アレックス(ALEX)/アレックスvs.ユン

Last-modified: 2009-02-17 (火) 14:48:24

 3rd界随一のスピードに加え、どこからでもダメージを奪うことのできる幻影陣。
 焦れば焦るほど相手との距離は遠くなり、無理に近づこうとして生まれた隙に、相手の技が突き刺さる・・・。
 そんな典型的な負けパターンにはまらないためにも、常に冷静さだけは忘れないようにしておきたいところ。相手としても体力が少ないという弱みを持っているので、こちらの重い一撃を丁寧にヒットさせていこう。

相手との距離の縮め方

 この対戦の構造として、機動力に優れたユンは、こちらが攻撃力を発揮できる間合いに入らずアレックスを倒すという方針で臨んでくる。もちろん、時には飛び込んだりもしてくるが、そういった攻めの行動は決して本命ではないので勘違いしないようにしたいところ。
 まずは、距離をとってこちらの動きを観察しつつ、SAゲージを溜めているユンに対しての接近方法について考察を加えてみる。

ユンが地上にいる場合
 ユンは、こちらの前ダッシュの距離よりも1歩離れた位置を最低ラインとして、そこよりも離れて屈中Pを振り、ゲージを溜めるのが基本戦術。この状況でただひたすらゲージ溜めに専念してくれるなら問題ないのだが、ユン使いとしてはこちらの様子を見つつ、接近を刈り取るための罠を用意しているはずだ。
 そのいくつかを紹介してみよう。
  • 距離が近い場合
     アレックスの前ダッシュの1歩外あたりの位置にいるユンは、まず間違いなくアレックスの前ダッシュを見ている。ここでのユンは、前ダッシュに反応して屈中Kを出していくか、事前に虎撲子を出しておくか、あるいはバックJで退避するかといったものがポピュラー。
     この位置は飛び込むにしては若干遠く、少し後退されるだけで機能しなくなってしまうので、とりあえず歩いて距離を詰めるのが無難。
     (EX)スラッシュエルボーは、反応されて屈中Kが刺さるということはないが、虎撲子には歯が立たず、かといって虎撲子の空振りを確認して出していくというのもシビア。ただ、ガードされた場合に反撃を受けるわけではないので、前BLには気をつけつつ、悟られにくいポイントで出していこう。
     なお、こちらの接近に対して6強Pを当てに来ることも考えられる。できればBL、最低でもガードするようにしておきたいところだ。
  • 距離が遠い場合
     では、もう少し距離が離れ、画面半分~1画面分といった距離ではどうだろうか。
    さすがにここでは前ダッシュで接近して良いのだが、危険なのは、こちらの前ダッシュを見越して出される中鉄山靠だろう。特に、バックダッシュorバックJ→中鉄山靠という動きが手癖になっているユンも多いので、気をつけておきたい。
     なお、ここでのEXスラッシュエルボーは2ヒットせず、また強スラッシュエルボーは反応されやすいので、使いにくくなってしまう。
ユンが空中にいる場合
 垂直J(あるいは垂直HJ)しつつ、こちらの動きを見るというものもよくあるユンの牽制手段だ。ユンは空中を漂いつつ、時折雷撃蹴を繰り出してくるため、うかつに前ダッシュすると引っかかってしまい、出鼻を挫かれてしまう。
 この垂直Jについてはそれほど有効な対処法はなく、やはり相手の動きを見ながら歩いて距離を詰めるというのが、基本的な方針となる。
 余談だが、ユン&ヤンは垂直HJの軌道が特殊(少し後退する)なので、相手との距離を測り違えないようにしておきたい。
 
 接近する際のポイントとしては、ユンがアレックスを見るのと同じように、アレックスもユンをしっかり見ておくということで、具体的には、中鉄山靠と雷撃蹴を優先的に警戒し、できればBLしておきたい。
 特に、鉄山靠は出したくなる距離がある程度決まっており、臭い間合いに入ったら集中して待つ時間を設けることも重要だ。対戦経験を積み、間合いに関する感覚を養っておきたい。
 雷撃蹴は角度やタイミングも様々なのだが、コンボに繋がるような打点は限られているので、ここはリターンを重視して、強気にレバーを前に入れていこう。再三歩いて接近することを勧めたが、こうしたBLをいつでも狙うことができるのは歩きならではのメリットと言える。画面をよく見ながらユンを追い込んでいくようにしたい。
 なお、先述のようにEXスラッシュエルボーはガードされても通常は反撃は受けないのだが、ユンはジャンプでの牽制が多いため、今ひとつ噛み合いにくい。他の対戦のようにアバウトに出していくのではなく、ある程度狙いを定めて出していくようにしておきたい。

