スーパーモンキーボールDS

Last-modified: 2024-05-06 (月) 21:25:43
発売元セガ

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開発元アミューズメントヴィジョン
発売日2005年12月1日
定価5,544円(税5%込)
廉価版2,625円(税5%込)
判定シリーズファンから不評
ポイント根本的な面白さは変わらず
シリーズ転換期となったが…?

概要

アーケードから始まった『モンキーボール』シリーズ4作目であり,初のDS用ソフトである(過去に海外でのみGBA版,N-GAGE版が発売されたが、どちらも一作目「スーパーモンキーボール]]」のアレンジ移植である)。

キャラクターの絵が3Dから2Dになっており、表情が豊かになった他、全体的に無機質であった前作から明るくポップな印象になっている。

特徴

  • メインゲームのルールおよび特徴である「猿の入った球を転がしてゴールテープを切る」「ボールを動かすのでは無く、ステージ自体を動かす」「感性に沿って自機が移動する」などは今作も変わらず。
    • 操作方法は十字ボタンの他に、アナログスティックの代わりとしてタッチパネルを使用して操作することができる。
    • プレイヤーキャラクターはお馴染みのアイアイ・ミーミー・ベイビー・ゴンゴンの4匹。
  • 今作のメインゲームは残機5人でスタートし、バナナを10個集めることで1UP。1つの面につき10ステージで、5ステージ目はボーナスステージ。
  • メインゲームの他に、1~4人用のパーティーゲームが6個収録されている。
    • 過去作から、レース(一般的なレースゲーム)、ファイト(殴り合いの乱闘)、ボウリング(自機がボウルとなって転がる)、ゴルフ(こちらも自機がボールとなる)がDS用にリメイク。新規としてウォーズ、アイスホッケーを収録。
    • モンキーウォーズ
      • 小さいフィールド内で4匹のサルが互いに撃ち合うFPSシューティング。
      • 十字ボタンで移動、画面タッチでカメラ移動&ショット。
      • フィールド内にアイテムが置いてあり、通過することで特殊ショットや体力回復が可能。
    • モンキーエアホッケー
      • 通常のエアホッケーと大差ない「クラシック」と、自分で線を引いてスマッシャーを作る「ラインスマッシャー」がある。
      • 自陣の両角にはアイテムゾーンがあり、上をボールが通ることでアイテムの効果が発動する。
      • ゴールの幅が小さくなったり、逆に大きくなったり。

問題点

自キャラがステージに突っかかる

  • ステージがポリゴンによって描かれているため、DSの性能で滑らかな坂を表現しようとするとどうしても「つっかかり」が発生する。
    • これによりどういうことが起こるかというと、「速度を出して走っている時につっかかり、あらぬ方向に吹き飛んでしまう」という現象が発生し、物理法則による繊細な操作を必要とするゲームにとってはかなり問題点となってしまう。
      • ステージの構造に依存する問題のため平面のステージでは起ることがないが、滑らかなステージではとにかく跳ねる。特にステージ9-10は高速で立体面を走らなくてはいけないため、この問題のせいで鬼畜なレベルに達している。

過去作からの流用及び新規ステージの単調さ

  • 何ステージか過去の作品のものが出てくるのであれば懐かしさを感じることができるが、1つの面につき3ステージの頻度で過去作からのステージが登場する。また、違う面で登場したもの同じ構成のステージが別の面で出てくることもある。
    • 多様なギミックに新鮮さを感じ、苦戦しながらも解くのが醍醐味であるゲームだが、知っているステージが登場すると萎えてしまうだろう。
      • かといって新規ステージが過去作のようにギミックが多様で楽しいかというと、単調なステージが多く新鮮味が薄いと感じてしまう。
      • 面白いギミックもあるが、それ以上に「動くブロックが存在しない、ただゴールに向かって一本道を進むステージ」が目立つ。
      • これに関しては前述の「跳ねてしまう」問題を起こさせないための処置と考えることもできるが、面白い部分まで削ってしまっているのは確か。

賛否両論点

難易度の低下&ギミックの減少

  • 「跳ねる」問題と、過去作に存在する初心者にとっては大きな壁となる「鬼畜すぎるステージ」の問題を考慮したためか、今作に複雑なギミックとそのステージは少なくなっている。(9-10の様に別の意味で難しいステージはあるが)
    • しかし、過去作の特徴である、ギミックをスタートさせるための「スイッチ」も廃止されてしまった。これにより、スイッチによって動き出したり止まったり倍速になったり、という魅力的なギミックは、今作にはほぼ無い
      • 言い換えれば、「特徴的なステージが少ない」とも言えてしまう。皮肉にも、記憶に残るステージが過去作からの引用、ということもある。
    • しかし、DSの性能の中、さらに初期ソフトであると考えると十二分な完成度であり、全て3Dステージであると考えれば容量的にもかなり圧迫される内容であるため、ステージ数の減少を避けるためにギミックを簡略化させたと考えれば、正しい選択であったという考え方もできる。

