ユンと並ぶ機動力に加え、有効レンジが非常に長い蟷螂斬。
どこからでも接近し、どこからでもまとまったダメージとスタン値を奪うことができるキャラなので、ヤンが主導権を握る時間が多くなり、アレックスとしては試合を通して窮屈な思いを強いられることになる。
余計なダメージを受けないために、まずはガードを重視しつつ、こちら側が動ける時間をどうにか作っていくようにしよう。
ヤンの得意レンジ
ヤンと戦う上で(というか、全てのカードでだが)特に重要なのは、相手の得意間合いを知ることだ。ヤンのダメージソースを考えると、密着~屈中K(もしくはEX蟷螂斬)の距離が、最も攻撃力を発揮する間合いであると言える。
それに対し、アレックスがヤンの技のスピードに対応しつつ攻撃力を十分に発揮できるのは密着の場合くらいで、それよりも少し離れてしまうだけで、こちらの技はスピード・攻撃力共にヤンと勝負できるものではなくなってしまう。
例えば蟷螂斬でのラッシュの最中がまさにそれで、フレーム的にはこちらが有利でも、安易な割り込みは出際を叩かれやすく、あまり用を成さない。こうした状況では無理をせず、次のチャンスを待つようにしておきたい。
蟷螂斬について
- ノーマル蟷螂斬
- 使われ方のパターンとしては、屈中Kキャンセル、近立中(強)Pキャンセル、直接、といったものが挙げられる。屈中Kの先端からの蟷螂斬は中・強が用いられるので、ガードすればフレーム的にはアレックスが有利だが、先述のように、ヤンの技のスピードとそこからのリターンを考えると、結局手を出せないというのが実情。かといってその後の連係にBLを狙っても、ヤンはBL方向とタイミングを散らすことに長けており、どうにも不利な読み合いは避けられない。
非常にストレスの溜まる時間帯なのだが、アレックス側の状況打開方法をいくつか挙げてみたい。
なお、蟷螂斬の1段目をガードさせた後、BLを仕込むヤンは非常に多い。誘われて屈中Pあたりを出してしまうと酷い目に遭いやすいので、安易に手を出すよりはバックダッシュで逃げるといった対処にしておきたい。- ブーメランレイドでの反撃
蟷螂斬の2段目ならば、強弱関係なく確定するので、逃さないようにしておきたいところ。中/強ならば1段目にも反撃可能なので、間合いを計りつつ、出してきそうな状況ならば意識しておくのもいいだろう。
ただし、どちらも言うほどには簡単ではないので、失敗してもあまり気にしないようにしておきたい。 - エアスタンピート
大抵の連係は避けることができるのだが、ヤンの横幅及び蟷螂斬の性質上、どうしても下をくぐられやすい。また、例によって様子見やジャンプにも弱いため、こちらとしても少なからずリスクは背負っている。
余談だが、エアスタンピートヒット後に屈強Pで飛び越えようとすると、屈強Pのモーション中にヤンは起き上がってしまう。 - バックJ/バックダッシュ
強蟷螂斬、EX蟷螂斬といった、リーチのある攻撃には引っかかることがあるが、間合いを離すことができる。後ろにスペースがあるならば、これで仕切り直しとしても良い。 - BL(ガードブロッキング)
BLは、再度の蟷螂斬や、屈中Kを読んで狙っていく。屈中Kに対する下BLは、次の蟷螂斬までBLをしてやらなければ大したダメージを与えられない上、下手をすると反撃そのものが蟷螂斬に負けてしまうので、気をつけておこう。
ガードブロッキングは、主に屈中K→蟷螂斬の蟷螂斬部分に狙っていく。もちろん、それなりに難しいので、無理はしないようにしよう。
- ブーメランレイドでの反撃
- EX蟷螂斬
- ノーマル蟷螂斬の性能をはるかに凌駕する、超高性能な突進系必殺技。攻撃力と攻撃判定発生の早さはもちろんのことだが、忘れがちなのがスタン値と突進力。少し離れていても気を抜かないよう、また、連続してこの技を食らってしまわないよう、細心の注意を払いたい。
