夜伽の国の月光姫

Last-modified: 2015-06-21 (日) 08:58:51

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656 名前:この名無しがすごい![sage] 投稿日:2015/06/21(日) 07:53:36.00
セレネのおっさん読んでなかったのでWIKIが出来た機会に読んで感想投下


夜伽の国の月光姫
いわゆる勘違いもの。
主人公は銀髪に赤眼の色白美少女というTS娘にはありがちの展開。
ただ他の作品と一線を画しているのは、TS娘の中身がまるで駄目なおっさん、つまりマダオ染みていることだろう。
先に言っておくと決して作中でマダオと呼称されてるわけではないし、某作品のマダオというわけでもない。
なぜマダオなのか?と言うと読んで貰えるとすぐに分かることだと思う。

まず展開としてはTSというよりは転生物の王道として、
主人公に日本人としての知識がある故に異世界の言語に馴れないという障害が発生している。
そのため、話がいくら進んでも主人公は片言でしか喋れないので、逆にTS物のガンである男言葉を見事に封殺している。
だからこそ偶に出る男らしい叫びなどには、少し顔をしかめてしまうが。

前世は男だったので、男が好きなんて事は勿論あるわけでもなく、第二の主人公的な位置にいる大国の王子には媚びるはずもない。
むしろイケメン死すべしという考えを持っている駄目人間なため、王子にはマイナスの事ばかりしようとする。
しかし、主人公が望んだ行動とは周りには全く別の見られ方をされてしまい、王子どころか色々な人からの支持を得ていくことになる。
人気が上がっていくにつれて、「駄目だ、この主人公早く何とかしないと……」と思ってしまうほど、中身のおっさんの駄目っぷりは半端ない。
地の文で主人公を徹底的に馬鹿にしているおかげで、偶にクスッとした笑いが出たりする事を考えると作者は中々考えて筆を動かしていると見える。
それでもイラッとすることがあるので、主人公の駄目っぷりは凄まじい。

勘違いものとしては中々面白いが、
今のところTS要素は主人公にダメオとしての性格と女になったことによる百合好きとおっぱい好きくらいしか影響を与えてないように感じるので、
男女の性の違いについて深く言及されているとかを望んでいる人にはお勧め出来ないかもしれない。