5.開ける・開けない~二十面相登場

Last-modified: 2009-11-14 (土) 20:52:58

 
分岐【開ける】
 
 
黒羽
「とりあえず、これは見るしかないよな!」
釈迦如来
「え!?でも勝手に開けるの悪くない?」
 
開けようとする黒羽の手を釈迦如来が止める。
真面目なのか、怖いのか…。
必死に開けるなと目でも訴えている。
 
黒羽
「大丈夫、バレないって!」
シルク
「そうだよ。ここまで来たらやっぱり中身が気になるじゃん!」
釈迦如来
「確かに僕も気になるけど…」
 
やはり、ここで中身が気になるのは人間の性だ。
開けるなとは言っていたものの、どうやら釈迦如来も中身が気になっているのが本音らしい。
 
黒羽
「んじゃ開けようぜ!」
柿崎
「誰が開けるんですか…?」
シルク
「じゃあ僕開ける!」
黒羽
「いや!俺が開ける!」
葉月
「いやいや、僕が開けるよ!」
柿崎
「じゃあ、俺も開けたいかも…」
釈迦如来
「じ、じゃあ僕が…」
他全員
「どうぞどうぞ」
釈迦如来
「!?」
 
この展開はやはりダ●ョウ倶●部のネタをやるのがお決まりである。
 
『データ』
ダ●ョウ倶●部とは、元祖体を張った芸が売りのトリオ芸人である。
有名どころに熱湯風呂やアツアツおでんが上げられる。
 
釈迦如来
「…よし、開けるよ…!」
全員
「うん!」
 
何か吹っ切れたように、釈迦如来が箱を開け放った。
中からは白い煙がもくもくと出てきて、釈迦如来はおじいさんに…なることなんてあるわけもなく。
箱の中からは本のようなものやメガホン、人形が入っていた。
 
黒羽
「なんだこれ?」
シルク
「メガホンと…人形?」
葉月
「あ、こっちは台本だよ!」
黒羽
「なになに?『少年探偵団』…江戸川乱歩か」
釈迦如来
「なんで大きな声で言ったの?」
黒羽
「ん?なんかの『キーワード』になってそうだなーと思ってさ」
釈迦如来
「そうだね。『メモ』しておくのもいいかもね」
 
なんだか不自然な気がしなくもないが…。
きっとそれだけ大事なことなのであろう。
そんなことを話していた、その時!!
 
 
【ワッハッハッハワーッハッハッハ】
 
 
全員
「!?」
 
 

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分岐【開けない】
 
 
黒羽
「…開けるのやめとくか?」
 
箱をジッと見つめていた黒羽がボソッと呟いた。
心なしかやや声は震えていた。
 
釈迦如来
「なんで?」
 
いきなり何を言い出すんだとばかりに釈迦如来は聞いた。
どうやら釈迦如来は開けたくてたまらないようだ。
 
黒羽
「だって!!開けたら中にタイマーがセットされてて、赤と青の線があったらどうするんだ!?
俺選べないよ!?どっちだ…どっちなんだ!!こっちか!?いや、裏をかいてこっちか!?
いやいやもしかすると俺がこっちを選ぶと思っているかもしれない!!
あぁ、そうこうしてるうちに時間が刻々と減り続けている…!!
一体どっちを選んだらいいんだーーーっ!!」
 
…ドラマの見すぎである。
 
釈迦如来
「はいはい、そんなことあるわけないから」
黒羽
「なんでそう言い切れるんだよ!?
あ…もしかしたら開けたらランプの精が出てきて俺達の願いを1つだけ叶えてくれたりするかもよ…!?」
 
…アニメの見すぎである。
 
シルク
「これランプじゃなくて箱ですよ?」
葉月
「そんな夢みたいなことあったら嫌ですよ」
柿崎
「そんなアラ●ンじゃないんですから…」
 
黒羽の発言に冷静にツッコミを入れる。
実に現実的だ。
黒羽はなんだかおもしろくなさそうな顔をしている。
 
黒羽
「…なんだよー、冗談の通じない奴等だなー…」
釈迦如来
「ボケはその辺にして、開けちゃうよ?」
 
釈迦如来が箱を開けようとしたその時だった。
 
 
【ワッハッハッハワーッハッハッハ】
 
 
全員
「!?」