都市伝説

Last-modified: 2015-07-08 (水) 22:43:01

シナリオ名『都市伝説』

シナリオ傾向
傾向:探索メイン
舞台:都市
難易度:そこそこ
殺意:ちょい高め

奨技能:オカルト、パソコン

●概要
ある日ある時ある場所で。
探索者は都市伝説を聞くのだ。
「昔々。魔術師が儀式に失敗して怪物を呼び出してしまった。その際に魔術師は喰われてしまい、怪物は制御を失った。今でも怪物は夜の闇に隠れている。この話を聞いた人の元へ三日後にその怪物がやってきて殺される」

●背景
この都市伝説は、数ある都市伝説の中に埋もれていた“本物”の話である
都市伝説の人から人へと伝える行程がある種の呪文であり儀式であり呪いという魔術なのである
三日後にやってくる怪物はある意味探索者たちが自ら儀式に加担し、呼び出してしまったものなのだ
この魔術は、都市伝説の内容を口頭で述べることによって呪文を唱えたことになり、人に伝えることで儀式として完成する
そのため、書いたものは効果を成さないのである

●導入
探索者の友人である遠山優美が、顔を真っ白にさせて探索者に相談にくる。
「どうしよう、どうしよう、私殺されちゃう。助けて!!」
酷く混乱、憔悴しており精神分析が使えるなら使うよう指示。使えないならRPでなんとかさせる
しばらくして落ちついた優美はまず、もしかしたら貴方たちも巻き込んでしまうかもしれない。ということを強調する
優美はオカルトが苦手で怖がりだが怖いものみたさといった好奇心は人一倍であること、またとても心優しい人柄であることを探索者は知っていていい
かつてもこんなような感じに都市伝説のテケテケさんやさっちゃんの歌の話を聞いて泣いて助けを求めてきたことがある
その時と同じような感じであることを強調
何があったのかと聞かれれば、優美は以下のことを話す
・都市伝説『町の怪物』について
・自分はその話を聞いて今日で二日目だということ
・今日の朝、自分にその都市伝説を話した人物が亡くなったこと、その人は“今日で三日目”だったこと
・明日、自分も怪物に殺されてしまうかもしれないということ
この話を聞いたことにより、探索者の元にも三日後に怪物がやってくることとなる

●探索
主な探索場所としては
優美にこの都市伝説を話した安田知彦の家
図書館
優美の家
白木寺

●遠山優美
探索者と仲の親しい友人、出来れば幼なじみが良い
大人しく優しい性格の女性
恐がりだが、好奇心、怖いものみたさは人一倍
NPCであるが、探索者に向いた性格といえる
彼女は翌日の夕方、部屋で怪物と遭遇し死亡する

●安田知彦
優美の大学の先輩で、優美の恋人
オカルト好きで、都市伝説について専門的に研究していた
死因は交通事故
車道に飛び出して轢かれたらしい
これはある意味で真実であり、実際の真相としては、怪物に追われ錯乱しながらも逃げていたところを車道に飛び出し轢かれたのである
死体を見たいと言われてもスプラッタ状態で見れるものでは無い

●巳代住職
白木寺の住職
眼鏡が柔和な印象を与えるまだ若い優男

●都市伝説を聞いた探索者たち
二日目以降探索者は皆、一人きりになった時どこかから視線を感じるようになる
目星に成功すると、窓の向こうからこちらを見つめる赤い目を発見するだろう(1/1d4)
しかしその目は一瞬で消えてしまう

●優美の家
一日目は特に何もない。そして男性の探索者の場合、自室に立ち入らせるのは渋る
彼女の自室は女性らしい、整理された普通の部屋
調べられそうなところはベッドと本棚、机くらいである

二日目
リビングには優美の惨殺死体(1/1d4ただし仲が良い探索者は1/1d6)
死体の側には壊れた携帯、鋭い爪痕が残されている
部屋に目星をすると、部屋全体、全ての窓と言う窓の雨戸とカーテンが閉められていることが分かる

