2.暗転~分岐の捕まえる・守る前まで

Last-modified: 2009-11-14 (土) 20:47:39

【暗転】
 
 
翌日の朝、部員達は部室に集まっていた。
顔には覇気がなく、誰も顔を上げようとはしない。
 
葉月
「…大丈夫ですかね、あれで…」
釈迦如来
「大丈夫だとは思うんだけど…」
 
あの後部員達は、演劇部の総力をあげて理事長の胸像のハリボテを作り上げた。
ほぼ徹夜で作り上げたその胸像のハリボテは、お世辞にもうまいできとは言えない。
むしろバレバレのような気さえする。
しかし、今までにないくらいのハイスピードでその胸像は完成した。
 
黒羽
「とりあえずあれで少しは時間が稼げるはずだ。早いとこ本物を修理しなくちゃな」
シルク
「そうですね。バレたら大変ですし」
 
バタバタバタ
バンッ
 
柿崎
「みなさん大変です!二十面相から予告状が届いたらしいんです!」
 
ドタバタと勢いよく入ってきた柿崎は、走ってきたのか息も切れ切れだ。
だが演劇部らしく一気に言い切った。
 
釈迦如来
「二十面相?」
黒羽
「あの江戸川乱歩の、二十面相?」
柿崎
「はい…。何でも、理事長像をいただきに参上する…って!今この話題で学園中持ちきりなんですよ!」
全員
「…何ーーっ!!」
 
よりにもよって理事長の胸像を!?
しかもこのタイミング!?部員達は激しく焦り出してしまった。
 
釈迦如来
「嘘でしょ!?」
シルク
「ヤバいですよ!バレちゃいますよ!」
葉月
「白雪先生に怒られるなんて嫌だぁーーーっ!!!」
柿崎
「どうしよう…どうしよう…」
黒羽
「お、落ち着けみんな!一旦深呼吸だっ!吸って吸う…違う。吸って吐くんだ!」
 
深呼吸をした部員達は、落ち着いてきたのか少し冷静になってきた。
息を吐いた釈迦如来は、少し暗めの声でみんなに聞いてきた。
 
釈迦如来
「ふぅ……。さて、大変なことになってきちゃったね…」
シルク
「このまま二十面相に胸像を盗まれたらハリボテだってバレちゃいますよ。」
葉月
「それどころか、壊したことまでバレちゃう」
 
どうにかしなくては…。
どうしよう。


『どうしますか?』


・犯人を捕まえよう!
・理事長像を守ろう!