コンボに用いられてしまう場合にはある程度仕方がないとして、ここでは直接出されやすい場面を紹介してみる。- 6中K→立弱Kキャンセル
ついつい手をだしたくなる6中K後、こちらの反撃を攻撃判定発生の早い立弱Kで潰す連係。技のスピードに難のあるアレックスとしては手を出しにくい連係なので、動いて巻き込まれないようにしておきたい。 - 蟷螂斬で間合いが離れた後
やや離れて弱蟷螂斬をガードした後等、連係が途切れたと思った瞬間に、EX蟷螂斬での突進が突き刺さる。一見射程外と思える距離からでも突っ込んでくるので、油断しないようにしておきたい。 - 手前落ち雷撃蹴→屈弱Kキャンセル
スピードのある雷撃蹴から、突然下段を襲う連係。反応することそのものが難しいため、非常に強力な連係となっている。反応できたとしても、無理に動こうとすると間に合わずに大怪我をしてしまうことが多いので気をつけたい。 - 屈強Kガード後の確定反撃
少し趣旨はずれるが、この場合はアレックスの屈強Kへの反撃として確定している。屈強K自体、出そうとしてもヤンの攻撃に止められたり、ジャンプを合わせられたりしやすいので、この対戦ではやや使いにくいと言える。 - EXスラッシュエルボーをガードされた後
別に反撃として確定するわけではないのだが、ここでアレックス側がバックダッシュ等をすると引っかかってしまう。
この場面でのEX蟷螂斬は多くのヤン使いが思わず出してしまいやすい場面なので、ある程度待ち構えてBLを狙ってやると、良い結果となりやすいはずだ。
この距離でのEX蟷螂斬をBLした場合につき、反撃候補をいくつか挙げておく。
(なお、EX蟷螂斬の繋ぎが最速の場合、近立中Kでは攻撃判定発生前に潰されてしまうことを念頭に置いて読んでいただきたい)- 1段BL→立中P
最も手堅い反撃。ただ、ここからのEXフラッシュチョップは2段目が空振りしてヤンがダウンしない場合があるので、安全にいくならば控えるのが無難だろう。意外にもキャンセルEXエアニースマッシュならばよりヒットしやすいので、ここぞという時にはこちらを用いる。
ここで、キャンセルして出す技をブーメランレイドにすれば、あるいは、EXフラッシュチョップ>ブーメランレイドとすれば、安定した大ダメージの反撃となる。
なお、EX蟷螂斬を1段BLした後、いつものように中Kボタンを押しても、遠立中Kはもちろん、近立中KでもEX蟷螂斬の追加入力に潰されてしまう場合があるので、ここは意識して反撃を選ぶようにしよう。 - 1段BL→屈弱P×2>ブーメランレイド
立中P>ブーメランレイドが難しいと感じるならば、こちらを使う。ごく稀に2発目が届かない場合があるが、ヤンが前進してくるため、大抵は問題なくコンボとなる。 - 2段BL→立中P
1段のみのBL後と異なり、こちらならばキャンセルからのEXフラッシュチョップも2ヒットする。ただし、ヤン側がEX蟷螂斬を最後まで一気に入力していた場合、BLによる時間停止の影響から、2段BL後にいきなりフィニッシュの攻撃(通常ならばEX蟷螂斬の5段目)が繰り出されることがあり、その場合、ヤンの低い姿勢の関係上、立中Pは空振りし、結果としてこちらがダメージを受けてしまう。
(この場合のフィニッシュの攻撃は、蟷螂斬の途中を飛ばしている影響か、屈弱P等の出かかりをも潰すような、最速での攻撃判定発生はできない模様。したがって、立中Pが不発に終わるのは、あくまでヤンの姿勢に原因があると考えられる。)
この現象を避け、安定を求めるならば、通常投げや屈弱Pを用いても良いだろう。
