【せんらんしんぷうのごとく】
ジャンル | 本格戦国シミュレーション恋愛アドベンチャー | ||
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | ||
発売・開発元 | システムソフト・アルファー | ||
販売元 | イエティ | ||
発売日 | 2010年12月2日 | ||
定価(税込) | 通常版:6,090円 / 限定版:8,190円 | ||
判定 | なし | ||
ポイント | (前作に比べれば)見違えるほどの進歩 でも評価としては中の上程度 |
概要
致命的なバグを多数抱えたままリリースされ、悪い意味で話題になった『戦極姫 ~戦乱に舞う乙女達~』の続編であり,PC版『戦極姫2 ~戦乱の世、群雄嵐の如く~』の移植版。
尚、Xbox360版は『戦極姫2~葉隠の乙女、風雲に乗ず~』、PS2版は『戦極姫2 炎~百華、戦乱辰風の如く~』というタイトルで発売された。シナリオやキャラに若干の違いがある。
ナンバリング上は続編だが,前作の続きではなく,アップグレード版に近い。
物語
京の都を焼き尽くした十年に渡る内乱“応仁の乱”により幕府の権威は失墜し、その勢力は著しく衰えていった。
幕府の統制力が次第に失われるなか、諸国に蔓延していく下克上の風潮は止めようがなく、一揆によって守護職支配が否定され、守護大名は官僚の支配に抵抗し、そして官僚は将軍を追放した。
この混乱の時代の中、自らの力で家臣団を編制し、武器を整備し、自国を治める戦国大名と呼ばれる者たちが台頭をはじめた。
北条、上杉、今川、毛利、大友、織田、島津、佐竹、伊達、武田…
時を同じくして全国に名乗りを上げた数多の戦国大名達は、自らの敵を戦で打ち破り、そして敵城を落城させ、時には同盟を締結し、それぞれが混乱の時代を生き抜くために自国の領土を広げていった。
そして一部の先覚者達は、ある事実に気付き始めていた。
――鎌倉幕府も足利幕府も一御家人が興したものに過ぎない。
ならば己も同様に、自らの力で全ての国を従えて、“天下”を“統一”することが出来るのではないかと…
かくして後世に“戦国時代”と呼ばれる長い戦乱の世の幕が今、切って落とされた。
(公式サイト「物語紹介」より)
前作との変更点
- シナリオの改変・追加
- 新たに竜造寺家シナリオが追加され、全8勢力でのプレイが可能に。また、各勢力のシナリオ自体も大幅に練り直されている。
- 前作ではその少なさを指摘されたイベントが、大幅に増加。序盤は各勢力とも毎ターンのように何かしらのイベントが挿入される。
- 男性キャラとのイベントも豊富になった。もちろんこちらもフルボイス。
- シナリオ面でこの2炎・嵐に準拠したPC版はない。他は軒並みPC版と家庭用版でシナリオが使い回しされていることを考えると珍しい特徴である。
- キャラクター関連
- 前作ではモブだった武将が何人かユニーク武将に昇格している。前からいたキャラも、設定が変更されている。
- 特に秀吉は、性格どころか種族まで変わっている。前作では足軽装束の雄猿だったが、今回は信長激ラブの女の子になった*1。
- システム面の変更
- 敵勢力の当主・重臣クラスにも一般武将と同じ切腹判定が使われるようになった*2。乱数調整の手間を惜しまなければ、各勢力の当主を集めたドリームチームも組める。
- ケースによっては、専用のイベントも用意されている。毛利家で信長を登用すると「こんな地味なやつに負けるなんて納得いかない」と怒り出して謀叛宣言をかますし、信玄が上杉家に下った場合は謙信と信玄の幼少期のエピソードを垣間見ることができる。
- チュートリアルの実装
- 掛け合い形式のチュートリアルが追加され、かなりハードルが低くなった。
- 説明が必要なほど複雑なシステムでもないけど。
- バグフィックス
- 前作は「面白いとかつまらないとか以前に、マトモに遊べない」「敵勢力よりバグの方が難敵」とまで言われたが、今回はなんと目立ったバグ・致命的なバグが存在しない。
- 本来ならば特記するような事項ではない。が、あの酷さを考えると…。
賛否両論点
- 相変わらず腕白すぎる設定の数々
- 桶狭間の合戦に前田慶次が乱入してきたり、ペリー提督が武将として登場したりしている。
- 史実をイメージしたイベントも勿論多数あるが、咀嚼しすぎて原形がなくなっているものも。
- 例えば、有名な「秀吉が信長の足袋を懐で温めたエピソード」が、「乾してあった足袋に顔を埋めクンカクンカしてたのが見つかり、とっさに乳間に足袋を突っ込んで「暖めておきました!」と誤魔化そうとする」というアレな物になっている。
- とは言え、このノリが嫌いなら「実在武将の萌え美少女化」と判った時点で(パッケージを見た時点で)避けるべき作品である。
- 基本システムが前作から変わっていない
- 城攻めが作業、外交の為のコマンドが「同盟」しかない,など,内容はかなりショボい。
総評
前作に比べれば雲泥の差ではあるのだが、単体の歴史ものSLGとしてみると今一つ。
比較対象があるからこそ面白く感じるのであって、そうでなければ凡庸な出来のゲームと言わざるを得ないだろう。
「戦国武将の女性化」という特色に対して抵抗感がなくて、トンデモシナリオが平気なら、ある程度は楽しめるか。
余談
もう一つの移植版『葉隠の乙女、風雲に乗ず』について
- Xbox360版『戦極姫2~葉隠の乙女、風雲に乗ず~』は、本作に先立つ同年6月24日に発売された。
- しかし、同じゲームを移植したにも拘らず,AIがやけにもっさりしているためにクリアまで200時間以上かかると評され,頻度は前作より少なくなったもののブラックホール城も健在。さらには「画面表示では攻撃力が上がったはずなのに実際は防御力が上がっていた」「お金やCPが0からいきなりMAXになった」「一部のキャラに立ち絵が存在せず白い壁が現れる」など、新たなバグも発生するなど、前作の恥の上塗りとなった。