おにーにの悲劇

Last-modified: 2015-06-07 (日) 10:21:55
62 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/01/30(木) 22:07 [ 83Osn9qU ]
広い庭付きの家に住んでいるモナーがいた。
明るい人柄の好人物だが、ちょっと世間からズレている所もあった。
今日も庭の手入れに勤しんでいると、一人のちびしぃがやって来た。
泣きながら、何かを腕に抱いている。
「ちびしぃちゃん、どうしたの? 何があったモナ?」
ちびしぃは、かすれた声で答えた。
嗚咽混じりのその声は聞き取りにくかったが、
モナーは、真剣にちびしぃの話を聞こうとした。
どうやら、捨ておにーにを拾い、飼おうとしたが母親に反対されたらしい。
捨ててこいと言われたが、そんなことはしたくない、と言うとちびしぃはまた泣き出した。
「大丈夫モナ。モナがそのおにーにを育てるから」
モナーの家は少し狭いが、
キレイに片づけられた感じのいい住まいだ。
「それにしても、おにーには何を食べるモナ?」
モナーは、取りあえず、自分の食事のカップ麺をおにーにに分けてやった。
「ワチョ? こんな安くて、体に悪そうな物を食べろって言うデチか?」
おにーには、さげすむような目でモナーとカップ麺を交互に見た。
でも、モナーは怒らなかった。おにーにの食事のことを一生懸命に考えていた。
その後、おにーには何を与えても、文句ばかり言った。
モナーは、やはり怒らなかった。
と、おにーにのお腹が鳴った。空腹なのだろう。
が、それでもワガママを止めない。

63 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/01/30(木) 22:07 [ 83Osn9qU ]
何でもイイから、おにーにに食べさせなくては、とモナーは動物図鑑を本棚から引っぱり出した。
ページを開くと、モグラのページだった。
「モグラは、ミミズを食べるモナね」
モナーは急いで庭に行くと、シャベルで土を掘り、ミミズを探し当てた。
捕まえたミミズをスーパーの袋に詰め込むと、おにーにの所へ向かった。
「これを食べるモナ。 遠慮はしないでイイから、たくさん食べて大きくなるモナ」
モナーはあぐらの上に、おにーにを座らせ、顔を手で固定した。
そして片手で口をこじ開けて、
袋の中のミミズをおにーにの口めがけてボタボタと落としていった。
「ワチョ!? 嫌なのワチョーイ!! ワ、ワッヂョイ!?」
叫んだおにーにの口に、大量のミミズがなだれ込んできた。
おにーには吐き出そうとしたが、モナーが無理矢理、口を手で押さえた。
おにーにの口元には、噛み切られたミミズの破片がこびり付いている。
破片はまだビチビチと動いている。
口の中では、生きたミミズが無数に蠢き、おにーにの舌や歯にまとわりついた。
のどの奥の方までミミズがのたうち回り、おにーには激しい吐き気に襲われた。
しかし、口は押さえつけられている。吐瀉物は口の中に留まった。
吐瀉物にまみれたミミズは、一層暴れた。
おにーには、最後の手段を使った。
暴れるミミズを噛み、飲み下していく。濃厚でドロリとしたミミズの体液が、口中に広がった。
千切れたミミズの体を、のどに流し込む。
それを何度も繰り返す。

おにーにの食事も終わり、モナーはやっと手を離した。
モナーはおにーにのためにダンボールとクッションで作った寝床を用意した。
これから、おにーにとの生活が始まるのだ。
モナーは期待に胸を躍らせて、その夜、楽しい夢を見た。