とは言え、BLされても動揺せず、EX蟷螂斬の入力速度を落とさないヤン使いはまずいないので、立中Pや、いっそ1F攻撃判定発生の遅い近立中Kでも、実戦での反撃としては十分に機能するはずだ。 - 2段BL→通常投げ
基本的には2段BLしてしまえば密着になるので、通常投げで割り込むことができる。面倒な入力を嫌う場合は、これで十分だろう。 - ブーメランレイド、EXエアニースマッシュ
これらの技ならば、BL回数を問わない。
(なお、この部分は、ご指摘を頂いたため、加筆修正しました。お返事は、修正画面にてコメントしております)
- 1段BL→立中P
- 6中K→立弱Kキャンセル
地上戦
対ユン同様、それほど丁寧な地上戦が行われるカードではないが、ざっと見ておこう。アレックスvs.ユンの項にもある程度記述してあるので、参照しながら読んで欲しい。
- 屈中P
- これは遠距離でのSAゲージ溜めが目的。あまり気にする必要はないが、EXスラッシュエルボーは潰されやすいので、しつこく出しているようならば、接近して遠立中Kを合わせていこう。
- 遠立強P
- 攻撃判定が強く、リーチのある立ち攻撃。それほど使用頻度は高くないが、うまく空振りさせれば隙があるので、EXスラッシュエルボー等を叩き込めればベストだ。
- 遠立中K
- 攻撃判定の位置が高いので、こちらのジャンプの出掛かりに引っかかりやすい。多少うざったいが、攻撃力は小さいのであまり気にしないように。
- 屈中K
- 蟷螂斬への布石だが、間合いさえ合えばこちらの遠立中Kで潰すことができる。直接のEX蟷螂斬に気をつけながら、うまく蹴ってやろう。
- 百虎双掌打
- 攻撃判定の持続が長いので、対空になったりダッシュやEXスラッシュエルボー潰しになったりする。
戻りの隙は極めて小さいので、無理に反撃するのはやめておこう。
- EX蟷螂斬
- 屈中Kの間合いか、それよりも若干離れた位置から狙ってくる突進技。攻撃判定発生が早いため、こちらの牽制技の出掛りに引っかかりやすい。
どんなにリードしていても、この技を連続で食らうだけで一気にスタンしてしまうので、くれぐれも気をつけておきたい。
- 垂直J強P/強K
- こちらのダッシュやジャンプに対して、あらかじめ置かれる技。特に、空中で垂直J強Pと張り合ってもアレックスではまず勝てないので、できることならばこの行動には付き合わずにおきたいところ。 落ち着いて、歩いて間合いを詰めておけば十分だ。
雷撃蹴の使われ方
これもアレックスvs.ユンを参照しつつ読んで欲しいが、EX蟷螂斬の存在により、ユンと比べて非常に攻撃的な性質がある。低打点雷撃蹴を食らったり、あるいは雷撃蹴後の連係への対処を失敗すると大ダメージとなるので、より慎重に捌きにかかる必要があると言える。
ここでは、対ユンと少し趣向を変えて、雷撃蹴を絡めたヤンの動き方を具体的に解説していく。
- 低打点雷撃蹴>屈弱K(近立中P)>EX蟷螂斬
- 雷撃蹴からのコンボ。雷撃蹴の始動から到達までに比較的時間がかかるので、反応しやすいタイプの雷撃蹴ではあるが、その分、うっかり食らってしまうと大ダメージとなってしまう。
もちろん対空BLで対応するのがベストだが、ガード後はヤンとしても大した連係には移行できないので、厳しいと思ったら素直にガードしても良い。
- 手前落ち雷撃蹴→(屈弱K>EX蟷螂斬)/前方転身
- 先述のとおり非常に反応しにくいが、ある程度読めていれば先に攻撃を(立中P)置いておくのが有効。とは言え、どうしても不意を突かれてしまうことはあるので、もし食らってしまっても、気持ちを切り替えて次に臨みたい。
- 雷撃蹴→雷撃蹴→屈弱K>EX蟷螂斬
