ソーサリーリング

Last-modified: 2013-04-02 (火) 13:17:12

遠い遠い昔 魔軍十二将のバズズは密かに 世界を滅ぼす魔力を秘めた“ひとつの指輪”を作り出した
バズズは自らの残忍さ 邪悪さ そしてもっと楽に狩りをしたいという欲望を この指輪に注ぎ込んだのだ
その噂は徐々に世界へと広がり 今では腕に自信のある冒険者なら誰もがこの指輪を求めてやまない
そして今日も数多の冒険者達が 在る者はバズズの魔手にかかりその若き命を散らし
また在る者は財産を失い嘆き 悲しみに暮れている

しかし 仮に念願叶って指輪をその手中に収めることができたとしても指輪の魔力の前に無事では済まされない
指輪を一度身につけた者はその有り余る魔力に魅入られ 以後指輪なしに生きる事は困難になるという
たとえそれがどんなに強靭な精神力をもった冒険者であったとしても・・・
その強力な副作用により所有者の人格が破壊され得るとしてアストルティアに存在する国家の多くは
指輪の使用を法により禁じているが 違法に使用する冒険者が後を絶たない事が問題になっている

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(写真:困難の果てに指輪を入手したある冒険者 既に中毒の初期症状が表れている)

一方 別の側面を見ればこの指輪の存在により世界には新たなる格差が生まれようとしている
狩場での滞在時間 消耗する小瓶の量 酒場で得られる経験値・・・
指輪を持つもの 持たざるもの その間には天と地程の開きがあると言っても過言ではない
指輪の有無による嫉妬 人間関係の狂い それは今も刻一刻とこの世界に広がり続けている
正に魔性の指輪と言える存在である

しかしここで一つの疑問が生まれる
「バズズは一体誰のためにこの指輪を作ったのか」
一見すると冒険者達がバズズに打ち勝ち その秘宝を我が物としているかのように見える・・・
だが実際には 冒険者達が彼から指輪を奪うことで無数の問題が生まれ続けている
ここからは仮説に過ぎないが この現実こそが 魔軍十二将 バズズの狙いではないかと私は考えている
彼は適度に勝負に負け 適度に秘宝を渡すことで 冒険者達を 「指輪の取得」 「指輪の常習性」という
二重の中毒状態に陥らせているのだ
この指輪のせいで人生を台無しにした者達を私は無数に見てきた
そしてそう この私も・・・

まだ若く未来有る冒険者諸君に告ぐ
ソーサリーリングを手に入れようなどとゆめゆめ思ってはいけない
もしそれでも指輪をその手に求めるのならば
予言しよう 指輪を手にした瞬間こそが 君たちの人生の中での幸福の頂点になるであろうと
そしてその陰には 君たちの末路を想い 悪魔の笑みを浮かべるバズズがいるのだ

ある冒険者の手記より抜粋

バズズを参照