≪価値を求めて≫

Last-modified: 2015-06-09 (火) 04:16:01
26 名前: 1/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:35 [ 9eGsGnb2 ]
>>6の続きですが。

≪価値を求めて≫

暖かい春。
森と林と田園だけの田舎の風景。
のんびりと走るバス。
お年をめいた人ばかりのバスの中。
一人異様な雰囲気の男がいた。
黒いスーツをきっちりと着ている男。
スーツケース並みに大きな鞄。
そして、スーツの上からでも体格が良いのが誰でもわかった。
バスの窓からは、特に変わりもしない田園の風景を写していた
田園から林に風景が変わりだしたころ、彼は突然バスを降りた。
降りるまでずっと、彼は終止他の乗客の視線を集めていた。

バスが立ち去るときの排気ガスがまともに彼を襲った。
ごほっ、と口を手で覆いながら彼は辺りを見渡した。
木々は特に無く、小さな丘があるだけだった。
彼は目の前にある小さな丘を登った。
丘の上には何もいなかったが、
道の反対側、道路からは死角になっているところに、
たくさんのチビギコがいた。
チビギコはまだ彼に気づいてないようだ。
胸に「チビギコ保護連盟」と書かれたバッチをつけ、
彼は笑顔でチビギコに近づいた。
チビギコたちは、突然近づいてくる男に警戒はしたが、
胸のバッチを見たとたん、蝿の如く男に群がり始めた。

27 名前: 2/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:35 [ 9eGsGnb2 ]
「チビタンタチヲ イエニツレテッテ クレンデチヨネ?」
「ゴハンクレルンデチヨオネ。ダッタラ コウキュウヒンンノ「マツザカギュウ」ヲヨコスデチ。」
「チビタンタチハ タカイモノシカ クワナイデチヨ。」
ずうずうしい。
第一声が「松坂牛よこせ」かよ。
これが彼の第一印象だった。
胸のうちとは裏腹に、笑顔を崩しもせずチビギコたちに言った。
「はい、私は君たちを保護するために来ました。
 ですが、ただのチビギコをつれてきても、
 費用がかさむだけで、社会貢献にもなりません。
 ですので皆さんにテストを受けてもらいます。」
よく通る声でチビギコたちに言った。
だが、そのチビギコたちは話を聞きもせず、
自分勝手な注文を繰り返すだけだった。
ふう、とため息をつくと、
彼は持っていた鞄から異様に鎖部分が長い「鎖鎌」を取り出した。
そして、軽く目の前にいる「松阪牛」のチビギコの足に鎖分銅をぶつけた。
骨が砕けたであろうか。
小気味よい、「ボギュっ」という音がした。
「ヒギャァァァ!チビタンノアシガァァァ。」
「松阪牛」のチビギコが悲鳴を上げる
彼はぶつけた後、鎖分銅を後ろでまわし始めた。
ぶん、ぶん、ぶん、ぶん。
風を裂く音が聞こえる。
一方チビギコたちはこの状況が理解できずにいた。
当然であろう。
自分たちのみの保障をするための人が、
自分たちを傷つけたのだから。
辺りは「松阪牛」のチビギコの悲鳴が響くだけだった。

28 名前: 3/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:36 [ 9eGsGnb2 ]
かなりの時間を要し、
チビギコたちは彼が自分たちを殺そうとしているということがわかったようだ。
チビギコの殆どが逃げ出し、
残りの数匹は恐ろしいのか身動きすらできなかった。
だが、誰一人として、脚を砕かれたチビギコのことを気づかおうとはしなかった。
彼は少し逃げないチビギコたちを観察した後、
逃げるチビギコのほうに視線を向けた。
まだ足元では「松阪牛」のチビギコがギャアギャアわめいている。
2~3歩後ろに下がり、
残ったチビギコに当たらないように、
後ろでまわしていた鎖分銅を横に移動させ、
やや外れいている方向に飛ばした。
逃げるチビギコの団体が12時の方向だとすうならば、
鎖分銅は、1時の方向に飛んでいる。
逃げるチビギコたちはこれを確認して、
「オオハズレデチ!」
「ソコジャ アタラナイデチヨ。」
「バーカ バーカ」
と、けらけら笑っていた。