地上戦

 ユンと地上で牽制合戦をすることはあまりないのだが、一応解説を加えておきたい。ユンが使用する技を挙げながら、見ていこう。

屈中P
 これはほぼSAゲージ溜めの意味しかない。ある程度近づいた後も振り回しているならば、遠立中Kあたりを合わせてやろう。
屈中K
 こちらのダッシュや踏み込みを警戒して置いておくパターンと、一歩進んでヒット確認しつつ当ててくるパターンがあるが、そのどちらに対しても、こちらは遠立中Kを合わせて問題ない。屈中Pでもいいが、多少間合いの調整が難しくなる感がある。
遠立中K
 リーチがあり、またジャンプ防止技となっていることが、アレックスとしてはやりにくいところ。何かと引っかかってしまいがちな技だが、ダメージは低いので、あまり気にしないようにしておきたい。
 他の立ち攻撃もそうだが、一度でもBLに成功すれば4強P等で大ダメージを狙うことができるので、出してくれたらありがたいくらいに考えておいてもよい。
遠立強P(K)
 リーチのある強攻撃で、動いたところに当たるような感じで出されることが多い。
 これに対しては、空振りさせてEXスラッシュエルボーというのが理想だが、そもそも隙が大きめの技なので、食らうことがなければそれで十分。
 これを多用してくるようならば、飛び込みや空振りへの反撃等、十分にこちらもダメージを与えるチャンスがあると言える。
6強P
 非常にリーチが長く、威力が高い上に相手を後方に吹き飛ばす強力な技。ただし、遠立強P以上に隙が大きいので、空振りさせてしまえばチャンスとなる。
 なお、この技は反応してBLすることも何とか可能なのだが、この技を待つことに固執して別の技を食らってしまうことのないようにしたい。もしBLできたならば、強フラッシュチョップすらも間に合う程に隙が大きいので、何らかのダメージを与えておくこと。
虎撲子
 攻撃判定発生が遅いものの、攻撃の持続が長く、更に判定も超強力と、なかなか厄介な技。こちらの牽制は全て吹き飛ばされる上に飛び込みや前ダッシュへの牽制にもなっているので、使い方によっては非常にうざったい。
 とは言え、特別リーチがある技ではないので、出されてもあまり気にせずに、その間に一歩踏み込むくらいの心構えでいて問題はない。
 なお、攻撃判定の終了を狙ってのEXスラッシュエルボーは難しいので、無理に狙わないようにしておこう。
鉄山靠
 中鉄山靠に関しては、先述の通り積極的にBLを狙っていくのが理想で、出してきそうな場面では常に警戒しておきたい。こちらの牽制にタイミングが合ってしまうと、ユンの姿勢の低さによって多くの場合は潜られてしまうので、それを防ぐためにも、怪しい場面では様子を見るようにしておこう。
 また、意外と厄介なのが弱鉄山靠で、攻撃判定発生の早さを活かし、近距離で多めに混ぜてくるプレイヤーも多い。これに反応してBLするのは至難の業なので、よほど読めている場合以外はガードできれば良しとしておく。
 なお、鉄山靠は、BLしてしまえば弱であっても中フラッシュチョップが間に合うので、反応が間に合うならばヒットさせておこう。もちろん、場合によっては幻影陣へのキャンセルを読んで、近立中K等にしておくことも重要となる。
 余談だが、虎撲子空振りからこの弱鉄山靠を出すことが手癖のようになっているプレイヤーも稀にいるので、一応、気をつけておきたい。
垂直J強P/強K
 地上で出す技ではないが、こちらのダッシュやJに対する牽制として厄介な技。特に垂直J強Pは攻撃判定発生が早いため、アレックスの空中攻撃ではどうにも分が悪い。
 こちらが焦って突っ込んだところを狙う行動なので、相手にせずに踏み込んで距離を縮めてやろう。

雷撃蹴対策

 ユン・ヤン対策として避けて通れないのが、空中から急滑降してくる雷撃蹴への対応だろう。非常にスピードが速いので、反応することすら困難な場面も多いが、いいようにやられることだけは避けたいところだ。
 まずは、基本的なことではあるが、雷撃蹴の威力は小さいことを頭に入れておきたい。
 また、ユンはヤンと違い、雷撃蹴をヒットさせたとしても着地後にTCにさえ繋がらなければそれほど大ダメージとはならない。
 こうした性質をしっかり頭に入れて、過度に恐れず、落ち着いて相手の動きを見ていくようにすることが大切だ。ある程度は強気に対応していって、危険な雷撃蹴とそうでない雷撃蹴を見極めるだけの経験を身につけよう。

