桜沢「いや。あのテープ見たかったなって」
ごまかす。
天馬「……見たいですか?」
え?その場にいる全員が驚く。入口には天馬と和泉夜が居た。
湊「あ、2人とも何処行っていたんだ?」
確かに練習にはいなかった。
桜沢「見たいって、見れるの?」
その問い掛けに天馬は1枚のディスクを見せる。
和泉夜「壊れかけのデッキがあったので、破損覚悟で使わせてもらったんです」
天馬「……それで、序でにコレ(DVD)に録画しておきました……」
黒羽「それで練習に居なかったのか」
湊「次はちゃんと連絡してからやるように」
天馬・和泉夜「「はーい」」
棒読み。
釈迦如来「早速見てみよう!」
さっとディスクを奪い取る。
天馬「あまり、気が進まないなぁ……」
桜沢「え?何で?」
和泉夜「た、確かに天馬君は、ね」
くすくすと笑う。そんなことはお構い無しに釈迦如来は他人のロッカーからノートパソコンを持ち出して電源を入れる。
天馬「人のものを勝手に……」
釈迦如来「硬い事言わな~い。あ、何この壁紙?萌え~ってやつ?」
天馬「萌えるな!」
黒羽「どれどれ?ぶは!」
神村「そんなに笑ったら……ぷっ」
天馬「はぁ……もういいです」
観月「オンラインゲームの壁紙ですね。僕もやっていますよ」
湊「えぇ!?」
違うところで盛り上がっている。釈迦如来はドライヴにディスクをセットする。自動的に再生が始まったその画像は……。


湊「ぷ、あははは!!ナニコレ!」
一宮「か、過去公演?でも、ぷっ!」
桜沢「こ、これって、NG集!?あ、あはははは!!!」
四隣「こ、これは封印したくなりますよね!」
湊「あ、次は?お、王女だ!」
天馬「うがーー!それ以上見ないでーーー!!」
能登川「そう言わずに」
神護「あ、あはははは!」
がっくし。
綺咲「ま、まぁ、そう気を落とさないで下さい」
なだめる綺咲だが声が半分笑っている。
和泉夜「録画している時、デッキを破壊しようとしていましたからね」
黒羽「わ、分かる、分かる気がする~~」
それを何回、白雪先生に止められたか。
寒河江「いいもの見せていただきました……ぷっ……あ、あはははは~」
湊「あ、あはは……そ、そういえばさ、王女って妹が居たよね?」
まだ笑いの興奮が冷めない湊がポツリと言う。
天馬「え?はい。シルビア(姉)とアリシア(妹)ですが……」
嫌な予感。
釈迦如来「えー?まさかまたやるの?」
観月「あ、僕は見てみたいかも」
和泉夜「姉は良いとして、妹はどうするんですか?一体誰が?」
天馬「姉は良いって……」
湊「適任が居るじゃないか」
湊の視線の先には疑問を口にした和泉夜。
和泉夜「え?えぇぇぇ!!!」
一宮「睦月、まさか?」
神護「これは面白そうですね」
観月「頑張れ」
和泉夜「そ、それなら、実際にドレス着た観月君がやれば良いと思います!」
観月「えぇ!?」
桜沢「おぉ、それも面白そうだ」
釈迦如来「また取り憑かれたりして~」
湊「それは勘弁して欲しいな。じゃ、脚本任せた」
桜沢「まぁ、頑張って書こうか」
天馬・和泉夜「「えぇ~~~!」」
一宮「和泉夜君、ドレス作るから寸法測るよ。こっちいらっしゃい」
確定ですか。
寒河江「あ、あの……」
湊「何?」
寒河江「こんな風に決めて良いんですか?」
神護「僕もそれがちょっと疑問です」
一宮「いつもこんな感じだよ」
神護・寒河江「「えぇ!?」」


<きっかけは何でも良い。それを次に繋げる事が重要だ>
とは誰が行ったのか分からない。


しかし、こうして新たな公演が動き出す……


天馬「いいか!ドレス着たら周囲を警戒するんだ!喰われるぞ!」
和泉夜「えぇ!!」
天馬「絶対領域も危険だな……」
綺咲「そ、それって、僕ですかぁ!?」


fin