29 名前: 4/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:37 [ 9eGsGnb2 ]
だが、突然分銅が横移動し一番前を走っていたチビギコの頭を
文字通り「吹き飛ばした」。
実際は男を支点に回転しただけである。
2~3匹が頭を砕かれたころ、
突然分銅が急に曲がった。
どうやら鎖部分にチビギコの首が引っかかったようだ。
すると分銅は鎖に引っかかった分銅を中心に回転を始めた。
高速移動する分銅に砕かれ、
脳や目玉、骨や内臓を撒き散らして死ぬもの。
鎖がすれ違うときまで逃げることはできたが、
鎖がすれ違うときにはさまれ、
鎖によって頭と体が分離するものや、
腹がちぎれ、糞尿をあたりに撒き散らしながら吹き飛ぶものにわかれた。
僅か一回転で逃げ出したチビギコは回転の支点になったもの以外全滅した。
だが、その残ったチビギコはもっと悲惨だった。
鎖が首に巻きつき、なおかつどんどん絞められるのだから。
さて、窒息で死ぬか。絞まりすぎて首が吹き飛んで死ぬか。
それとも、分銅が失速し生き残るか。
鎖はどんどんしまっていく。
三週目に達したところでチビギコの首は見事に飛んだ。
急に支点を失った分銅は、そのまま失速し、地面にめり込んだ。
分銅の周りにはチビギコの手や足、腸、肺、いまだに脈打つ心臓、ゼリーのような脳。
これらが大量の血を一緒に周りの草木を赤に染めていた。

30 名前: 5/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:41 [ 9eGsGnb2 ]
彼は、鎖を巻き取りながら前にいる数匹のチビギコに視線を落とした。
「チビタンノアシガァァァァァァ。」
いまだに「松阪牛(略称)」がギャアギャアわめいている。
だが、同じ言葉を繰り返しているに過ぎない。
チビギコの叫びのローテーション。
1:「チビタンの脚がぁぁぁ」
2:「ぎゃぁぁぁ」
3:「いたいでちぃぃぃ」
4:1に戻る
それしかいえないのか。
本当は痛くないんじゃないのか。
彼はそう思ったが、これ以上わめかれるのもこの先の選別に支障をきたすので、
彼は、やれやれといった表情で鞄から画鋲のようなものを取り出した。
そして、その画鋲を「松阪牛」の砕けた脚に刺した。
そして、砕けた脚を、ぽんっと叩いた
「ヒギャァァァァァァ。」
「松阪牛」が先ほどとより一回り大きな悲鳴を上げた。
「モルヒネだよこれ以上わめかれるのも迷惑でね。」
彼は、鎖分銅を巻き取とると、
また、良く通る声で言った。
「はいはい皆さんよく聞いてください。
 今から保護するチビギコを選ぶためのテストをします。
 テストに合格したら、
 暖かいご飯と安全な寝床の保障をします。」
そう言いながら彼は残ったチビギコを見渡した。
彼の話を、残ったチビギコ、
「松阪牛」までもが聞いていた。
残っているのは5匹。
チビしぃ×2
チビギコ×2「松阪牛」含む
チビフサ×1

31 名前: 6/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:41 [ 9eGsGnb2 ]
「はい、では最初のテストです。」
彼はニコニコしながら鞄からパネルを取り出した。
「この人の名前は。
 苗字だけでも可。」
そういってチビギコたちにパネルを見せた。
パネルにはこの国の首相の「小泉純>>1サン」が映っていた。
「ワカッタデチ。」
最初に手を上げたは意外にも「松阪牛」だった。
「はい、君」
「トウダイニ オチタ ロウニンセイデチ。
 コノマエ テレビデ ミタデチ。」
・・・
あまりの酷さに彼は数秒考えることすらもできなかった。
確かに、この写真は最近撮ったものだから、
心なしか、疲れから来る悲壮感は漂っているようにも見えるが。
いくらなんでもそれは無いだろう。
それに、この年で浪人生はかなり無理があると思うのだが。
目の前では「松阪牛」がけらけら笑っている。
「他に自分の方が正しいと思う人はいませんか。」
彼は周りを見回す。
知っている香具師はいないらしい。