 ここでは、非常に大雑把だが、雷撃蹴の打点を三つに分けて、その後の展開と合わせて解説を加える形を採ってみる。

低打点雷撃蹴
 あわよくば着地後にTCへと繋ぐことを目的とした、ユン側にとって最もリターンが大きい打点。しかし、ヒットするまでに時間がかかるため、こちらとしても反応しやすいことも事実。
 できることならばBLを狙って、立中P>EXエアニースマッシュ等を叩き込んでおきたい。
あるいは、雷撃蹴のタイミングを読んで、立中P等をあらかじめ置いておくのもよいが、多少動きがぎこちなくなってしまうのは否めない。
 もしガードしてしまった場合には、ほぼ間違いなく継続して打撃へと連係されるので、まずはガードを固めておくのが無難だろう。
手前落ち雷撃蹴
 当てると見せかけて、するりと手前に着地するパターン。雷撃蹴というとつい当たることを想定して対応したくなるので、着地後のユンの行動にもなかなか対応しにくい。
 着地後は投げはもちろん、近立弱PTCや近立中K、前方転身、近立中P、屈弱Kといった手痛いものが揃っており、大ダメージに繋がりかねない。
 近年流行のVスラッシャー(手前落ち雷撃蹴→EX二翔脚)もこの一種と言える。勝負どころで痛い目をみた経験のある人も多いのではないだろうか。
 対策としては、着地前に立中Pあたりを置いておくか、着地に反応して投げを出すかといったものとなるが、やはり言うほど簡単ではないのが実情だろう。絶妙のタイミングでこうした雷撃蹴を出されたら、気持ちを切り替えて次に備える潔さも必要かもしれない。
 ただ、考え方を変えると、この当て方の雷撃蹴は出されやすい場面が決まっていることも事実。終盤の緊迫した場面、BLされると試合が終わってしまうケースではユンとしてもなかなか雷撃蹴を当てに来る勇気はなかったりするからだ。読み切ってやれば、着地の隙に大きな反撃を入れることができるはずなので、勝負どころでは読みを働かせていこう。
 なお、若干離れた位置に着地した雷撃蹴からの選択肢として、弱鉄山靠を出してくるプレイヤーがいる。着地に合わせてうっかり屈中P等を出してしまうと潰されてしまい、その後は幻影陣コンボが待っている。この位置に着地した雷撃蹴後は再度の雷撃蹴が考えられることもあり、敢えて手は出さない方が良いと思われる。
高打点雷撃蹴
 最後は、アレックスの胸から上あたりに迫ってくる雷撃蹴の当て方について。
 ヒット時にコンボに繋ぐことができないので、ユン側のリターンは比較的小さい。ならば使わなければよいようにも思われるが、画面端から中央に折り返す場合など、ユンとしては使わざるを得ない場面が存在している。
 この雷撃蹴は、上述のように危険度は小さいものの、発生からヒットまでの時間が短いため、こちらとしては反応が難しい。
 本当に頭上から降り注ぐようなものもあれば、前方から飛び込んできて高めに襲い掛かってくるようなものもあり、画一的な解説には適さないのだが、できる限りこの雷撃蹴をガードしたor食らってしまった場合の展開を考えていきたい。
  • ユン側の行動①:垂直J
     中/強雷撃蹴が高打点で当たった場合に最も多いと思われるパターンで、この後は再び雷撃蹴で着地しようとするプレイヤーが多い。雷撃蹴を受けるとつい投げを連打するプレイヤーが多いため、こうした回避&再攻撃の選択肢が人気となっていると思われる。
     こうした雷撃蹴を受けたら投げで暴れる、というのは確かに有効な場面が多く、決して間違いではないのだが、こうした状況に慣れているユンは、こちらの手癖を利用してカウンターを狙ってくる場合がある。
     ここで個人的によく使うのが立中P>EXエアニースマッシュで、垂直Jという行動が人気であるがゆえに、ヒット率はかなり高い。強引な選択肢ではあるものの、立中Pの攻撃判定発生が早いため、ユンが他の行動をとっていたとしてもそれを刈り取ってくれる場合も多い。
     もちろん、リスクが気になる人は、立中Pで止めておいてもよいだろう。
  • ユン側の行動②:投げ
     若干距離が残った場合には前方転身が、中/強雷撃蹴が高めに当たった後等、至近距離となった場合には通常投げが出されやすい。
     まず前者の場合だが、やや離れた位置からの弱雷撃蹴後にしばしばこの距離となる。雷撃蹴の当たるタイミングが、こちらの想定と若干ずれているために一瞬戸惑ってしまいやすく、対応が一歩遅れてしまいやすい。
     結果、気がつけば投げられてしまったり、あるいは無理に動いたところを後述の近立弱PTCに潰されてしまったりしやすい。対応が遅れたと感じたら、無理に動かずにガードを固めてしまうのが手堅いと言える。
     対策としては、反応できさえすれば、①と同様に立中Pをすぐに出すというのがある程度は有効で、前方転身の攻撃判定発生前に攻撃を仕掛けることも可能。
     他には、一撃必殺狙いでHJC強フラッシュチョップも面白い。仮に近立弱PTCがきても、避けながらのヒットが期待できる。あるいは、ここぞという場面では、ブーメランレイドで強引に切り返してしまうのもいいだろう。
     次に後者についてだが、これはユンとしては、ほぼ完全にGD狙いと言える。密着となる上にアレックス側が先に動き始めるため、ユンとしてもダメージを最小限に抑えるための行動以外はとりにくいところだろう。
     ただ、『前BLを仕込みながら投げを入力しておけば、ダメージを受けることはほぼない』という具合に、完全に割り切った上でこうした雷撃蹴を躊躇なく使ってくるプレイヤーもおり、そういう姿勢で臨まれると意外と嫌らしいことも事実。こうした相手に対しては、できる限り早く投げてしまう(相手が着地で硬直している間に投げを成立させる)か、雷撃蹴の出しどころを読んでのBLでダメージを与えてやりたいところだ。
     なお、稀に、ここでSGGKを狙ってくる相手がいることも一応知っておこう。
  • ユン側の行動③:(前BL仕込み)近立弱PTC/近立中K
     非常にリターンが大きい選択肢。よく使われる場面は、前述のような弱雷撃蹴後等、こちらの投げ間合いギリギリの位置に着地してからというものか、本当に真上からガード方向を惑わすように雷撃蹴で降りてきた後(着地後の近立弱PTCのガード方向も間違いやすい)といったところ。
     再三言うように、絶妙のタイミングでこうした行動を仕掛けられてしまうと対応が遅れやすいので、無理に動こうとしても大怪我に繋がりやすい。危ないと感じたら、防御に専念しよう。
     なお、高打点雷撃蹴後の展開は、中/強雷撃蹴よりも、弱雷撃蹴スタートの方が危険度が高い傾向がある。ユンにとって着地後の間合いが都合が良いものとなりやすく、またアレックスとしては反応もしにくいからだ。こうした雷撃蹴の危険性は対ヤンでも同様なので、早いうちに対処できるようにしておきたい。
     毎回雷撃蹴でいいようにやられてしまうという人は、とりあえず弱雷撃蹴、あるいはその後の展開に気をつけてみるのもいいだろう。特に、弱雷撃蹴が有効に機能するのはアレックスの頭上を取った場合なので、頭上を取られた際に集中して警戒すると良い。絶招歩法や二翔脚後の飛び込みは、注意すべきポイントだ。
     
