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Last-modified: 2024-11-04 (月) 15:44:58

対象

協奏曲「鬨凱(こうがい)

概要

A.E.Tcinr(生没年不詳)によって製作された協奏曲とされる楽曲の通称で、
演奏難曲として知られている楽曲の内の一つである。

この楽曲はトルニス海での勝利を祝して書き上げたものとも、
レシテュフの反撃に与した際に勝利を祈って書き上げたものとも言われ、
その来歴には諸説がある。


また作者のA.E.Tcinrの作とする楽曲はこれ以外に発見されていないため、
同年代の他の作曲家が別の人物を騙って書き上げたものとする説が有力であるが、
その正体については研究者の間でも議論が分かれている。

現存する音源の内一番古いものを演奏しているオーケストラについての情報すらも演奏した音源以外は残っておらず、
指揮者や演奏者の一切に至るまで、全て情報が不明で、「架譎(かけつ)の楽隊」と呼ばれることもある。

この曲の作者であるA.E.Tcinrを指揮者としている文献もあるが、
そもそも作者の存在そのものないしはその正体が誰かを証明するに足る文献は発見されていないため、
依然としてこのオーケストラについては杳として知れない。

以下にこの楽曲の楽譜に記された指示から推察される作者の意図を記す。

  1. 序部「穏やかな草原(海原)は突如として戦場へと変貌し、そしてまたもとに戻るだろう」
    序盤は穏やかな旋律が流れた後に勇ましい旋律が後を追うように唐突に現れる。
    その後に流れる重苦しい旋律は、決してこの戦いが簡単なものではなかったことを表しているとされている。
    その後ピアノが駆け上がった後、勝鬨のような各楽器の音が鳴った後には、何事もなかったかのように穏やかな旋律が再び流れる。

    この部分については研究者の中でも見解が分かれているが、大筋としては「勝鬨が挙げられ、戦いには勝利した」というものである。
    楽譜の訳文が草原と海原で揺れているが、A.E.Tcinrのものとされる楽譜は全て古代ルエク=コヌ語で記載されているためであり、
    楽譜には「原」を意味する言葉が書き残されているが、古代ルエク=コヌ語では、海原か草原かについての区別を行っていないためである。
    序盤の調がQ+であることから、草原というよりは海原の方がイメージが近いのではないかとする説もあるが、
    この後にL-やK+へ転調することもあってか決定的な説とは言えないのが現状である。

    なおオーケストラにて演奏をする際に奏者泣かせともなる旋律がこの節に含まれており、
    バイオリン演奏者のL.qeqqioはこの楽譜を見て、

    「この楽譜は悪魔によって、悪魔の為に書かれたものだ。私はこの曲について一切の演奏の手段を持ち合わせていない」
    と苦笑したという逸話が残っている。
  1. 破部「戦は終わった。だが、それは次の戦いへの中休みでしかない」
    一度Q+へ転調した後に、K+へ、そしてK-へ同主調の転調が行われる。
    淡々と進行しつつ段々と緊張感が高まっていっていることを表現しているものとされる。

    なお同主調への転調は行われているが、実際に演奏する旋律は転調前のK+で演奏されていたものをK-のスケールに合わせたものが多い。
    平和の中で、しかし確実に戦いへのカウントダウンが進んでいることを表現した節である。
  1. 急部「ならば、せめて、この剣を以て最後と為せ」
    この節ではK-へ転調し、徐々に220まで駆け上がるようにテンポが上がっていく。
    序部にて登場した重苦しい旋律を転調させたものが登場する。
    結果としてここにも奏者泣かせとなるフレーズが登場することになるが、最終的に序部よりもテンポがさらに上がるため、
    「もはや誰が何の為に演奏しているのかどうかすらわからない」と評されるほどに演奏難易度が高い。

    この序盤で登場したフレーズが再登場するため、トルニス海戦や、レシテュフの反撃のために書かれたものとされる説は、
    史実上繰り返し戦闘が行われているこの地域に合致するとして、この節を準拠としていることが多い。

    ピアノが序部にあったように駆け上がった後、最後にK-からK+へ転調して、戦の勝利を願う3つのコードが鳴り、急部は終わる。