【囚人】

Last-modified: 2015-06-23 (火) 00:42:45
381 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:05 [ TmqsLuMs ]
1
          【囚人】
                    
            鎖
                    
.         沢山の鎖
                    
     それは人を繋ぐ鎖
                    
.    人を捕らえるための鎖
                    
                    
            檻
                    
.         沢山の檻
                    
.    それは人を入れる檻
                   
.    人を捕らえるための檻
                    
                    
  沢山の繋がれた人達の前で
                    
.   .沢山の囚人達の前で
                    
                    
.  .鍵を持っている僕がいた

382 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:05 [ TmqsLuMs ]

2

 ぎゅむ、ぎゅむと小気味いい音が聞こえる。
前に出した足を純白の絨毯に乗せる。
また、ぎゅむ、と小気味いい音を立てて踝まで雪の中に埋まる。
雪の中を歩き続けていた僕の靴は十分なくらい湿っていて、
雪の冷たさを殆ど遮断せず、足の指一本一本をじっくりと冷やしていった。
もう感覚すらない足の指に力をいれ体を前に移動させる。
前に体が移動するのに合わせて、
相対的に空気が後ろに流れ鼻や耳の体温を奪いピリピリとそこに軽い痛みが走った。
 「はぁ。」
歩き始めてからもう何度目か分からないため息をつく。
それにあわせて視界を白い靄が覆った。
だがその靄もすぐに周りに溶け込み消える。
 俯いていた顔を上げ空を見る。
黒くどんよりとした空からは、
ちらりちらりと白い粒が舞っていた。
そして、鳥の羽のように音一つ立てず地上に舞い落ち、
静かに雪の層を重ねていく。

 「ここで倒れたら雪が解けるまで見つからないかな?」
自分の服装を見直し呟く。
白のダウンジャケットに白いズボン。
背中には登山用のこれまた白いバックパック。
雪が降ってる中で倒れたらすぐに同化してしまうだろう。
身に着けているもので白色をしていないものは、
白で固めた服装には似合わない黒く厚い手袋だけだった。

 重いものを背負い長時間歩くと喉が渇く。
だが、朝沸かした『何か』のお茶(雪の下に埋もれていた枯葉を煮詰めろ過したもの。)は、
清涼感が得られるくらい冷え切っているだろう。
暖かいものをコンビニで買えばいいとも思うが、
この身一つで旅をしている僕にはそれだけのお金は持っていない。
福沢諭吉、新渡戸稲造はおろか、夏目漱石ですら手にした回数は片手で数えられるほどだ。

 「はぁ。」
ひもじさか、寒さか、はたまた諦めか、
また深くため息をつく。
そのとき後ろで、
ぎゅむ、という雪を踏みしめる音がした。
振り返ってみると、
二人のしぃがこちらを見ていた。

383 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]
3

 がんがんに効いたエアーコンディショナーの暖房。
飲んでも腹を下したり最悪幻覚が見えたりすることのない熱々の緑茶。
素晴らしいじゃないか。

 正 座 さ せ ら れ て い な け れ ば の話だけど。

 ちらりと周りを見る。
綺麗に掃除された30畳くらいはありそうな畳張りの広間。
そこの真ん中に僕は正座させられている。
僕から見て左と後ろの壁は障子、
残りの前と右の壁は襖で区切られている。
説明しなくても分かるだろうが障子の向こうは廊下で、
襖の向こうは別の部屋だ。
そして、前の、おそらく上座だと思われる正面以外の三面の壁際には、
沢山のしぃたちが行儀良く正座している。

 雪が降る道で会ったしぃたちにより僕は半ば無理やりここにつれてこられた。
そして、しばらく待てと言われた。
何故かと何度も聞いたけど要領を得ない。
僕自身に何かの理由があるのかと考えたが、
まったく心当たりがない。


  ホ ン ト ウ ニ ナ イ ノ ?

 何者かが問いかけてくる。
いや、これは自分だ。
これはただの自分への疑問だ。

 ああ。心当たりはない。 
 ホントウニ?
 本当だ。
 彼女達は知らない。
 知っているわけがない。
 だから心配しなくてもいい。

無理やり結論を出し思考を中止する。
だが僕は、
自分の右手を手袋の上から無意識の内に強く握り締めていた。

384 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]
4

 わずかにしぃたちの喧騒の向こうから、
板張りの廊下を歩く音が聞こえた。
その音が聞こえたのかしぃたちのざわめきが急に静かになる。
やがて、殆ど音を立てずに障子が開いた。

