T覗かない

Last-modified: 2008-03-28 (金) 22:07:19

部室は怪しい雰囲気に包まれていたので講堂を覗いてみることにした。
講堂では演劇部部員と思われる他の生徒が何やら作業をしているようだ。

四隣「これは何処へ??」
桜井「あ~、それはまだだ」
天馬「コッチが先です」
講堂では演劇部員達が舞台セット作成の佳境に入っていた。パーツごとに作ったものを、1つに組立てている最中だった。
能登川「あぁ、なるほど!それでこうなるわけか」
桜井「上手く考えただろ?」
まるで寄木細工の様に組立てていくと、1つのセットが出来上がる。しかも簡単には崩れない仕組みだ。
天馬「パズル好きな先輩でもいたんでしょうかね……」
まさにそんな感じだ。他のセットも同じ要領で組立てていく。
桜井「ま、こんなもんか?」
天馬「ですね。次は照明か……」
舞台天井に下がっている照明器具を見上げる。いくつか点灯していないものがある。
桜井「一度、全部チェックしないとな」
能登川「じゃ、俺見てきますよ」
舞台の上に桜井と四隣が残り、天馬と能登川が設備の方へ回る。
天馬「これだな」
舞台の下手、その真上に照明・音響設備の部屋がある。ここから舞台を見渡す事が出来る。
能登川「うわ……結構高いなぁ」
天馬「ここから飛び降りる時もあるかもね」
能登川「えええええ!!!」
天馬「台本によっては、ありえるね」
冗談なのか本気なのか。天馬はスイッチを入れていくと舞台が明るくなる。
能登川「どうですか?全部点灯していますか?」
桜井「オーケー、オーケー……あ、上手から2番目が点いていないぞ」
それを聞いて、スイッチのオン・オフを繰返してみる。
天馬「どうですか?」
四隣「ダメですね。切れてます。赤色が点いていませんよ」
こうなっては、一度釣り下がっている全てを降ろして、交換するしかない。
桜井「器具、一度降ろしてくれ」
言うと桜井は四隣と共に舞台から降りる。それを確認すると天馬と能登川はパネルを操作して照明器具を降ろす。
四隣「電球の予備ってあるんですか?」
桜井「そこの倉庫にあるはずだ」
それより先に能登川が電球を持ってきた。天馬はスポットライトの点検に回る。どうやらコレは両サイドとも問題ないようだ。
能登川「うわ!眩しい……」
何事かと思って光源を直視したらしい。
桜井「大丈夫か?アッチは問題ないようだな」
器用に取り替える桜井。5分と掛かっていないだろう。
桜井「よし。これで大丈夫なはずだ。上げてくれ」
いつの間にか戻っている天馬が照明器具を上昇させる。上がりきったところで、再度スイッチを入れる。
桜井「よし。全部点灯したな」
その後は、放送設備を点検。こちらは異常なし。
四隣「あっさり片付きましたね」
天馬「維持するのが大変なんだよ……」
桜井「そうだな。んじゃ、部室戻るぞ」
4人は機材の電源を全て切ると、講堂を後にした。