     以上、非常に抽象的な解説ではあるものの、雷撃蹴への対応を述べたが、ここに記さなかったものとして、主に画面端でこちらの起き上がりへと出されるめくり雷撃蹴がある。
     タイミングが分かりやすいものであれば、レバーを画面端方向へ入れて対空BLを狙っていけばよいが、失敗時の被害は大きいので、自信のないときはガードし、その後の読みあいに備えよう。 ガードした後は相手のターンが継続するが、そこは割り切っていくしかないだろう。
     また、雷撃蹴後のこちらの選択肢として、BL(前入力メインか)がある。投げへと連係されたら仕方が無いとして、近立弱PTCや近立中P、近立中Kといった選択肢に対して威力を発揮する。ただし、雷撃蹴からの繋ぎが早く、ガードブロッキングになってしまうような場面ではあまりにも危険なので、無理しないようにしたい。
     

 なお、上でも少し触れているが、雷撃蹴の打点そのものに対して先読みを働かせておくのは非常に重要な考え方で、要するにここは高打点、ここは手前落ち、という具合に決め付けて対応していくのである。現実問題として、襲い掛かってくる雷撃蹴を見て、この雷撃蹴にはこう、この雷撃蹴にはこう、という具合に的確に対処することが難しいため、ある程度的を絞ってやろうという考え方である。
 試合状況や直前の展開、使い手の癖等、様々な情報を活用して相手の雷撃蹴の軌道を考えていけば、ここぞというところで大ダメージを与えられるかもしれない。
 こうした攻撃的な読み方は様々な場面で応用できるので、是非取り入れてみて欲しい。