 小奇麗な着物。
媚びるとは程遠い雰囲気。
この巨大な屋敷の主と思われる初老のしぃは、
後ろに二人ほどのしぃを引き連れてこの部屋に入り、
僕の目の前にある上座に座った。

 「始めまして。
 いきなりこのようなところに呼び出してすみません。」
そう言いいきなり頭を下げる。
「えっ、あっ、…はい。始めまして…。」
突然の行動と言動に僕はびっくりして声がどもってしまった。
だって、この身一つで旅をしていると言えば聞こえはいいが、
実質は浮浪者と変わりはないし、
また、声がしぃ特有の電話のコール音のような甲高く癇に障る半角の声ではなく、
年相応と言うか、足が地面を踏みしめているというな、
物静かでしっかりとした全角の声だったから。
 「確認のために聞きますが、
 貴方は旅の人ですよね?」
何の確認だ?と疑問に思う。
だが、言ったとしても別に困るものではない。
正直に答える。
「はい。ぶらりと当てもなく一人旅をしています。」
言い切った途端、辺りにどよめきが起きた。
 いったい何?
哂われている?
そう疑問に思い、あせって辺りを見回す。
だがどうも違う。
辺りのどよめきの種類が違うのだ。
嘲笑い、くすくす笑うようなどよめきじゃなく、
宝くじが当たったとか、おみくじで大吉を引いたとか、
ただ純粋な驚きのだった。
 「静かにしなさいっ。」
この館の主と思われる上座に座っている初老のしぃが、
静かに、だけど威圧感のある声でしぃ達を制する。
これを聞いて彼女達のどよめきはぴたりと納まった。
ざわめきが収まったのを確認してから、
視線を僕のほうへと戻した。
「そう、よかった。」
ポツリと呟く。
「では……。」


 彼女は知っていた。

 僕が何者かというのもも。

 何故一人旅をしているのというのも。

 全てを知っていたんだ。

 たからこそ僕を呼んだんだ。

 いや、呼ぶことが出来たんだ。


 そして彼女は僕の目を見つめながら、
その吸い込まれるような深い瞳を僕の瞳にに合わせながら、
子供に言い聞かせるような穏やかな声で言った。

「あなたの右手を見せてください。」

385 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]
5

 「なっ…」
言葉が出なかった。
そしてすぐに僕は理解した。
彼女が僕のことを知っていると言うことを。
静かに僕は俯いた。

 「……。」
沈黙。
うつむいた状態で口を閉ざす。
遠まわしな拒否。
それが僕の答えだった。
 だが、そんな僕を追い詰めるように、
静寂が辺りを包んだ。
周りにいるしぃたちも、目の前いにいる初老のしぃも、
一切声を、いや、音を発しなかった。
暖房が効いているのにその騒音も聞こえず、
時計もついていないから、秒針のが進む音も当然聞こえない。
深海のように時が重く圧縮され冷たく停止しているかのような静寂。
それが重苦しくぼくの背中にのしかかる。

 俯いていた顔を上げ、初老のしぃの顔を見る。
彼女と目が合った瞬間、
目の前の空間が揺らぎ、
4~5メートルはある僕と彼女の空間を目に見えない何かが繋いだ。
突然体が強張り、自分の意思では動くことが出来なくなり、
自分の意思も動こうとすることが出来なくなった。
静かに僕のことを見つめる2つの目。
目じりでは微笑んでいた。
だが、そのすんだ瞳の向こうに何かが見え、
それが知覚できたときには、
それは僕と彼女を繋いでいる何かを通り僕の瞳の中に入っていた。
それは僕の頭の中を何かがスポンジに水がしみこんでいくように『浸食』していった。
だが、その『浸食』していく何かは何もしなかった。
僕の行動を制限しなかった。
僕の心を動かそうともしなかった。
ゆっくりと、タオルが水を吸っていくように、、
着実に、『侵食』という形で僕の奥へ奥へと進んでいった。

 「……分かりました。」
言い終えると同時に僕と彼女の間の空間を繋いでいた何かは一瞬で立ち消えた。
同時に、肩の力が抜け息を思いっきり吐いた。
その息と共に、僕の中を浸食していた何かが出て行った気がした。
 僕は負けた。
漠然とした概念が頭の中に浮かび上がる。
これは勝負でもなかったし、
屈辱感もなかった。
だが、僕は負けた。
負けたという言葉が頭の中を支配していた。
僕は完膚なく負けたのだった。

 「1つ聞いていいですか?」
彼女の目を見ながらおずおずと尋ねた。
その瞳に見え隠れしていた何かはもう見えなかった。
「なんでしょうか?」
穏やかに返してくる。
僕は言った。
「あなたは何者なんですか?」
彼女はこう答えた。
「あなたと同じ者です。」
わずかに微笑む。
僕と彼女の間の空間には、
もう、何も繋いでいるものものはなかった。