彼は胸ポケットから手帳を取りだし、
何か書き込み始めた。
「社会道徳×
 一般常識×」
ぶつぶつと呟く。
因みに社会道徳は、
傷ついた仲間を助けるか否か。
「松阪牛」の脚を砕いたときの反応で調べたのだ。
誰も助けなかったことからも明らかに、×である。

32 名前: 7/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:43 [ 9eGsGnb2 ]
「え~、では2問目ではありますが、最後のテストです。」
彼が降りてきた丘を指差し、
「あの丘の頂上目指して競争してもらいます。
 ただし、なにをしてもかまいません。
 頂上につけばいいだけです。
 よーい、ドンと言ったらスタートです。」
そういうと彼は振り返って丘のほうに向く。
一呼吸置く。
「よーい・・・ドン。」
競争が始まった。
最初からダッシュを決めるチビギコとチビフサ。
それを追う2匹のチビしぃ。
だがその中に「松阪牛」は無かった。
振り返ると、足を押さえている「松阪牛」がいた。
近寄って、なぜ走らないのか聞いてみた。
「アシガ ウゴカナイデチ。」
「松阪牛」は恐々といった。
そりゃあそううだろう。
麻酔を打ったのだから。
「う~ん、わかったじゃあ。」
笑顔を見せる。
その笑顔を見て助かると思ったのか、
「松阪牛」は、ぱっと笑った。
だが、その顔も驚きの表情に収縮した。
「不合格」
その言葉と同時に「松阪牛」の胸には鎌が深々と刺ささった。
彼は軽く柄を動かすと、
「松阪牛」の体の中から「グキュッ」という音がした。
心臓がつぶれたようだ。
手馴れたように鎌を抜くと、血が「ビュシュッ」と一吹きした。
それ以上は血が吹き出なかった。
「怪我を理由に使うのは良くないからね。」
そう言うと、彼は丘に向かった。
後ろでは「松阪牛」が口をパクパクとさせていた。

33 名前: 7/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:44 [ 9eGsGnb2 ]
競争では面白いことがおきていた。
一番前を走るのは案の定チビギコ。
その後ろをチビフサが追う。
もうすぐで頂上だというところで、
チビフサが当然失速した。
あきらめたのか。
そうではなかった。
まあ、誰でも思いつきはするだろうが、
石を拾って投げたのだ。
大した大きさではなかったが、
チビギコは不意をつかれた様で派手に転んだ。
そしてそこを悠々とフサが追い抜いていった。
そして、頂上でよくわからない踊りを踊っていた。
そのやや下で、チビギコが怒りからか、
チビフサを罵倒するようなことを叫ぶながらじたばた暴れている。
さらにその下では2匹のチビしぃが絶望からか、座り込んでいる。
彼は、2匹のチビしぃと、暴れているチビギコを無視して、
頂上で決めポーズをとっているチビフサに向かった。
相変わらずの笑顔だ。

34 名前: 7/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:44 [ 9eGsGnb2 ]
競争では面白いことがおきていた。
一番前を走るのは案の定チビギコ。
その後ろをチビフサが追う。
もうすぐで頂上だというところで、
チビフサが当然失速した。
あきらめたのか。
そうではなかった。
まあ、誰でも思いつきはするだろうが、
石を拾って投げたのだ。
大した大きさではなかったが、
チビギコは不意をつかれた様で派手に転んだ。
そしてそこを悠々とフサが追い抜いていった。
そして、頂上でよくわからない踊りを踊っていた。
そのやや下で、チビギコが怒りからか、
チビフサを罵倒するようなことを叫ぶながらじたばた暴れている。
さらにその下では2匹のチビしぃが絶望からか、座り込んでいる。
彼は、2匹のチビしぃと、暴れているチビギコを無視して、
頂上で決めポーズをとっているチビフサに向かった。
相変わらずの笑顔だ。

