Gこのまま楽しむ

Last-modified: 2008-04-12 (土) 01:36:56

四隣と能登川は裏方専門だが、桜井と天馬は役者も兼任している。そのため、この2人は舞台設置が終わった後、衣装合わせをしなければならなかった。
桜井「睦月~、舞台の方は終わったぞ」
湊「お疲れ様。じゃ、2人の衣装も出来上がっているから試着してね。寸法は調節できるから」
ゴソゴソと着替え始める2人。ふと隅を見ると誰かが居る。
天馬「綺咲さん、何しているんですか?」
綺咲「あ、あわわわ……」
卯役の綺咲がおどおどしている。既に稽古モードに入っているのだろうか?いや違う。
四隣「うおぉぉぉぉ!!ニーソックス!きたーーーーーーーーーーー!!」
綺咲「はう~……」
なるほど。これで散々ネタにされたようだ。しかし、あまりにも似合いすぎている。
一宮「ポイントは絶対領域だね」
そういう一宮もウェーブの掛かったロングヘアのカツラを被っている。更に手鏡を持って一言。
一宮「あぁ、アタシってばマーベラス!!」
※注:マーベラス=すばらしい、ステキ。
桜井「オレはこんな感じでいいのか?」
ヘソ出しである。
湊「いいんじゃない?でも……」
桜井「でも?」
湊「風邪、引かないでね……」
それは無いだろう。多分。
桜井「お?そうだ。オレ耳も作ったんだ」
そう言いながら桜井は箱からその“耳”を取り出す。
桜井「これで亥は完璧だな」
釈迦如来「見せてください~」
見た目は何の変哲も無い付け耳である。
桜井「握ってみ」
“ぴきゅ”
釈迦如来「仕込みミミ!いいないいな~~」
流石小道具係といったところか。出来栄えも上々ながらちょっとした細工もしてある。しかし
湊「そのミミ禁止……」
桜井「んぁ!折角作ったのに……」
隠し芸やるわけではないと湊は呟く。そこへ“辰”が出てきた。その場に居る全員の動きが止まる。
湊「……」
桜井「……」
能登川「……」
四隣「……」
一宮「天馬君、それ好きだね」
綺咲「ぷっ。あ、ご、ごめんなさい。でも……」
押し殺したように笑う綺咲。また着ぐるみで出てきたのだ。
天馬「辰です」
湊「だから、ダメ」
何故小道具係はこうも自己主張強いのか?
天馬「残念です」
ごそごそとその場で脱ぎだす。
天馬「脱皮」
違う。爬虫類に似ているが、脱皮する辰など聞いたことが無い。
湊「下に着ているなら、はじめからそれで出てきなよ」
苦笑する湊。
天馬「一応、自己主張です。流石、サイズぴったりですね……何見ているんですか?」
その場に居る全員の動きが再び止まる。
四隣「なーまーーあーーーしーーーーでたーーーーーーーーーーーーーーー!!」
天馬「はぁ?」
桜井「ちょ!天馬サン、チャイナ服って女性用デザインしたのか!?」
天馬「え?そうですけど……」
スリットから足が丸出し。しかも綺咲同様ニーソックス着用である。
綺咲「はわわわわ……天馬さん、なぜそんなに堂々とできるんですか?」
天馬「え?別に……」
小道具の扇子片手に片足立ちでポーズまでとる。太もも丸出し。これはこれで破壊力抜群だ。
桜井「やっぱり、バランス感覚良いな」
四隣「ふーとーーもーーーもーーーーでたーーーーーーーーーーーーーーーー!!げふ!!」
叫ぶ四隣を扇子で一喝する天馬。
湊「メインキャストじゃなくて良かったな……」
能登川「なんで、そんなに叫ぶかな……」
黒羽「さぁな……」
四隣「ぼぼぼ、ボクハ、ただ細い足首と、眩しい太ももが好きなだけですよッッ」
まるで鉄板で補強したような、自爆的言い訳。しかもどもっている。
湊「……小鳥と天馬は、近づかないようにね……」
綺咲・天馬「……らじゃー」

衣装合わせは、一応順調に終わった。
11人が衣装を着ると、ここはどこの国だって気がしてくるのは気のせいだろうか。
全員個性豊かな衣装が出来上がっていた。
これにまだ、耳とかしっぽが付く人もいるから、そうするとやっと動物らしくなるのかも知れない。

湊「動きにくいとか、問題ある人いたら遠慮なく言ってね。よければ今日はこれでおしまい。忘れずに着替えて帰ってね」

――分岐――
もう帰る→シーン5へ
もう少し残る