ストーリー、シナリオが存在しない

  • 過去作にあったムービーなどは無く、ただ淡々とステージを攻略するのみ。さらに、説明書にストーリーは書かれていない。
    • 過去作のシナリオはステージの背景に沿って話が進む、ある意味おまけ的要素であったため、このシリーズにとって重要な部分であるとは言い難いが。

大胆なキャラクターデザイン変更

  • [[魔導物語・ぷよぷよシリーズでも「フィーバー」からデザインが変わったように、本作からキャラクターは3Dではなく2Dのイラストで描かれている。
  • 2Dのクオリティは高く、表情豊かで観ていて楽しい。
    • メインゲーム時に、下画面には操作キャラのイラストが表示されるが、コミカルに動き回り、放置するとそれぞれ動きを見せてくれるなど、完成度はとても高い。
    • UIもそれに伴いコミカルな見た目に。視認性が下がってしまっているものもあるが、基本的には高クオリティ。
      • 過去作から大きく異なっているデザインのため、受け入れられるか受け入れられないかはユーザー次第だろう。

評価点

手軽にシンプルなアクションを楽しめる

  • とにかく今作の魅力はこれだろう。DSという機種に移行したことでいつでも遊べるようになったという功績は大きい。
    • 全体的な作り自体は非常に丁寧なため、無心になって楽しむことができる。むしろ過去作よりも理不尽な難易度のステージが減ったため、初心者のとっつきやすさはとても評価できる。
    • 十字ボタンの他にタッチパネルが追加されたが、操作性は非常に良く、アナログスティックが無いDSでも違和感なく遊ぶことができる。
      • 十字ボタンもいつでも使えるので、ステージによって使い分けができるのも良い点。

高レベルなBGM/グラフィック

  • 過去作と作曲者は異なるが、DSとは思えない高いレベルの楽曲が揃っている。過去作より曲調が明るくなり盛り上がる部分が多く、気分が上がる。
  • 背景の作り込みも素晴らしく、ステージと共にスクロールするのはもちろん、その背景自体が常にムービーとして動いている。
    • 特に1面の背景はステージが進むごとに時間が経ち、朝→昼→夕方→夜と背景が変化する。これとBGMと相まって、視覚、聴覚共に非常に楽しめる。これには製作者の意気を感じられ、純粋に評価できる。

タッチ操作用にアレンジ・制作されたミニゲーム

  • こちらもタッチ操作が非常にマッチしており、ミニゲームによっては1カートリッジで通信できるため、友達と集まれば盛り上がれるだろう。ゴルフやレースではランキングが保存されるため、一人で何度もプレイできる。作りもとても丁寧で、不満無く楽しめる出来となっている。

その他

  • バナナ10本で1UPするようになった。
    • 過去作ではアーケード基準だったために50ステージ以上を残機3で、さらに1UPするにはバナナ100本が必要だったが、今作は10ステージずつに分けられており、10本で1UPする。
    • 今作のボーナスステージは概ね良心的に作られており、しっかり残機を上げることができる。過去作のボーナスステージがボーナスでなかっただけだが。

総評

ビジュアル面を一新することで過去作の無機質感を無くし、そこにタッチ操作を加えることで意欲的な作品となった。
しかし、DSの性能の限界により「跳ね」が発生してしまい、それに対する対処も中途半端なものになってしまったため、無印・2のような大胆なギミックを求めたファンにとっては「ガッカリゲー」扱いとなってしまった。
しかし、初心者にとっては非常にとっつきやすくなっており、一部を除いて難易度も優しく、雰囲気や作り込みも素晴らしいため、手に取って損はない作品だと言えるだろう。
メインゲーム、ミニゲーム共に過去作と比べると見劣りしてしまうが、シリーズの楽しさはしっかり味わうことができる。

余談

  • 外国版である「Super Monkey Ball touch & Roll」にはステージごとに名前が付けられている。何故日本版が面の名前とステージの数の表示になっているかは謎。
  • 今作で音楽を担当した小林千穂氏は、シリーズの次作品でも作曲を務めている。
  • タイトル画面で飛び上がっている風船を10回連続で割る(2回タッチ)と、そのまま風船割りミニゲームが始まる。