その他のジャンプ攻撃に対して

 ユン側としても毎回雷撃蹴で飛び込んでいてはさすがに読まれてしまいやすいので、多少は他の選択肢を混ぜてくる。もちろん、雷撃蹴の裏の選択肢としての意味合いが強いが、場面によっては決め手になってしまうことも事実。
 緊迫した場面ほどこうした行動を取ってくるユン使いは多いので、まずはどのような選択肢があるのかを頭に入れておきたい。

J強P/中K
 他のキャラならばごく普通の飛び込みだが、雷撃蹴があるユンにとってはフェイント的なポジションとなる。
 着地後は立弱Kを出してヒットを確認しつつ弱絶招歩法へと繋ぐか、あるいは近立弱Pターゲットコンボを出していくかといったところがポピュラーで、稀に前方転身へも連係される。雷撃蹴へのBLを狙っていると対処できず、意外と嫌らしい。
 基本的にはこちらの屈強P等で迎撃することが可能なのだが、雷撃蹴の存在により、なかなか出しにくいところだろう。
 この技も、試合の終盤に出されることが多い傾向があるので、ある程度読みを働かせるのも悪くない。
J弱PTC
 対空BL対策として多用される選択肢だが、2段ともBLしてしまえば(場合によっては1段BL後に割り込むことも可能)立中P>EXエアニースマッシュ等を叩き込むことができる。
 雷撃蹴に次いで多用される行動なので、常に頭に入れておきたいところだ。
空ジャンプ投げ
 緩やかなユンのジャンプでこういった行動は本来行いにくいのだが、やはり雷撃蹴を意識していると反応しにくいものとなってしまう。
ただ、ユンの着地後の攻めとしては通常投げくらいしか適当なものがないので、さほど恐れる必要はない。
EX二翔脚
 ユンの基本戦略からはありえないと言ってもよいものだが、最後の最後でこれを出すことのできるプレイヤーも存在する。

こちらの起き攻め(着地攻め)について

 厳しい相手に対してはダウンを奪って一気に起き攻めで倒す…と言いたいところなのだが、ユンのQSでの起き上がりが非常に早いので、画面中央では起き攻めを仕掛けることそのものが不可能となってしまいやすい。だからこそ、EXスラッシュエルボー後や空中戦で勝った後、QS不能技をヒットさせた後などには、画面中央であってもプレッシャーをかけておきたいところだ。
 なので、この項では、こうした技をヒットさせた後、及び画面端でダウンを奪った後の攻め方について記述していくことにする。

ユンの投げ間合いの外で下BL(→前BL)しつつ、近立中K/通常投げ/立弱K
 対ユンの本命の起き攻めパターンは、恐らくはこれであると思われる。
 特に、ユンがQSを取ることができる場合には、屈弱K>弱絶招歩法屈GDといった行動が多用されるため、それらに対して完全な対策であるという意味で、重要な役割を果たしていると言える。
 更に、屈状態にはEX二翔脚もヒットすることがないので、安全性も高く、ユン側としてはなお嫌らしいはずだ。可能ならばで構わないが、ここでの近立中KはSGGKを用いてもよいだろう。
 なお、こういった起き攻め方法は、対ヤンや対春麗といった、起き上がりが早く、通常技の攻撃判定発生も早い相手との試合には必須なので、是非ものにしておきたい。
近中K
 上の選択肢と形は似るが、ジャンプで逃げようとする相手を封じるように出せれば理想。
屈弱K→EXフラッシュチョップ
 ユンは隙あらば空中に逃れようとしやすいので、こうした高威力のジャンプ防止策を多用していくのがお勧め。この場合の屈弱Kには、キャンセルをかけない方がヒットしやすいのではなかろうか。
 もちろん、屈弱Kの後に投げへと連係させる有効も見せておくと、なお効果的だ。
QSをとる相手を前ダッシュで踏み越えて~
 別箇所でも解説済みだが、近距離で屈強PやEXスラッシュエルボーをヒットさせた後に狙うことができるトリックプレイ。
 相手としてもここで暴れるという行動はとりにくいので、強気に攻めていこう。