- 非常にめまぐるしくヤンが上下するため、どうしてもこちらの情報処理能力が追いつかなくなりがち。始めの雷撃蹴で不意を付かれ、2度目の雷撃蹴で更に慌て、慌てて通常投げや立中Pを出してしまったところに屈弱Kが突き刺さる。
最初の雷撃蹴後に立中Pを出せればよいのだが、焦った挙句通常投げを空振りしてしまうといったケースが多いのではないだろうか。
厳しい連係ではあるが、このラッシュはほとんどのヤン使いに共通のものなので、この展開を事前に繰り返しイメージし、その状況になってもできる限り冷静なままでいたい。個人的にも最も苦手な連係なので、読み切った際には確実に痛い目に遭わせてやりたいところである。
- 高打点雷撃蹴→屈弱K>EX蟷螂斬
- アレックスの投げ間合いギリギリか、もしくは1歩外側に着地するような雷撃蹴、特に弱雷撃蹴から繰り出されやすい。上の選択肢である『再度ジャンプ』の裏の選択肢で、これもヤンが非常に好む行動ではなかろうか。
ある程度食らってしまうのは仕方がない部分があるが、傾向として、弱雷撃蹴後の方が着地後の間合いがヤンにとって都合がよく、その後の連係も攻撃力の高いものが繰り出されやすい(中/強雷撃蹴後は基本的に密着となるため、ガード、ジャンプといった防御的な行動が多用される)。
不意に雷撃蹴を受けると動揺してしまいやすいが、特に弱雷撃蹴後は、できる限り相手の動きを見ていくようにしよう。
- めくり雷撃蹴→屈弱P×3>EX蟷螂斬
- 主に画面端で使われる選択肢だろう。後述の起き攻めの項でも触れているのだが、このめくり雷撃蹴は垂直J攻撃との2択のようになっており、雷撃蹴そのものを叩くことは難しい。
雷撃蹴後は主に屈弱P連打へと繋げられるのだが、この技の攻撃判定発生は早く、また連射速度も非常に速いため、まごまごしていると途中から食らってしまいやすいのも厄介だ。
ただ、雷撃蹴後の繋ぎはタイミングが一定になりやすいので、覚悟を決めて1段目にBL(ガードブロッキング)を狙っていくのも良いだろう。
稀に屈弱P1段から等、前方転身へと連係されることも考えられるので、臭い場面では警戒しておきたい。
- めくり雷撃蹴→前方転身
- 上のものの裏の選択肢だが、上のものがあまりにも強力なので、こちらに対応するのは非常に困難なのが現実ではなかろうか。ただ、この場面では前方転身よりも打撃が多用される傾向があるので、上のものを優先的に警戒しておこう。
なお、垂直Jで前方転身を避けたとしても、こちらのJ攻撃はヤンの硬直には間に合わないので、気をつけておくこと。
EX蟷螂斬はヒット後の状況が良く、またスタン値も非常に高いので、ヤンは一気に相手をスタンさせる能力に長けている。これは相手がアレックスであっても例外ではなく、どんなにリードを奪っていても一瞬にして試合をひっくり返すことができる。
そのため、状況にもよるが、雷撃蹴での接近を許すことは、対ユンの場合よりも危険であることが多い。その反面、幻影陣のように、SAゲージさえあればダメージを奪うことができるというキャラではないので、最初の接近ポイント、すなわち雷撃蹴さえうまく捌けば、ヤンの長所のほとんどを封じることができる。
ファーストコンタクトこそが勝負の分かれ目、十分な緊張感を持って雷撃蹴に臨んでいきたいところだ。
なお、ヤンのJ攻撃として、雷撃蹴の他にJ中KTCが挙げられる。
ヤンが雷撃蹴を出さないことを確認できたならばこれを出してくる可能性が高いので、対空BLを狙うのもいいだろう。打点にもよるが、2段目のBLは遅いタイミングになりやすいので、あらかじめイメージしておきたいところだ。
ヤンの対空行動
試合の構図としてどうしても飛び込まれる展開が多いが、チャンスがあればこちらも飛び込んでいきたい。ヤンは対空行動としてそれほど強力なものは持たないが、機動力が高いため、なかなか思うように飛び込みは成立しにくい。
