概要
オランダ軍が主に運用した装甲車。

↑オランダ占領後のパレード式典にて登場した秩序警察所属のPz.Sp.Wg 202(h)
諸元
| 制式名称 | L-180 |
| 鹵獲名称 | PanzerSpähWagen L202(d) |
| 主武装 | 3.7cm Bofors*1 |
| 副武装 | 7.7mm Madsen×2*2 |
| 鹵獲元 | デンマーク王国 |
| オランダ王国 | |
| 重量 | 7.8t |
| 全長 | 5.86m |
| 全高 | 2.28m |
| 全幅 | 2.24m |
解説
中立国スウェーデンの企業、AB・ランツヴェルクが開発した装甲車。
同社は1870年代初頭に設立された当時としては歴史ある企業だったが、株の過半数をドイツ企業が所有しており、実態はその兵器開発の隠れ蓑だった。ヴェルサイユ条約による軍事開発の制限をなんとか掻い潜るべく、ドイツは1920年に倒産寸前に陥っていたランツヴェルク社の株を大量に取得して利用した。
開発される車輌はどれも高性能かつ先進的だったが複雑な機構故に高価で買い手はつかなかった。しかし、この性能に目をつけたドイツ軍が新たに装甲車を発注する。これに応えて開発されたのがL-180系統の車輌である。全6輪で駆動する装甲車として完成したL-181は性能的に問題なかったが、ドイツ軍では採用されず、デンマーク軍、オランダ軍が輸入して運用した。デンマーク軍のモデルには特に変更はなかったが、オランダ軍のモデルでは高火力化の要求が出され砲が3.7cmのものとなっていた。これは1940年のデンマーク侵攻/ヴェーザー演習作戦にて鹵獲された。
派生型
PanzerSpähWagen L202(h)
オランダ軍が運用した型。
1936~38年にかけて26輌が購入され、ドイツによるオランダ侵攻の際にはすでに配備されていた。アムステルダム近郊でドイツ軍を邀撃した後、空挺降下したドイツ軍に対して効果的に戦闘を行い、損害を生じさせた。オランダ降伏時に破壊されたものもあったが、大半はドイツ軍によって再度使用された。国防軍で確認できる運用部隊は第227歩兵師団*3、他には警察部隊が見つかる。警察戦車連隊「ミッテ」、第1及び第14警察戦車中隊でも使用されたようだ。
ギャラリー
なし。