●知彦の家
都市伝説について調べてくれるなら、と優美から合鍵をもらえる。
知彦は都市伝説が好きでついていろいろ研究していたから何か分かるかもしれない。とも伝える
ぱっと見、普通のアパートである
中もいたって普通
ただ、目星をすると窓という窓がカーテンで覆われ、玄関の覗き穴や郵便受けすらもガムテープで塞がれているのが分かる
知彦の自室に入ると、そこそこ片付けられてはいるけれど本の多い部屋だという印象を受けるだろう
めぼしい場所は机、ベッド、本棚、パソコン
机には日記らしきものと図書カード
日記については後述
ベッドにはウ=ス異本(0/1d3)しかしこの冒涜的な本に小さなメモが挟まれており、そこには「3923」と書かれている
本棚にはオカルト、特に都市伝説について書かれた本が多いことが分かる。ただ、量が量なので大雑把にしか分からない。もしクリティカルなどが出たのなら、そこには魔術的なことに関する本もあることが分かる(適当にボーナスあげてもいい)
パソコンにはロックがかかっている。パスは3923
中を見て調べたいならパソコンロール
履歴などからとある本を予約していたことが分かる。また、その本が届いていることも分かる

●図書館
ここで見つかる資料は
町の歴史
古い新聞


オカルトロールで
『あなたに這い寄る都市伝説』という題のオカルト本


知彦の予約していた本を受け取る場合は図書カードが必要
渡される本は『白木寺の伝承』

●資料


■知彦の日記
前半はメジャーな都市伝説について検証した経過などについて書かれている
二日前
・知り合いがネット掲示板から見つけたといって「町の怪物」という都市伝説を教えてくれた。ついでにソースである掲示板をお気に入り登録しておく
・町の怪物についての話(優美に聞いたものと全く同じ)
一日前
・特に変化は無い
・優美にも話した
・調べた感じだとこの都市伝説は50年前にもこの町で少し流行っていたようだ。参考になりそうな資料も図書館で予約したし、なぜ廃れたのかもっと詳しく調べてみるか
今日
・あれは手に負えない絶対に人に伝えてはいけないものだああくる奴がくる優美に話すんじゃなかった優美が心配だすまない本当にすまない知らなきゃ良かった助かる為にはあそこに行くしか無い奴が奴が来る前に行かなければいかなければいいいいいいかなけれ(日記はここで終わっている)


じっくり読んだ場合、前半の無駄な都市伝説についてのところも読むことになるので2/1d3+1のSANチェック+濃密な都市伝説の研究資料を読んだことによりオカルトが1d3%増加
流し読みの場合、二日目から今日までのところのみ読むことになる。知彦の錯乱ぶりから自分たちが聞いた都市伝説が相当ヤバいものだと分かるので、0/1のSANチェック

■古い新聞
50年前の新聞
あまり公にはなっていないが殺人事件が何件かあったこと、その全てが惨殺死体だったことが分かる
かつてこの町で惨劇が起こったことを知ったことにより、0/1のSANチェック

■町の歴史
この町の歴史について書かれた本
代々の町長などが分かる
もし先に白木寺の伝承を読んでいた場合、アイデアロール
すると、50年前の町長が白木寺の住職と同一人物であることが分かる
逆の場合も同じように処理

■あなたに這い寄る都市伝説
都市伝説について詳しく書かれている


都市伝説の第一人者である都市伝説ライターの宇佐和通は都市伝説について「『友達の友達』という、近い間柄ではなく、特定も出来ない人が体験したものとして語られる、起承転結が見事に流れる話」と定義している
また、都市伝説の起源とは、一見新しそうに見える都市伝説であっても、その起源が古くからの神話や民話にあったり、あるいは、より古い別の都市伝説の焼き直しだったりする事が多いことが、ジャン・ハロルド・ブルンヴァンら研究者により指摘されている。
都市伝説には起源や根拠がまったく不明なものも多いが、何かしらの根拠を有するものもある。特定の(大抵は何でもない)事実に尾ひれがついて、伝説化することが多い。


都市を中心に伝播していく都市伝説には、いくつかの特徴が挙げられる。
過去の事件、事故に由来する
場所に由来する
発祥が不確定、或いは特定しづらい
これらの要素が複雑に絡み合い、口承やインターネットネットで情報を入手したりする現代的な特徴がある