35 名前: 9/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:44 [ 9eGsGnb2 ]
「おめでとう。一番乗りだね。
 君、石を投げて相手を転ばしたよね。
 なかなかじゃないか、そんなこと思いつくなんて。
 ルールにもどのようなこともしてもいいってあったけど、
 私、こんなことがおきるとは考えていなかったな。」
笑いながら、他のチビギコには聞こえない程度の声で話しかける。
「ソウデチ、フサタンハカシコイデチ。テンサイデチ。」
けらけら笑いながらちびフサは無邪気な笑いを返してきた。
「そう、じゃあ「あれ」はどう思う?」
下で暴れるのをやめておびえた目でこちらを見ているチビギコの事を聞いてみた。
「アンナノバカデチヨ。
 フサタンミタイニ カシコクナイデチ。
 タダノバカデチヨ。」
けらけら笑いながらチビギコを中傷する。
彼はその話を聞いた後こういって聞かせた。
「うん、でもね、 一番になったからといって合格ではないんだよ。」
チビフサの顔が「松阪牛」と同じように驚きで収縮する。
「不合格」
言ったが早いか言わないが早いかの内に、
鎌でチビフサの首を刈った。
刃物で骨を切るのはかなりの労力を要する。
そのため首が飛ぶことは無かったが、
ぶしゅうぅぅぅ、と血が噴出し、彼はそれをもろにかぶった。
顔についた血を拭いながら、
「仲間を裏切るのは良くないよ。
 せめて、謝罪の言葉くらい言ったらどうだい。」
彼は、冷たく言い放った。
苦しいのか痛いのか、チビフサは傷口をかきむしり始めた。
ひゃはぁぁぁぁ、ひゃはぁぁぁぁ。
喉から空気が通る音がする。
掻き毟ったおかげで傷口は広がり血の勢いは増す。
銀色だったチビフサの毛は血で真っ赤に染まり始めていた。

36 名前: 10/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:45 [ 9eGsGnb2 ]
彼は今度は恐怖で顔を歪めているチビギコに向かった。
「おびえないで、
 卑怯なことをするのはよくないからね。
 それでだ、「あれ」のことどう思う。」
チビフサと同じ質問をした。
このチビギコはフサの答えは聞こえていない。
チビギコは即答した。
「ソウデチ、ヒキョウモノデチ。
 アンナ ヒキョウモノ シンデ セイカイデチ。
 ソノテンチビタンハ アシガハヤイデチ
 セイセイドウドウト タチムカッテイッタス バラシイチビギコデチ」
自画自賛を忘れないところがチビギコらしい。
「不合格」
彼はそう言うと鎖分銅をぶんっ、とまわし、
足元に居たチビギコの頭にぶつけた。
チビギコは半分砕け、片方の目が飛び出し、
その飛び出した目玉、折れた歯、血、そして、
割れたところからはみ出す脳を撒き散らしながら軽快にとんだ。
チビギコが飛ぶのとほぼ同時に分銅も飛ばし、
流れていく鎖に当てている右手の指を器用に動かして速度調節をし、
吹き飛んだチビギコの頭の上に鎖分銅を落とした。
チビギコの頭は既に原形をとどめておらず、
周りには脳みそや砕けた骨、目玉や歯などが散乱していた。
チビギコは2~3度体をぴくぴくと痙攣した後、動かなくなった。