 
 これら以外にも、他の対戦と同様に様々な選択肢は考えられるが、ユンの起き上がりの早さと脱出能力の高さから、あまり悠長な攻め方はできない。結局は上述のような、シンプルな選択を中心とし、早い展開から勝負をかけていくほうが効率が良い。
 また、画面中央の場合には、無理矢理起き攻めをするための選択肢として、溜め分割でのスラッシュエルボーを覚えておくと、ここぞというときに頼りになる。
 これならばパワーボム後にも前ダッシュ→EXスラッシュエルボーで起き攻めが可能なので、勝負どころでは狙っていっても良いだろう。

ユンの起き攻め(着地攻め)について

 主に相手を画面端に追い込んでから仕掛けられる、ユンの起き攻め。何となく攻撃力が低いイメージがあるため、ついつい見くびってしまいがちだが、実はなかなか嫌らしい攻めを仕掛けてくる。

こちらの投げ間合いを1歩離れ、踏み込んで仕掛ける打撃
 ユンの歩行速度の速さを活かした行動で、こちらの通常投げの空振りを誘いながら仕掛けられる。ここで使われるのは近立弱PTCや近立中Kで、いずれも大ダメージに繋がるため、非常に危険度が高い。画面端で狙われやすい行動なので、警戒しておきたいところ。
 近立弱PTC2発止(ガード確認)→1歩進んで再び近立弱PTCといったラッシュもあるので、見くびらないように。
様子見
 ユンには幻影陣があるため、基本的には無理に起き攻めを仕掛ける必要性は薄い。なので、攻める素振りを見せて後退する、という行動が他のキャラクターに比べて多く、安易にブーメランレイド等を出さないように気をつけたいところ。
 エアスタンピートもBLされてしまいやすいので、相手の狙いをよく見極めておこう。
屈弱K/近立中P/前方転身
 どれもコンボに繋いでダウンを奪うことができるが、攻撃力は小さい。ユンの場合、こういう素直な起き攻めが「裏」の選択肢という位置づけなので、あまりこれらを意識して真面目に対応しすぎないようにしたい。
 あまりしつこく狙ってくるようならば、攻撃力差を活かしてBLを狙いにいこう。
近立強P
 2段技。1段目をBLした後、近立中K等の打撃で反撃を試みても、2段目に潰されてしまう。もちろん、2段ともBLしてしまえば何なりと反撃可能だが、この技をいちいち確認して、連続BLに移行することは面倒でもある。
 なので、ここは1段BLから通常投げで割り込んで、画面端へと追い込んでやるのがお勧め。もちろん、他の技をBLした場合にも、これならば安定した反撃として機能する。
 多少勿体無いようだが、相手を端へ追いやるのが特に重要なカードなので、こうした割り切りは決して悪いものではないと思われる。
密着から屈中K
 それほど多用されないが、この後で前方転身と近立中K(稀に近立強P)の2択を迫るための行動。これはアレックスとしては大チャンス。
 ずばり、前方転身は捨てて、前BLを狙うのが一押しだ。うっかり誘われてエアスタンピートや投げを出してしまわないようにしておきたい。
垂直J雷撃蹴orJ強K等
 主に画面端に追い込んだ状態でよく見られる行動で、こちらのリバーサル行動への牽制の意味も込められている。
 雷撃蹴を出すのかそのまま降りてくるのかが非常に見切りにくく、結局対処できずにガード(もしくはヒット)してしまいやすい。
 J強Kからは、ゲージを求めての立弱K>弱鉄山靠や屈中P、あるいは直接的に近立中Kに連係されることが多いので、展開が苦しいならばどこかでBLを狙ってみるのもいいだろう。
 めくり雷撃蹴からは、前方転身と近立弱PTC、近立中Kの使用頻度が高く、その他には屈中K>強二翔脚(このコンボについては、後述)が用いられやすい。
 どれも対処は難しいが、展開によっては一点読みを働かせていこう。もちろん、相手との体力差を始め、狙うべき状況下否かは慎重に判断しよう。
バックJ強P
 よく使われる行動で、こちらの通常投げを潰しつつ距離を離すことができる。
 うざったいことは間違いないのだが、仮にこれを食らったとしても、後ろ溜めがあればEXスラッシュエルボーで追いかけつつ攻撃できることを忘れないようにしよう。
 ただし、単なるバックJ(J強Pが出されなかった場合)に対しては、EXスラッシュエルボーを出さないようにしよう。空中BLやJ攻撃からの反撃が考えられるためだ。
雷撃蹴で飛び越えてからの攻め
 絶招歩法や二翔脚をヒットさせた後、ユンはこちらのダウンを飛び越えるために雷撃蹴を出してくる場合がある。リバーサル技を出しにくくしたり、その後の攻めに対するガード方向を惑わせたりすることが目的だ。
 稀に飛び越えず、頭上から弱雷撃蹴で急降下してくる場合もあるので、ガード方向を間違わないためにもユンの動向は見極めておこう。
 ユン使いとしてはこうしたセットプレイは経験と反復練習を重ねているところなので、敢えてQSをしないのも一つの手だ。消極的なようだが、ユンとしてはテンポが崩されるため、思いのほかストレスを感じることがある。
QSに被せる鉄山靠
 絶招歩法後や二翔脚後に狙われやすい攻めで、前ダッシュで間合いを詰め、起き上がりに合わせて出される。主にSAゲージのある場合に狙われる選択肢なので、危険度も高い。SAゲージを持ったユンの起き攻めに対しては、最後まで目を離さないようにしておきたい。
屈中K/近立中K>幻影陣
 共にキャンセル幻影陣に繋ぐ選択肢。いずれの技も危険度の高いものとなっている。
 とは言え、屈中Kからの幻影陣コンボは、現在でもあまり安定しないプレイヤーが多いので、警戒の優先順位は近立中Kを上にしておこう。
 屈中Kがヒットした場合でも、だめもとの嫌がらせで下BL→前BLと狙っていくのも悪くないだろう。