都市伝説は、本当にあった出来事として語られるが、語り手は実際にその真偽を確認しているわけではなく、自分が「本当の出来事」として聞かされたので、それを信じて次の人に伝えているだけである。実際に起きていない話が、真実のように語られ時には「体験者を知っている」と言い切らせてしまう説得力を持っている。都市伝説には、真実の断片が盛り込まれており、「断片」には実際に起きた事件だったり、実存する人物だったりと様々である。都市伝説の特徴の一つに「嘘でつなぎ合わせられた真実」という側面であり、要所要所に真実を嵌め込む事によって、話全体が真実として伝えられる。
都市伝説は真実味と不安とを加えるため、伝説中の登場人物や地名には話し手や聞き手に取って身近なものが選ばれる。そして伝説は、実際に、「friend of a friend」(FOAF、いわゆる「友達の友達」)などの身近な人に起こった真実として語られたり、「これは新聞に載っていた話」として紹介されたりする。
多くの都市伝説においては、話の面白さ・不気味さが主であり、伝説中の人物・企業・地名は、話し手や聞き手に身近なものへところころと変化する。


2000年代以降の傾向としては、インターネットコンテンツが都市伝説の伝播媒介となっている。ネット上では、かつては社会一般に情報発送手段を持たなかった個人が自由にいかなる情報でも送ることができるので、新たな都市伝説が生まれ広がりやすい環境にある。
特に利用者の多い匿名大型掲示板はそのシステム上、伝言ゲーム的な情報伝播の際に情報の変質が速い傾向がある。


また、ある都市伝説が嘘であることを示すために流れる噂話や、この都市伝説はこれが元の話とさも事実のように流れる話を対抗神話という。

(Wikipediaの都市伝説より抜粋)


この資料で分かることを大まかに説明すると、
都市伝説とは「嘘でつなぎ合わされた真実」である
「情報の変質が速い」
「起源となる事実が存在する」
「対抗神話の存在」

■白木寺の伝承
寺の場所、代々の住職の名前等が分かる
それなりに歴史のある古い寺院であることが分かる
創設に至った逸話も乗っている


かつて妖術使いがこの町に現れ妖魔を操り、人々に不幸をもたらしたが、徳の高い僧が法力をもって彼らを退治した
それに感謝した人々がお礼にと立てたのが白木寺である


寺の名前の由来は全てに置いて白木で作られたからである

■掲示板
マイナーな都市伝説についての板
読んでみると、確かに「町の怪物」についての話が乗っており、数日後にそんなものこなかった。自分はまだ生きている等という書き込みをしている人がたくさんいることが分かる


また、町の怪物をキーワードに検索してみると、数は少ないもののいくつかヒットする
それを全て調べると、「どれも全く同じ内容である」ことが分かる
そして、記事は全て新しいものというわけでは無く、50年前にもこの町で流行ったことなどが分かる
聞かれれば答えればいいが、「内容は50年前も全く同じである」

「町の怪物 対抗神話」で検索した場合、一件のみヒットする


いつのものかは分からないが、
『自分は怪物の話を聞いてしまった。けれど、白木寺の和尚が助けてくれたのだ』
と書かれている

●白木寺
一言でいうならこの町の聖域と言えるお寺
現住職は巳代(みしろ)という眼鏡が柔和な印象を与える比較的若い和尚
巳代は町の怪物について知識としてかなり深くまで知っているが、都市伝説の内容は頑に聞きたがらない
「町の怪物について聞きたいのですが」
と言われてもあまり協力はしたがらず、好奇心は猫をも殺す、首をつっこまないほうがいい、と取りつく島もないが、
「怪物の殺される。助けてほしい」
と言われれば比較的あっさり協力してくれる


部屋に通した巳代は、以下のことを教えてくれる


・都市伝説町の怪物は魔術であること
内容を人に話すことで呪文と儀式が完成され怪物を呼び出してしまうのだということ(この際、だから私に話すなと釘をさす)
・なんらかの方法で三日目をやり過ごしても怪物はいなくならないこと、ずっと命を狙ってくること
・白木寺には怪物は入ってこれず、とりあえずは安全だが、出た瞬間に殺されるだろうということ
白木寺に君たちを匿ってあげてもいいが、怪物に襲われないためには一生ここから出られなくなるよ?とも聞いてくる


怪物を退治できないのかとか対抗神話のことを持ち出されると、以下の話が聞ける


この寺の創設の逸話を知っているかい?
『かつて妖術使いがこの町に現れ妖魔を操り、人々に不幸をもたらしたが、徳の高い僧が法力をもって彼らを退治した
それに感謝した人々がお礼にと立てたのが白木寺である』
この話に出てくる妖魔。これ、ぶっちゃけちゃうと今で言う町の怪物なんだよね。
昔の、『妖魔の法』っていう人を殺す怪物を呼び出す呪詛。
時代の流れで都市伝説の体系に変化したのか、何者かの手によって都市伝説として書き換えられたのかは分からないけど……
まぁ町の怪物の起源はこれなんだ。
で、なにが言いたいかっていうとね?
呪詛返しって知ってるかな?
文字通り、呪詛を跳ね返す術さ。
呪詛をかけた術者に、呪いをそのまま跳ね返す。そんな術。
危険な術だけど、これを行えば怪物を呼び出した本人に返すことが出来るんだ
昔の僧はこの術で妖魔と妖術使いを退治したってこと。


