ジャンル | Turn-based action platformer | |
対応機種 | Windows Vist以降 Mac OSX 10.7以降 Ubuntu 12.04以降 | |
配信元 | Devolver Digital | |
開発者 | Tomasz Wacławek*1 | |
配信日 | 2015年6月30日 | |
定価 | 1,280円 | |
判定 | 良作 |
概要
- 忍者のような身のこなしをするバイクヘルムを被った主人公を操り、敵に見つからないようステルスしながら暗殺をこなしていく横スクロールアクションゲームである。
- 英語版Wikipediaで指摘されている通り、同じステルスゲーム『Gunpoint』と類似したシステムを採用しているため,大まかな操作性などはそちらの記事も参照して欲しい。ただし,本作では積極的に敵を殲滅するObjectがあることや、後述する「ターンベースモード」の存在、あるいは逆に『
Gunpoint』に比べパズル性は低いなど、似て非なるゲームである
- 英語版Wikipediaで指摘されている通り、同じステルスゲーム『Gunpoint』と類似したシステムを採用しているため,大まかな操作性などはそちらの記事も参照して欲しい。ただし,本作では積極的に敵を殲滅するObjectがあることや、後述する「ターンベースモード」の存在、あるいは逆に『
システム
- 敵に発見されていない状況では,リアルタイムで主人公を操作し、敵の感知をかいくぐってステルスをしていくことになる。主人公は壁をよじ登ったり、天井にぶら下がったりできる。またワイヤーにぶら下がっての移動,方向転換も可能。
- そしてこちらに気づいていない敵に対しては、暗殺で排除することができる。
- 敵に発見された場合,ターンベースモードへと移行する。
ターンベースモード
- 敵に発見され交戦状態になった場合、ゲーム時間がリアルタイム操作ではなくなり、「主人公側」と「敵側」とのターン性のバトルとなる。主人公の移動方法はジャンプのみとなり、ドアが開閉しなくなるため部屋外へと逃げることができなくなってしまう。
- 主人公がすべての敵キャラの視界から消えると、通常のアクションモードに戻る。
- 白線がこのターンの実際の射線であり,赤の線は次のターンの射線の予測線である。
- 画像右上の敵キャラはおそらく前のターンでPCが見えていなかったために攻撃を行こなっていないようである。
- 画像の下中央の右寄りの敵はPCが見えていないため、攻撃を行わずに増援を呼んでいる。PCが視界に入れば通報を止めてPCを攻撃する。通報には数ターン掛かる。通報を行うのは一般人と上級幹部である。右上のキャラは階級が低いのであろう。
- PCは着地点に敵のいる場所を選んだことで、画面中央の敵を殺害するモーションに入っている。敵の射線の予測線から、おそらく右上の敵のいる場所の床下にフックを掛けたワイヤーアクションで現在の位置へ移動したと思われる。それなら右上の敵が1つ前のターンでPCが見えていなかった理由の説明がつく。
- 次のターンはPCは通報中の黒服の場所にジャンプして黒服を殺せば良い。
。
スキル
- 後述するObjectをこなすことによって得たスキルポイントを使って,新たなスキルを取得できる。
- 一見分かりにくいがスキルツリーとなっており、「剣を投げる」を会得していないと「剣を引き寄せる」や「素手で殴る」を会得できない。「天井から吊るして殺す」を会得していないと「手裏剣フラッシュ」を会得できない等、関連性のわからないものもある。
- 各ステージごとに数個のObjectが設定されており、すべてのObjectの条件を満たしてクリアした場合のみ、スキルポイントが得られる。
- Objectには以下のようなものがある。
- アラームを発生させない。
敵キャラに発見されると、敵キャラは仲間に通報して、結果、ロックアウト状態となる。なお、敵キャラが攻撃可能な範囲内にPCがいる場合は、敵キャラは通報よりも攻撃を優先する。(通信兵は通報を優先する)
ロックアウト状態になると、自動ドアがロックアウトされ、移動が制限される。尚、ロックアウト状態は解除されず、ステージクリアまで継続する。 - 非戦闘員を殺さない。
非戦闘員に見つかってもターンベースモードとはならないが、PCがいなくなると非戦闘員は通報を行う。 - すべての敵を殺す。
もちろん非戦闘員は含まない。
- アラームを発生させない。
- Objectには以下のようなものがある。
評価点
- 敵との交戦を非リアルタイムのターンベースにすることによって、アクションゲームがさほど上手くなくとも楽しめるゲームにした点。ただし敵キャラに見つかるまではターンベースではない為、それなりの技術は必要。
- 死んだ場合にも直前のチェックポイントから再開でき、リスポーンの回数に制限がないなど、リトライが容易である。
- 直前のチェックポイントに入る前にロックアウト状態であればロックアウト状態が継続する。しかし、直前のチェックポイントまではロックアウト状態ではなかったが、死ぬ直前にロックアウトとなっていた場合にはロックアウトでなかった状態から再開できる。
- 死んでいなくても、ゲーム中にESCもしくはXboxコントローラのSELECTキー押下でメニュー画面を開き「load checkpoint」で直前のチェックポイントから、「Restart level」でステージの最初からやり直せる。
- 死んでいないがロックアウト状態になったことが気に入らない場合などにわざと死ぬ手間もなくやり直しが可能である。
賛否両論点
- まれに、敵が「どこを狙っているんだ?」というような明後日の方向を攻撃することがある。1対1の局面で起こった場合、幸運とも言えるのだが……。
- 敵が多い局面では、こちらが今いる位置ではなく、逃げようと思っていた先を射線で塞がれてしまう場面が多い。ターンベースモードにおいてジャンプの着地点を狙われるのは、プレイヤーにとって非常にまずい状況である。
- 敵の攻撃先にランダム性があるため、同じ行動をこちらがしても、敵のほうは毎回同じ展開にはならない箇所が幾つかある。よく言えば展開が異なってくるため再プレイ性があるが、悪く言えば事前の対策が立てづらく詰まってしまう人もいる。
難点
- ボリュームはやや物足りない。
- 『Gunpoint』のようにユーザーがSteamのWorkshopへ投稿したMapが遊べるような機能があればよかったのだが…。
- 全体的に判定が大味。
- ターンベースモードのとき、予測線を確認してからジャンプしたのに障害物に引っかかる、どう見ても当たっていないはずなのに敵の攻撃に被弾する、などの理不尽な判定が多発する。また逆に、被弾したはずなのに当たらなかったなどのこともある。段差や縁に引っかかる事も多く、「被弾=死」のため、人によっては致命的な欠点と感じるかもしれない。
Mac版のみの難点
- Xboxコントローラーフルサポートではなく、左アナログスティックでPCの移動が出来るだけである。
- 但し,WindowsでもXboxコントローラーで操作するよりマウスで操作した方がジャンプをきめ細かく操作できるため、どちらかというとXboxコントローラーを使う方が扱いにくくなっている。
総評
アクションが苦手な方にもお薦めしたいが、本当に苦手な人はワイヤーアクションでガラス窓を破って建物に入ることすら手こずるかもしれないので、さすがにアクション未経験者はお断りである。Windows版の無料のデモをプレイして判断して欲しい。
スキルポイントが溜めにくく、爽快感が得られるぐらいのレベルに達するまでが遠いのを難点ととるか、やりこみ甲斐と思うかでやや評価が割れるかもしれない。