幻影陣対策

 幻影陣を発動して選択を仕掛けてくるユンに対して、アレックスはどのように対応していくべきなのか。
 結論を言うと、屈ガードを固めつつ、弱エアスタンピートのタイミングを窺うというのが基本的なスタイルとなる(特に、画面中央の場合)。エアスタンピートは下段攻撃と投げ(ここでは前方転進)を無効化するので、完全に読まれない限りは信頼できる行動だ。
 これに対し、相手は近立中Pや虎撲子を多めに混ぜたり、様子見を増やしたりしてくるが、その分打撃での連係は貧弱となり、展開としては悪くない。
 とは言え、最近は近立中Pと屈弱Kを細かく組み合わせたものをはじめ、非常にしつこい連係が流行しているため、なかなかエアスタンピートを出せるだけの隙間を与えてくれない現状もある。無理に暴れようとしても巻き込まれるだけなので、ある程度はガードを固めつつ、場合によってはBLから直接ブーメランレイドを出していくことも考えておこう。
(なお、相手としても若干難しいが、フレーム的にはエアスタンピートガード後には屈弱Kが確定する。)
 また、初手がJ攻撃の場合、まず立ちガードする形になり、エアスタンピートの溜めがなくなってしまう。更に、J弱PTCと着地下段により、ガードすること自体が非常に困難となるので、気をつけておこう。
 なお、ユンの6中Kは、(※状況限定だが)屈ヒット時でもリバーサルブーメランレイドでの反撃が間に合うので、SAゲージがあり、また反応できたならば狙っていきたい。
 

  • 幻影陣中の6中Kが屈ヒットした場合の状況
    基本的にユン側が2F不利だが、ここでユンがレバーを下要素に入力し、しゃがみでの硬直を選択した場合、ユンの硬直が1F増加し、ユン側が3F不利となる。従って、発生2FのSAは、距離の問題をクリアすれば確定する。
    発生3FのSAは、ユンが暗転前にレバーを下要素に入力し、しゃがみでの硬直を選択していた場合のみ、確定する。
    発生2Fのブーメランレイドは問題なく確定するように見えるが、しゃがんだ状態のユンにはブーメランレイドの攻撃判定の最速部分がヒットしないため、ユンのガードが間に合ってしまう。
    なので、リバーサルでブーメランレイドを出していっても、必ずしもヒットする保証はないのである。