ここでは、アレックスの飛び込みに対するヤンの対処法をいくつか解説してみたいと思う。
- 屈強P
- アレックスの真下あたりにもぐりこんで出される対空技。ダメージは小さいものの、ヤンが非常に小さくなる上に攻撃判定が上方向に広いので、なかなかこちらのJ攻撃で潰すことはできない。空中BLしたとしても状況はよくないので、これを出されるようなタイミングで飛んでしまったことを失敗と捉えた方が良い。
- 屈中K
- ヤンは歩行速度が速いので、後退しつつ着地にこの技を合わせる、という選択肢が強力。一応、ばっちりのタイミングでJ中Kあたりを出せば届くこともあるが、リターンが小さい割にリスクは大きいので、この間合いになってしまうと判断した場合には、J攻撃を出さずに着地した方が無難。
一応、着地に下BLを置いておくのはそれなりに有効。BL成功時は、続けて出される蟷螂斬も必ずBLしてやろう。
- 対空BL
- 対ヤンでは、ヤンの伸長の関係上打点をずらし難いため、非常に対空BLを取られやすい。とは言え、対空BLをするということはこちらの飛び込みに付き合ってくれているということでもあるので、こちらとしては着地投げを混ぜる等して、的を絞らせないようにしたい。
- 潜り
- 歩行速度の速いヤンが得意とする行動。蟷螂斬での突進が、たまたまこの形になることもある。アレックスとしてはもちろん危険な状況なので、ガードを最優先にしておきたいところだ。
一応、下段が狙われやすいので下BLが機能する場合もあるが、そううまくいくことは少ないので、あまりお勧めできない。
- 垂直Jでの対応
- 主に垂直J強Pが使われるが、先述のように攻撃判定発生が早いため、空中で勝つことは非常に困難。もしもヤンが飛んでいるのを確認できたら、うまく空中BLしてやりたい。
起き攻め(着地攻め)の仕掛け方
ヤンは体力に不安を抱えているため、アレックスの起き攻めが決まれば、一気に勝負がついてしまうことも多い。反面、QSした場合の起き上がりが早く、また起き上がり時の通常技での暴れも強力なので、下手な攻め方をするとカウンターをもらいやすい。
対ユンや対春麗同様、通常投げ後に前ダッシュしても起き攻めには移行できないこともあり、ここはヤンの起き上がり時の選択肢を頭に入れつつ、効率的に攻めを仕掛けてやりたいところだ。
(参照アレックスvs.ユン)
- ヤンの投げ間合いの外で下BL(→前BL)しつつ、近立中K/通常投げ/立弱K
- ユンは、下BLされない技で起き上がりに向く技が少ない(近立中Pくらい)が、ヤンには(近中P>)EX蟷螂斬があるため、対ユンよりも危険度は高くなってしまっている。とは言え、チャンスを作ることそのものに苦労する対戦なので、ここは是非強気攻めたいところだ。
- 近立中Kを重ねる
- これも対ユン同様の内容。強引に暴れようとする相手や、ジャンプで退避しようとする相手を封じるタイミングで出せれば理想的だ。
- ガード/ジャンプ
- あまりにも対ユンと同じ内容が増えてしまいそうなのであえて別のものを書いてみる。
ヤンには相手の起き攻めに対して確実なカウンターを取ることのできる転身穿弓腿があるため、勝負どころでは警戒しておく必要がある(EX穿弓腿もそれなりに強いので、これも警戒したい)。
ただ、SAゲージの状況や試合展開を考慮すれば、他のキャラの無敵技よりも、出しどころは読みやすい部類ではないかと思われる。傾向として、やや攻撃的な読みをするプレイヤーが多いので、SAゲージがチャージされている場合には気をつけておきたい。