386 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:06 [ TmqsLuMs ]
6

 手袋のベルトを緩める。
しっかりと、手順を確かめるように。
だけど、その動作はとても遅かった。
負けた僕の最後の反抗だった。
まるで何かの儀式のように、
非常にゆっくりとした動きで左手の手袋を脱ぐ。
そして、裸になった左手を右手の手袋にかけた。
手袋の中にねじ込んだ親指が、
心地よい暖かさを感じた。

 この瞬間が嫌いだった。
目から涙を流し歓喜に体を震わす者。
身を乗り出し好奇の目で見る者。
疑惑の目で隙あらば罵声を飛ばそうとする者。
たくさんの目に囲まれる。
たくさんの目が僕を見つめる。
たくさんの目の中心に僕はいる。
それが嫌いだった。
だけど、これは僕の宿命。
逃れることは絶対に出来ない。
逃れる日は絶対に来ない。
これは、これも、これが、
僕なのだから。

 音もなく右手の手袋が畳の上に落ちた。
だが、誰もそんなことが気にも留めなかった。

 淡い光の共に。
慈悲を光と共に撒き散らすように。
優しさを光と共にあたりと包むように。
彼女達は、
涙を流し、
息を呑み、
驚愕の目を見せて。
辺りが全ての人々の悲しみを取り除くような、
母の様な優しい光に照らされて。
僕の、

淡く光る手が姿を現した。

387 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]
7

 「 マターリノ テ 」
誰かが言った。
「 マターリノ…テ 」
確認するように別の誰かがその言葉を繰り返す。
「 マターリノ…」
「 マタ…」
「 マターリノ テ 」
「 マターリノ…テ 」
バケツの中の透明な水が、
落ちた絵の具でつぎつぎと濁っていくように、
彼女達の言葉が回りに伝染していく。
やがて歌を歌うように「マターリの手」と言う言葉がこの部屋を包み込む。
その合唱の中で僕は目の高さまで右手を掲げる。
ぴたりと声は止む。
そして僕は口をあける。
「これが僕の手です。」
彼女は微笑んだまま頷いた。

 僕は立ち上がった。
そして、彼女のほうへ歩み始めた。
至極当然のごとく彼女も立ち上がる。
それをみて周りのしぃたちも立ち上がった。
ゆっくりと歩き、彼女の前にたどり着く。
彼女は一言だけ「お願いします。」と言い、
僕は「分かりました。」とだけ言った。
それ以外の言葉は、
それ以上の言葉は、必要なかった。

 そっと、手を彼女の顔の前に掲げる。
淡く優しい光が彼女の歳を感じさせない綺麗なピンク色の毛並みを照らす。
そしてゆっくりと彼女に近づける。
儀式の一つの様に、
異常なくらいゆっくりとした速度で手が彼女に額に向かっていく。
 やがて、
彼女のさらさらした毛並みを倒しながら、
てが、額にしっかりと触れた。
手の光が彼女の額へと伝わり、
女神のように神々しい光がいっぱいに広がった。
とても優しく、とても安らかで、全てのものを癒すような心地いい光。
その中に浸かるように、
彼女は目を閉じた。
目を閉じるのを待っていたように、
彼女から発せられ光が強くなる。
彼女の体から光る粉が立ち昇り始める。
周りで息を呑む音が聞こえた。
更に光が強くなる。

 そのとき、彼女の目がかっと開いた。
驚愕と恐怖が僕に伝わってきた。
だがすぐに、全てを理解したように、
全てを受け入れたように、
優しい目に戻り、
そして、
赤い焔が彼女を包んだ。

388 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]
8

 巨大な炎から逃げるように手を離す。、
その炎は彼女の残っているを生命を燃やしてしまうかのように激しかった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……。」
言葉にならない絶叫を上げ、
その場に膝をつく。
やがて悲鳴は途切れ、
彼女は横に倒れた。
油が焼ける音が聞こえた。

 彼女が倒れたと同時に僕は振り返った。
周りにいるしぃたちは魅入られたように炎を見ていて、
僕のことはまったく見ていなかった。
適当なしぃに目をつけ近づいていく。
だいぶ距離が近くなったときやっと彼女は気がついた。
あとずさろうとするが、
後ろのしぃに体をぶつけそれ以上はいけなかった。
口を大きく開き悲鳴を上げようとする。
だが、それよりも、僕の手が触れるほうが早かった。
脱力し、安らかな顔になる。
そして、彼女は弾けた。
風船が割れるように。
赤い液体が僕に降りかかり、
僕の白い服を真っ赤に染める。
小さなピンク色をした破片があたりに転がる。
僕の頬をかすった彼女の眼球がうつろに僕を捕らえる。 