その他の留意事項

画面端での歩き近立中K
 画面端を背にして固まるアレックスに対してよくある行動が、ユンの歩行速度の速さを利用した揺さぶりで、やや離れた位置からつかつかと歩いてきて近立中Kを狙ってくる場合がある。つい通常投げで暴れようとしたところにヒットしやすく、ヒット時はもちろん大ダメージを受けてしまう。
 これといった対策はないが、この近立中Kの狙い方は近年の流行なので、ここぞという場面ではある意味読みやすくもある。
 ユンの下段攻撃が貧弱なこともあり、怪しい前進を見たら前BLを取りに行くのもいいだろう。
立弱K>弱鉄山靠
 ゲージ溜めや幻影陣発動を兼ねて、接近戦で多用される連係。連続ガードでないのでBL等で割り込むことはできるのだが、なまじ動けるがゆえに、弱鉄山靠がヒットしてしまいやすい。立弱Kに対して普段からある程度意識を割いておけば、うまくBLできるようになるかもしれない。
 なお、屈中P→立弱K>弱鉄山靠や屈中P→立弱K→屈中K>弱鉄山靠といった固めもしばしば見られるので、大会前等は相手の得意な連係を見ておくのも悪くないだろう。
近立弱P立弱K→歩いて近立弱PTC
 TCを二段目までガードさせてからの連係で、動こうとしたところにヒットしやすい。主に画面端で使われる連係なので、必然的にこれがヒットした場合の被害も大きくなってしまう。
 読み合いなので仕方が無いところがあるが、こういう連係もあるとまずは知っておこう。
屈中(弱)K>弱絶招歩法への対処
 端に相手を追い込んだ場合や、飛び込んだ後に相手の手前に着地した場合等、屈中(弱)Kの先端を下BLするケースは少なくない。これが密着ならば問題ないのだが、少し離れていると、近立中Kを出したつもりが遠立中Kが出てしまったりして、次の絶招歩法に潰されてしまったりすることがある。
 ヤンの屈中K>蟷螂斬も同様だが、意識して絶招歩法までBLを取っていける(あるいはガードできる)ようになっておこう。
鉄山靠のポイントをいくつか覚える
 この手の突進技を出したくなるポイントはどのプレイヤーも似通ってくるもので、多くのユン使いが出したくなるポイントが存在している(アレックスのスラッシュエルボーのポイントも同様なので、気をつけておくこと)。
 あまり数を挙げて意識し過ぎるのもよくないので、ここでは直接出されるものに限り、特に代表的なものをピックアップしておきたい。先述しているものもあるが、もう一度まとめてみることにする。
 なお、先述のように、鉄山靠は、BLしてしまえば弱でも中フラッシュチョップをヒットさせることができる。幻影陣へのキャンセルが考えられない場合には、可能ならば大反撃を入れておこう。
  • バックJ/バックダッシュから
     後退するユンを追いかけてダッシュすると引っかかってしまうので、ここは意識して歩いて接近しよう。ダッシュした場合のみ届くように出されている場合が多いが、もし歩いた場合にも届くようならば、BLを狙っていこう。
  • 虎撲子の空振りから
     これも同様で、技の終了を確認して突っ込んだところにヒットしやすい。ここでは弱鉄山靠が用いられやすい傾向がある。
  • GDから
     これも非常によく見られる光景。勝負の後半ほど使用頻度が上がる傾向があるので、待ち構えてやってもいいだろう。
屈中K>強二翔脚への反撃
 近年流行しているコンボで、主に画面端でのめくり雷撃蹴後に用いられる。ユンとしては下段を襲いつつ画面端から脱出することができ、またその展開の速さから反撃もされにくいため、非常に便利な行動となっている。実際のところ、アレックスとしても、ある程度読みを働かせていなければ反撃は難しい
 とは言え、警戒さえしておけば反撃は可能なので、臭い場面では頭に入れておき、見逃さないようにしよう。ユンとしても、これに反撃された場合のショックは大きいはずだ。
  • 1歩進んで屈中P・屈強K
     着地に合わせる反撃としては、実用的なものはこれらくらいか。屈中Kをガードしたら、ユンの飛んでいく方向へすぐに歩くようにしよう。
     なお、これより下のものは全て、空中のユンに対して狙っていく反撃だ。
  • 6強P
     これは歩かずに、その場から出していく。同様に6中Pでも可能だが、どうせなら強攻撃を当ててやろう。
  • 強エアニースマッシュ
     飛んでいくユンを追いかけるようにヒットさせることができる。見た目も美しく、非常に気持ちの良い反撃だが、空振りした場合が悲惨なので、タイミングを逸したと感じた場合には控えよう。
  • 屈強P
     2ヒット時のダメージも高いが、タイミングによっては1ヒットのみとなり、更に追撃が可能。余裕があれば狙いたい選択肢だ。
  • EXフラッシュチョップ
     これもその場から出していく。ダメージも申し分ない。
  • フライングクロスチョップ
     屈中Kをガードした後にすぐにジャンプでユンを追いかけ、低空でフライングクロスチョップを出していけばヒットする。フライングクロスチョップヒット後はEXスラッシュエルボー(タイミングによっては2段ともヒットさせることが可能)で追撃が可能なので、必ず溜めを作っておくこと。
     現実的に使用可能な反撃としては、恐らくはこれが最大のものとなるのではないだろうか。
    大会等でやれば盛り上がること必至なので、読み切った場合には、是非やってみて欲しい。

 
以上21JAN.,09時点。追記予定あり