それが自分の知りうる解決方法である。と締めくくる


呪詛返しを探索者が望むなら、渋る巳代をなんとか説得しなければならない
リスクが高いことをきちんと説明すること
呪詛返しについてくわしくは後述
(ちなみに呪詛返しはbad endルートになります)


妖魔の法について詳しく知りたい、と探索者が言えば、巳代は倉の鍵を渡してくれる
たぶんあそこに資料があるから好きにみていいよ、と言われるだろう

■呪詛返しの法
呪詛を術者に跳ね返す術
この解決方法を取った場合
『呪詛返しを受ける者に町の怪物について話した者が術者である』というのがこの術のネックです
まだ優美が生きていた場合、『探索者たちに話したのは優美』なので優美が確定で死亡します
優美がすでに死亡していた場合、『術者がいない』状態になるので呪詛返しは失敗に終わり、巳代が確定で死亡します
また、他の探索者に話した探索者がいたらその人も確定で死亡です
SANチェック嵐です
優美が死亡→2/1d6+1
巳代が死亡→3/1d4+2 (巻き込んだ罪悪感で多めです)
探索者死亡→3/1d4+2

●白木寺 蔵

『妖魔の法』
と書かれたボロボロの本
呪文やら儀式の部分は張り付いていて剥がれない。頑張れば剥がせるけど、赤黒く汚れていて読めない。アイデアロールで成功したらこれが血であることに気づく。(1/1d3のSANチェック)
日本語ロール(古い書物のため)成功で2時間かけて読み終わると、最後に退散の法を見つける


■退散の法(あるいは弱体の法)


退散にするか弱体にするかは探索者の能力を見て決定する
戦いを望むなら弱体の法にするといいと思う


儀式を行うには4人の人間が必須
逢魔が時であることが条件
塩と酒、水盤、蝋燭が5本必要
水盤を鬼門に置く
窓のある四角い部屋で四隅に盛り塩し、部屋の中央に火をつけたロウソクを一本
それぞれロウソクを一本持ち真ん中のものから火をうつして四隅にも蝋燭をたてる
始めに中央のロウソクを吹き消し、1人づつ怖い話をしていき、話し終わるごとに蝋燭を1本づつ消していく
最後の1本を消したなら、怪物が現れるので酒をかける

怪物が現れたら1/1d8+1のSANチェック発生するが、酒を浴びれば怪物は悶え苦しみ消えるのでとりあえずそれで儀式に参加した者はもう怪物に襲われることはなくなる


ただし、優美が生きているにもかかわらず、この儀式に優美を参加させなかった場合、翌日、探索者の誰かの携帯に電話がかかってくる
「どうして助けてくれなかったのどうしてどうしてどうして……!!!!」
そして、断末魔と、ばきごきという酷い音
しばらくして、電話は切れた
SANC1d3/1d10

●『町の怪物』妖魔
STR 20 DEX 18 INT 12 CON 20
POW 20 SIZ 26
HP 23 DB +1d6
かぎ爪 70% ダメージ 1d8+DB
回避 30%


データは屋根裏部屋の怪物をベースに魔改造したものです
外見は黒くて大きく、歪な角が生えており、大きなかぎ爪を持っています
不気味に爛々と輝く赤い目が特徴的な化け物です



●報酬
・優美が死んでない 1d6
・怪物を退散させた 1d10


クトゥルフ神話技能+1d3%


オカルトの1d6確定成長ロールの許可

●いいわけ
日和見 小春の二作目のシナリオとなります
突発で思いついて勢いで作りました……
都市伝説らしい“怖い話”がテーマのシナリオです
全体的に高めのSANチェックは、三日後に死ぬかもしれない。という精神的負担です
プレイしてくださり、ありがとうございました!


追記 今更読み返すとすっごい穴だらけの色々酷いシナリオですが勘弁してください………


制作者:日和見 小春