 血は、僕以外にも降りかかり、
そこでやっと、炎を見ていたしぃたちが僕がやっていることに気がついた。
そして彼女達は理解した。
僕がこれから何をしようかということを。
それで何が起こるかということを。
彼女達の大きな悲鳴が巨大な屋敷を震わした。

389 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:07 [ TmqsLuMs ]
9

 そっと扉を開ける。
「 ヒィッ! 」
短い悲鳴が上がり、
白い毛並みの彼女を見つける。
「見つけた。」
確認するようにつぶやく。
そして、手を伸ばす。
淡い明かりが狭い納戸の中では十分だった。
「 イヤァ! ヤメテ! ヤメテ! コナイデェ! 」
納戸の中で彼女は必死に足掻き、暴れ、抵抗した。
恐怖と、悲しみと、絶望とが入り混じった視線を僕に向けた。

 この瞬間が嫌だった。
その目が、その言葉が、その行動が、
全てが僕の使命を否定し、
僕自身を否定する。
だから、嫌だった。
でも、これも僕の宿命。
これから逃れることはない。
これから逃れる日は来ない。
これも、これが、これは、
僕自身なのだから。

 だから、
少しでもなだめようと、
少しでも安心させようと声をかけた。
「大丈夫、これから行くところは虐殺厨はいないよ。
 餓えも、渇きも、虐待もないよ。
 苦しみも、悲しみも、恐怖もないよ。
 だから安心して……。」
「 イヤァァァァァァァァァァァァァァァ!!! 」
僕の静止を聞かず、
恐怖と絶望の悲鳴を上げる。
その中で僕は彼女に手を当てた。
悲鳴が収まり、
彼女の体が乾いた粘土のように乾燥し始め、
やがて、土塊のようにボロボロと崩れ始めた。

390 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:08 [ TmqsLuMs ]
10

 静かだった。
誰もいない巨大な屋敷。
それはとても静かだった。
この屋敷の住人はもういない。
住人達は皆消えた。
焼失し、破壊し、衰退し、崩れ落ち、
消滅した。

 開けっ放しになっていた障子から、
最初の広間に入る。
初老のしぃの焼け残りも、
破裂したしぃの欠片も、
いつの間にか最初から存在しなかったように消えていた。
畳には焦げあと一つ、血のしみ一つ残っていなかった。
それを見て僕の服も見る。
そこにも、最初から何もなかったように、
純白の繊維が天井の照明をわずかに反射していた。
「ふぅ……。」
大きく息を吐く。
そして、おいたままだった、
ダウンジャケットとバックパックと手袋を拾う。
ジャケットを着、バックパックを背負う。
そして、手袋をつける。
だが、手袋をつける前に僕の動きは止まった。

 淡く光る手。
それをじっと眺める。
これは僕の右手……。
これは僕の右手……。
なのに……。
頬を熱いものが伝う。
一呼吸遅れて僕が泣いているということに気づく。
右手首を強く握る。
鈍い痛みが伝わってくる。
 そして、僕は、
ゆっくりと自分の額へと近づけた。
これは誰の意思でもない。
これは僕自身の意思。
光る手が迫っていく。
その明かりがまぶしくて、
僕は目を硬く閉じた。
暖かい光が顔に当たる。
わずかに空気が揺らぐ。
安らぎが、癒しが、僅かな空間をもあふれ出してくる。

 そして、
右手が額に触れた。


 でも、そこには、

ひんやりとした感触以外何もなかった。

391 名前: 鍵 (gxeI9vq.) 投稿日: 2004/02/23(月) 06:08 [ TmqsLuMs ]
11
      
       僕が持っている鍵で
                         
        鎖をはずす
                         
                         
      僕が持っている鍵で
                        
  .        檻を開ける
                         
                        
.       解放される人々
                     
. . .    檻の外へと出て行く人々
                         
.     もう彼らは囚人ではない
                         
                         
  .   沢山の人々を解放する中で
                         
   沢山の人々たちを見送る中で
                         
                         
     鎖に繋がれた僕がいた
                         
                         
     .僕が持っている鍵では
                         
.  .この鎖を外すことがが出来ない
                         
     .僕が持っている鍵では
                         
   ここから出て行くことは出来ない
                         
                         
  .    僕こそが本当の囚人
                         
           永遠に
                         
 .    .解放されることはない
                  

                          【終】