他の部分では、やはり対ユンの項と内容が重複する部分が多いので、そちらを参照して欲しい。EX蟷螂斬の存在により、起き上がりの暴れの危険度が上昇しているので、その点には気をつけておこう。特にこちらのスタン値が溜まっている場合等では、起き上がりBLや強引な暴れから一気にスタンさせようとしてくる相手が多いので、対ユン以上に慎重に攻めていくこと。
ヤンの起き攻め
蟷螂斬のリーチにより、比較的安全な距離から仕掛けることが可能なヤンの起き攻め。スタン値と攻撃力も十分な上、ヒット時の状況もよく、うっかりループされると一気にスタンに追い込まれてしまう。
正直なところ、ここでヤン側の選択肢を挙げ連ねたところでその脅威を説明できたことにはならず、問題はそれを有機的に繋げるプレイヤーのセンスであり、蓄積されるスタン値なのだが、一応、一通りは触れておくことにする。
ヤンが相手を一瞬にしてスタンに追い込む動画は多く残っているので、イメージが湧かない人は探してみて欲しい。
- 屈弱K×3>EX蟷螂斬
- うざったい下段攻撃。横幅の広いアレックスには屈弱Kが3回当たるので、なかなか動くことができない。が、この3ヒット確認を使ってくるヤン使いは、思いのほか少ない。
- 屈中K>蟷螂斬
- 一歩後退しながら、アレックスの通常投げの空振りや屈GDを叩く行動。リバーサルブーメランレイドにしろ、リバーサルBLにしろ、こちらの攻撃力はあまり発揮できないのが厄介なところだ。
これといった対処法はないので、ガードできればまずは良しとしておこう。
- 近立中P→立弱K>EX蟷螂斬
- 下BL及びエアスタンピート対策のコンボ。EX蟷螂斬までガードした後は再度EX蟷螂斬に連係されることもあるので、気を抜かないようにしておこう。
- 前方転身
- 打撃があまりに強力なだけに、なかなか回避しにくい。一応、アレックスが画面端を背にした状況でなら、バックJで避けつつJ強Pからのコンボが確定しやすいので、強気にジャンプしていくのも悪くない。
- リープアタック→立弱K>EX蟷螂斬
- リープアタックをこちらの起き上がりに埋め込むように出し、立弱Kを繋げる中段始動のコンボ。それほど多用はされないが、一応知っておきたい。
- 一歩下がって近立中K
- 主に画面端で使われることが多いのではなかろうか。
最近はこの近立中Kをうまく当てることが、ユン・ヤン使いの間で流行っている感がある。起き攻め以外でも、画面端にアレックスを追い詰めた状態で、つかつかと前進してこの技を出してくるパターンもあるので、気をつけておこう。
- 近立強P
- 1段目と2段目の間隔が短いため、1段目をBLしただけでは通常技での反撃ができない。
が、ここに投げで割り込むことは可能なので、アレックスとしてはそれほど厄介な攻撃ではない。アレックスを画面端に追い込んだ状態でしばしば使われるため、反対側に投げて一気に畳みかけよう。
- 屈中P→前方転身
- 屈中Pのノックバックは小さく、この技の後は前方転身の射程内となる。ある程度見切りやすい連係ではあるが、近年の本命はこの下の選択肢。ここは無理に対応しない方が無難だ。
- 屈中P→近立強P/近立中K
- 上と対になる選択肢。最近はこの連係が非常に流行しているように思われるがいかがだろうか。これ一辺倒の相手も多いので、屈中P後は強気に前BLで割り込んでも良いだろう。
- 雷撃蹴絡みのフェイントから
- めくり雷撃蹴、手前落ち雷撃蹴、飛び越えるためだけの雷撃蹴といったものを駆使しながら、隙を突いて下段攻撃、屈弱P連打、前方転身を狙う。エアスタンピートの溜めが解除されてしまうのも辛いところだ。基本的には上述の内容と重複するので、そちらを参照して欲しい。
- 垂直HJ→めくり雷撃蹴orJ強K等
- 主に画面端で使われる行動で、こちらのリバーサル行動を牽制しつつ、ガード方向を揺さぶる攻め。雷撃蹴のスピードとHJの軌道から、どちらを出されるかが直前まで分からないのが嫌らしい。最後までヤンの動きを見て、ガード方向を間違わないようにしておきたい。
