≪キムチとしぃとにだー≫

Last-modified: 2020-02-19 (水) 23:53:25
64 名前: 6/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:23 [ dRsHv/Sc ]
≪キムチとしぃとにだー≫

 ア イ ゴ ーーーーー!!!

うぉん、うぉん、うぉん。
どこかで、ニダーの叫びを遠吠えと勘違いしたと思われる犬の鳴き声が聞こえ始める。
「アイゴー!失礼ニダ。
 アイゴー!いくらなんでもウリをチョパーリのモララーを間違えるのはあまりにも失礼ニダ。
 アイゴー!しかも虐殺厨のレッテルを貼り付けるのは無いニダ。
 アイゴー!謝罪と賠償を・・以下略」
アイゴー、アイゴーと、ニダーは壊れたラジオのようにわめき始めた。
「ナニヨ コノギャクサツチュウ。
ソレガイヤナラ シィチャンニ ダッコト、ヤワラカクテ オイシイモノヲ チョウダイヨ。」
ニダーの目の前にいる虐殺用棍棒を持ったしぃは、
吐き捨てるように目の前で暴れているニダーに言った。
ニダーは相変わらずアイゴー、アイゴーと叫んでいる。
ふと、ニダー大切そうに抱えている木箱が目に入った。
暴れてはいるがしっかりと抱え放さない。
「ソノ キバコハ ナニ?」
しぃはその木箱についてニダーに聞いてみた。

65 名前: 間違えました。上が1/6これが2/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:24 [ dRsHv/Sc ]

ニダーは、暴れるのを突然やめた。
「これはウリの母が送ってくれたキムチニダ。
 せっかくだから弟のニダダーにも分けようと思ってもって行くところニダ。」
今までとは雰囲気が違っている。
この雰囲気をわかりやすく伝えるとするならば、
新婚ほやほやの夫に、妻の事を聞いたときのような雰囲気だといえわかるだろうか。
「キムチ? ソレッテ オイシイ?」
「おいしいニダ。
 ウリナラのキムチは一番ニダ。」
「ジャア ソレ チョウダイ。」
しぃは突然そういった。
「は、イヤニダ。
 何であげなくちゃいけないニダ?」
当然である。
「イイジャナイ。
ミンナノ アイドル シィチャンガ、
コレデ ユルシテアゲルッテ イッテルンダカラ。」
だがしぃは一歩も退かない。
「だからイヤニダ。
 あげる理由がわからないニダ。
 謝罪と賠償をようきゅ・・」
「イイカラ ヨコセッテ イッテンダロ! コノ ギャクサツチュウ。」
しぃは、そう叫ぶと同時に、
手に持っていた虐殺用棍棒で、ニダーの頭を殴った。
「ア・・アイゴー。」
ニダーは棍棒が当たったところから血を流しながら力無く呟くと、
そのままだしゃっ、と倒れた。
「オトナシク ワタセバ ヨカッタノニ。」
しぃはポツリと呟き、虐殺用棍棒を放り出すと、
地面の上に落ちた木箱を拾い上げた。
地面の上に座り込むと、わくわくしながら箱を開ける。
中には壷が入っていた。
木箱から、壷を取り出すと、
壷のふたを開けた。

66 名前: 3/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:25 [ dRsHv/Sc ]
「ウェェェェェ。」
強い酸味と辛味が混じった匂いがしぃを襲った。
鼻を押さえて中をのぞく。
赤い白菜のような物が見える。
食欲と言うのは怖い物で、
ここまで不快な臭い(しぃにとって)がするのに、
しぃは恐る恐ると言った様子で、
一番小さい白菜を口に入れた。
「シィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
甘党であるしぃが、辛い本場のキムチを食べることは当然できず、
すぐにそのキムチを吐き出してしまった。
「カライヨゥ。 アンナモノヲ カワイイ シィチャンニ タベサセヨウトスルナンテ サイテー。」
食おうとしたのは自分じゃないかと言うツッコミ所があるが、
しぃは自分勝手なことを言った後、
壷を思いっきり地面にたたきつけた。
壷が割れ、中のキムチがぶちまかれる。
空気に触れる面積が増えたためキムチの匂いは増す。
「クサイ。 アンナモノヲ タベルナンテ ギャクサツチュウッテ ヤバンナ イキモノネ。」
鼻をつまみながらそっぽを向く。
そのとき、後ろで何かの気配がした。
だが、そのときには遅かった。

67 名前: 4/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:26 [ dRsHv/Sc ]
「ハニャ!」
しぃは後頭部を思いっきり掴まれた。
しぃの頭をつかんでいるのは、
紛れも無く、頭から血を流しているニダーだった。
「なんてことするニダ・・・」
手を放そうとを暴れるしぃを無視して呟いた言葉は、
諦めと、悲しみが混じった冷たい声だった。
「ナニヨ、 コノ ギャクサツチュウ。
ハヤク コノテヲ ハナシナサイヨ。」
絶望感を漂わせるニダーに、しぃは思いっきり叫んだ。
その言葉を聞いたとたんニダーの目の色が変わった。
止まりかけていた頭の血が、また出血し始めた。
しぃの顔を、地面にバラまいてあるキムチにたたきつけた。
「食べ物を・・・」
べちゃ
「粗末にしては・・・」
べちゃ
「いけないと母に教わらなかったニダか。」
べちゃ
「全部食べるニダ。」
べちゃ
「そして謝罪と賠償をするニダ。」
べちゃ
何度も、何度のしぃの顔をキムチに叩きつける。
割れた壷の破片がしぃの顔を傷つける。
白菜についている唐辛子が、
鼻に、目に、傷口に入り、酷くしみる。
ニダーは言いたいことを言った後、しぃの顔を持ち上げ、
思いっきり蹴った。
しぃは2~3メートルほど飛んだ。

68 名前: 5/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:27 [ dRsHv/Sc ]
「ダッコ スルカラ ユルシテェ・・・」
割れた壷の破片により、顔をぐちゃぐちゃにしたしぃがか細く言った。
目は見えないであろう。
目の部分は真っ赤に染まり、血の涙を流している。
既に顔は原形をとどめていなかった。
だが、ニダーは近くにあった虐殺用棍棒を拾い上げると、
「まだ謝罪と賠償がすんでないニダ。」
と、殺気を立たせてしぃに近づいていった。
「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!」
しぃの悲鳴の中、ニダーは虐殺用棍棒を振り上げ、
何度も、何度も、何度も、何度もしぃを殴った。
骨が折れる小気味いい音がする。
頭がつぶれ、ゼリー状の脳が回りに流れ出す。
腹が、腕が、脚が青黒く変色する。
それでも叩き続ける。
何度も、何度も、何度も、何度も、何度も。

69 名前: 6/6 投稿日: 2003/03/28(金) 19:28 [ dRsHv/Sc ]
ニダダーの日記
今日突然、兄さんが頭から血をだらだら流しながらやってきた。
兄さん曰く、母さんからキムチを届いたので、
僕と一緒に食べるため、僕の家までもっていこうとしたが、
途中でしぃに襲われキムチの壷を割られたらしい。
頭の傷はその襲われた時のものだそうな。
でもね、兄さん。

 僕 の う ち に も キ ム チ は 届 い た ん だ よ 。

その後、傷の手当てをした兄さんと一緒に、
母さんが作ったキムチを食べた。
やっぱり母さんのキムチはおいしいや。