6 名前: 1/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:35 [ ORGZiyvU ] とりあえず、向こう(前の板)に貼ったものをここにはらさせてもらいます。 ≪価値≫ ゴキョ! まわしていたトンファーが、ちびギコのこめかみに当たり、 鈍い音を出して頭を砕いた。 目がくるりと回り、耳や鼻からは血を流している。 「ミケタン!」 頭を砕かれた、特徴のある3色の毛色を持つちびギコはそのまま力なく倒れた。 乾いた土の上を血が広がっていく。 割られたこめかみからは心臓の鼓動にあわせて血が吹き出していた。 「ヒドイデチ! ボクタチガナニカシマチタカ?」 白く、短い毛のちびギコが叫んでいる。 「くっ・・・」 吹き出しそうになるのをこらえる。 「真性の馬鹿だな。 自分たちがしたことをさも当然かのように知らないと言い切るなんて。 では一つ聞こう。 君は、いつ、何所で、どのようにして、私たちに危害を加えなかったかな?」 ひゅんひゅんと、彼はトンファーをくるくる回しながら冷静に言い放った。 「ダカラ シラナイデチ。 チビタンタチガナニカシタトイウ ショウコハアルノデチカ?」 ひゅん・・ドミョグ。 軽くまわしていたトンファーをチビギコの腹に当てた。 独特の低い音を出してチビギコは腹を押さえながら2~3度吐いた。 苦しみでもだえているチビギコに向け冷静に、冷たく言った。 「いいか? 質問しているのはこっちだ。 だから、それに答えるだけに集中すればいいんだ。」 7 名前: 2/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:36 [ ORGZiyvU ] 目の前のチビギコの目は反抗心を多少ながら含んでいた。 だが、殆どは恐怖でしかなかった。 「シラナイデチ。 チビタンハ ココデマターリト クラシテイタダケデチ。」 彼は心、こめかみに血管が浮き出た気がした。 沸々と湧き起こる怒りを抑えて彼は答えた。 「ほう、ゴミを散らかし、 糞尿をそのままにし、 恵んでいる人がいるのにずうずうしくでしゃばり、 自分のためなら平気で他の香具師を裏切るようなことをすることの何所がマターリだ。」 チビギコは泣き叫びながら、 「チビタンハシラナイデチィィィィ。」 と完全に白を切っていた。 矢張り、これが「非虐待者」たるゆえんなのだろう。 彼はチビギコを冷たい目で見下していた。 8 名前: 3/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:37 [ ORGZiyvU ] ひゅんひゅんひゅんひゅん。 まわしているトンファーから出る音が、 風を切る音から、 低い唸り声へと変わった 「ヒィィィィィ。 コレマデノコトハアヤマルカラ ユルシテデチィィィィ。」 トンファーから放つ低い唸り声におびえたのか、 あっさりと非を認めた。 だがそれだけでは右手のトンファーは止まらない。 だが、彼の頭の中に本来の目的が過ぎった。 唸り声を上げていたトンファーも幾分は静かになる。 泣き、叫び、じたばた暴れるチビギコに、 胸ポケットから取り出したあるバッチを見せた。 9 名前: 4/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:38 [ ORGZiyvU ] バッチには 「チビギコ保護連盟」 と書かれていた。 すると泣いていたチビギコは突然烈火のごとく怒り出した。 「ジャアナンデ ミケタンヲ コロシタノデチカァァァ。」 「何でって、ただ「あれ」には価値がなかっただけだ。」 「価値・・・デチカ。」 怒り狂っていたチビギコが静かになる。 なかなか冷静なようだ。 又、あの、風を切り裂く音が超え始めた。 ひゅん、ひゅん、ひゅん、ひゅん、 「ああ、ただのチビギコを保護しても無駄に費用がかさむだけで、 社会貢献にも何にもならないからね。 だからこそ、私たちはチビギコの中から価値のあるチビギコのみを選別し、 保護するのさ。 そして今までの行動は、君が価値のあるものか確かめるためだったんだ。」 安心させるためだろう。 彼は笑顔になって言い聞かせた。 チビギコは右手のトンファーを気にしながらも彼の話を聞き入っていた。 10 名前: 5/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:39 [ ORGZiyvU ] 「そうだ、君はあれの事をどう思うかな?」 彼は笑顔のまま問いかけた。 チビギコは暫く考えた後 「アレハバカデチ。 カチノナイゴミノヨウナチビギコデチ。 ボクノヨウナ コウキナチビギコトハ オオチガイデチ。」 チビギコはけらけら笑いながら、 まだ息があるのか呻くミケを蹴り飛ばした。 彼はチビギコと一緒に笑った。 「デ、チビタンカチガアルンデチヨネ? ダカラ コロサレナイデイルンデチヨネ?」 明るい表情で問いかけてきた。 その明るい表情に答えるかのように、 チビギコの頭に手をそっと添えながら、 彼も満面の笑みで微笑んだ。 11 名前: 6/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:40 [ ORGZiyvU ] べ ギ ャ 縦回転していたトンファーがチビギコの顎を砕いたのはそのすぐ後だった 引きちぎられた頚動脈から大量の血が噴水のごとく飛び散った。 相当な威力だったらしく目が飛び出ている。 そして、本来は目が入っているはずの穴から下あごの歯が突き出ていたところからも、 衝撃の凄まじさが伺える 添えた手は、チビギコが吹き飛ぶのを防ぐものだった。 その手が包んでいた頭は二つに割れ、 濃い色をした脳が、割れた骨の隙間からのぞいていた。 本来のど元に当たる部分は、 衝撃によって裂け、後頭部の脳が見えるようになり。 耳や、その、裂けた部分等からは、血や脳等が混じった液体があふれ出ていた。 チビギコの顔はモーターサイクルのようだった。 いや、それを超えていたかもしれない。 「不合格」 トンファーを叩きつけたと同時に言った彼の言葉は、 チビギコには届かなかった。 12 名前: 7/7 投稿日: 2003/03/21(金) 21:44 [ ORGZiyvU ] 尚、彼はこのやりかたを後悔した。 手が思いっきりじ~んとしびれたからだ。 利き手ではなかったから良かったが、 彼は、その後3日間コップすら握れなかった。 因みに、連盟が制定する、 価値のあるチビギコは、 連盟が発足してから半年たっているものの、 一匹も居なかった。 そのため、多数のチビギコが連盟の手によって虐殺された。 まあ、目の前で仲間が殺されても、 自分が生き残れると知ったとたん、 あのチビギコのように、仲間を足蹴にするようなやつばかりだから。 以上!長文、駄作スマソ スレ汚しすみませんでした。