37 名前: 11/14 投稿日: 2003/03/23(日) 06:58 [ 9eGsGnb2 ]
ふと前を見ると2匹のチビしぃがいない。
鎖を巻き取りながら辺りを見渡す。
いた。
目の前を12時の方向だとすれば。
一匹は11時の方向。
もう一匹は2時の方向だった。
「話しは最後まで聞く。
 二人とも不合格。」
巻き取り終えると、かれは鎖鎌、鎖分銅両方を回し始めた。
ぶんぶんぶんぶんぶん。
風を切り裂く音が聞こえる。
そして、その音と回転が最高潮に達したとき、
彼は二つを二匹めがけて投げた。
指の調節もあるが、分銅と鎌は正確に目標に達した。
一方は先ほどのチビギコのように分銅が頭部に当たり、
目玉や脳を撒き散らしながら引き飛び。
もう一方は肩に深々と鎌が刺さった。
彼は鎖を巻き取りながら生き残ったチビしぃに向かっていった。
チビしぃも逃げようと這いつくばって暴れるが一cmも動かない。
なぜか、鎖は結構たるんでいる。
理由は鎖が重いからだ。
その重さ62,1kg。
内訳 分銅:30kg
    鎖:30kg(長いからね)
    鎌:2,1kg
ずる、ずる弛んでいた鎖の巻き取られ、
チビしぃが引きずられ始める。
手時かな草をつかんで抵抗もするが、
60kgを超える者を持ち歩く男の力の前では歯も立たず
30秒もしないうちにチビしぃは彼に捕まった。

38 名前: 12/13 投稿日: 2003/03/23(日) 06:59 [ 9eGsGnb2 ]
チビしいの肩から手馴れた手つきで鎌を抜き取る。
左手で背中を押さえて、
鎖骨と肩甲骨の間。
心臓を囲む骨の中でもっとも隙間が広い部分に刃をつきたてた。
「ジィィィィィイギヒィッ・・・。」
断末魔は短かった。
鎌を抜き取る。
「松阪牛」のときとは違い、
血はどっと溢れですだけだった。

ふう、と、彼は仕事を終えたため息を出した。
少しボーっとする。
すると、後ろで、ガサッ、という音がした。
振り返るとべビギコが居た。
すぐに、母親と思しきしぃが現れべびギコを抱いて逃げていった。
彼はボーっとそれを見ていたが、
何かを思い出し携帯電話を出し、どこかへでんわした。
「はい、こちら「しぃ保護保護連盟」ですが。」
しぃ保護連盟とは簡単に言えばチビギコ保護連盟のしぃ版といったところだ。
「チビ連のものだ。ベビ愛にも伝えてくれ。
 べびギコとしぃを見つけた。
 場所は○×△□だ。頼む」
男は手早くそう言うと電話を切った。
ベビ愛とは正式名称「ベビギコ愛護会」の略で、
チビギコ保護連盟の・・(略)
因みになぜ分かれているかというと。
わかりやすく言えば、
医療が小児科と産婦人科と新生児科に分かれているのと同じ理由だと考えてもらいたい。

39 名前: 13/13 投稿日: 2003/03/23(日) 07:00 [ 9eGsGnb2 ]
話を戻そう。
男は鎌で、先ほど駆除した不合格者のチビしぃの首を刈り始めた。
首を切り離すと、その首を持ってしぃが逃げたであろう方向に歩き出した。
すぐに見つかった。
しぃは四匹。
ベビは10匹だった。
みな、血をかぶった男におびえていた。
彼は笑顔になり、
良く通る声で言った。
「皆さん、今からしぃ連とベビ愛の者がこちらに来ます。
 それまで待っててください。
 もし、逃げようとするならば・・・」
手に持っていたチビしぃの頭をぽとりと落とす。
そして、その上に分銅を落とした。
ぐしゃりと頭がつぶれ、残っていた血が飛び散る。
血と一緒に飛んできたチビしぃの目玉が当たったしぃがいた。
そのしぃは「ジィィィィィィィィ!!」と言う、しぃ族特有の悲鳴を上げて、手で払いのけようとした。
だが、目玉は手が当たったとたん簡単に破れ、中の液体がかかり、
余計酷くなった。
だが、彼はそのようなことはいつものこと、と言った表情で、無視をしていた。
一つ違うところと言ったら、
分銅から潰したチビしぃの舌がはみ出ていることが、印象に残っただけだった。
「この不合格者のようになりますから決して逃げないでくださいね。」
彼は笑顔のまま、そう言った。


価値のある者を探して、彼らは今日も行く
そして、不合格者を今日も駆除する。