なお、これらをガードした後も当然相手のターンなので、気を抜かないようにしておきたい。
- EX蟷螂斬ヒット→J中K→前方転身
- よく使われる連係なので、EX蟷螂斬の後でJ中Kを被せてくるようならば、次の前方転身を一点読みしてもいいだろう。
この連係に対しては、大抵は一歩下がって前方転身を空振りさせることもできるし、打撃で割り込むことも可能だ。
ヤンの起き攻めに対するこちらの対処法についてだが、これが非常に難しい。BL方向を絞ることもできず、かといってガードだけでは前方転身に対応できない上、ブーメランレイドやBLで対処するにも、攻撃力を十分に発揮することが難しい場合が多い。
結局のところ、やはりガードが手堅い。ガードでしのぎつつ、それを崩しに来るタイミングを計って読み合いに応じていくようにしよう。
なお、再三触れているように、蟷螂斬はヤンにとってはセットプレイの始点でもある。この後の展開に関しては上級者ほど多彩に用意されているので、彼らのタイミングを崩すためにも、時にはQSを取らないことも重要だ。
その他、気をつけるべきこと
- 屈状態への立弱K>ブーメランレイドはヒットしにくい
- 対ユン、春麗、エレナといった相手と同様、屈状態にブーメランレイドをヒットさせると、間合いが離れやすい。よく起こるのが、ヤンの屈中KをBLしてから立弱K>ブーメランレイドで反撃しようとした場合で、非常に都合が悪い。ここは次に蟷螂斬が出されることを見越して、前BLまで仕込んでおき、その後反撃するのが正解となる。
なお、屈弱P×2>ブーメランレイドというコンボも、この対戦では立ち状態の場合のみに絞って使うか、導入部分を近立弱P>屈弱P、あるいは近立弱P×2としておこう。
- 屈状態への近立中K>EXフラッシュチョップがヒットしにくい
- EXフラッシュチョップが空振りになりやすい。この空振り時に何かされるということは非常に少なく、むしろこちらの投げが不意を突く連係になったりするが、気をつけておくに越したことはない。近立中Kのキャンセルを若干遅らせることで多少改善されるので、気になる人はやってみて欲しい。
- 下BL後は前BLも狙う
- ヤンの下段攻撃には、かなりの確率で蟷螂斬が入力されている。こちらの近立中Kの間合い、あるいは立弱K>ブーメランレイドが成立する間合いであればこれらの下段攻撃に直接反撃を狙っても良いが、そうでない場合には、より大きな反撃を叩き込むため、またせっかくの反撃を蟷螂斬に潰されるのを防ぐために、次の蟷螂斬へのBLを狙うようにしたい。
屈中(弱)Kの先端部分を下BLした場合等、これを行うと行わないとでは大きな差が出てくることがあるので、是非マスターしておこう。
- よくある連係は覚えてしまうのが一番
- ヤンの動きはあまりにも速く、目で追って対処することが非常に難しい。
ただし、ヤン側が毎回考えて動いているかというとそうでもなく、実はヒット率の高い連係を繰り返しているケースが多い。
上でよくある連係をいくつか紹介しているが、特に多用される傾向があり、且つ危険なのが、
『雷撃蹴→雷撃蹴→屈弱K』『弱雷撃蹴→屈弱K』『EX蟷螂斬ヒット→J中K→前方転身』
といったところだ。確かに強力な連係なのだが、事前に来ることが分かっていればそれなりの対処は可能なので、繰り返しイメージしておきたい。
このカードでは、アレックスは自分で攻めのターンを作ることが難しいので、こうした場面で大きなダメージを奪うことが特に重要となってくる。相手の得意連係を利用させてもらって、勝利をもぎ取ろう。
21FEB2008時点。追記予定あり