お船に乗って逝くしぃ

Last-modified: 2019-12-18 (水) 00:40:02
511 名前: 耳もぎ名無しさん 投稿日: 2003/03/07(金) 18:05 [ FXeMvshY ]
街角の薄汚れた掲示板の上には、ニコニコと笑いながらモナーとダッコしている
しぃのポスターが貼りつけられていた。
「しぃちゃん大量募集!!ダッコがイパーイの楽しい仕事です!」
一匹のしぃがポスターを見ながら目を輝かせていた。

「うちの会社は主に貿易関係の仕事で、しぃちゃん達はそこでアシスタントとして
働いてもらってるモナ。」
しぃは会社の重役に面接をしてもらっている。
「ボウエキ…」
「うん。船に乗って、いろんな国へ行くモナ。いろんな出会いがあるモナよ。」
しぃはその言葉に目を輝かせた。
街角のダンボールで暮らしているしぃ達にとって、その日を暮らすのも精一杯のしぃ達にとって、
何処かに行けるというのは夢のような話しだった。
面接の帰り道、しぃはまだ見ぬ国に思いを馳せた。

数日後、しぃは港にいた。
沢山の貨物船が、荷物の運搬を行っている。
辺りから沢山のしぃ達が港の方に集まってきた。
「ハニャ!アナタモ!?」
「シィモ オフネニ ノッテ アシスタントノ オシゴトダヨ!」
ダンボールの家を持ってきているものは一匹もいない。
皆、新しい生活に胸を躍らせている。
一艘の貨物船が港に入って来た。
「アッ! アレダヨ! シィタチノ ノル オフネ アレダヨ!」
船が岸壁に横付けされるのを待って、
しぃ達は船に乗り込んだ。
しばらくして、船はゆっくりと港を後にした。

512 名前: 511 投稿日: 2003/03/07(金) 18:06 [ FXeMvshY ]
しぃ達は小さいながらも一匹ずつ個室を与えられた。
そしてフリルの付いたエプロンと、ワンピースタイプの可愛らしいセーラー服の仕事着も与えられた。
しぃ達は大満足だった。
生まれてこのかた一度も袖を通したことのない可愛らしい服を着る事が出来て、
一度も味わった事のないようなフカフカのベットの上でこれからは眠ることができるのだ。
「気に入ってくれたかな?」
船長のモララーがニコニコしながらやって来た。
「ハニャ! トッテモ キニイッタヨ! シィガンガッテ オシゴトシマス!」
他のしぃ達も一緒になって頷いた。
「そうか、それじゃあがんがってくれ。…何か質問はないかな?」
一匹のしぃが手を上げる。
「アシスタントノ オシゴトッテ ドンナコトヲ スルンデスカ?」
「それはみんな各自違うけど、とっても楽しくて、簡単な仕事だよ。内容はそれぞれウチの社員達が
少しづつ教えていってくれるからね。……記念に一匹づつ写真を撮ろう。
みんな、お洋服を着て。」
しぃ達は渡されたばかりのセーラー服を着て、写真を撮ってもらった。

しぃが部屋でくつろいでいると、ドアがノックされた。
「ハニャ…?」
ドアを開けると、そこには乗り組み員のモララーが立っていた。
「こんにちは!しぃちゃん。今日から漏れがしぃちゃんのお仕事のパートナーだよ!」
「ハニャ! ヨロシクネ!」
「早速、お仕事を覚えてもらうからね!」
モララーはそう言うと、部屋の中へとズカズカと入りこんできた。
「チ・チョット…シィィィィィィィィィィィィッ!?」
モララーはしぃをベットの上へと押し倒す。
「ヤメテェェェ!オナガイ ヤメテヨウ!」
しぃは必死でモララーに抵抗する。
しかし、小枝のような四肢をばたつかせても、モララーの力にはかなう訳がなかった。
ついさっき与えられた可愛らしいワンピースは惨たらしくビリビリに切り裂かれた。
「ドウシテコンナコト スルノー!?」
「バカ!これがお前ら雑巾共の仕事だ!」
「ハニャッ!?」
「要するにお前らは漏れ達船員の性のはけ口のアシスタントなんだよ!
お前らに出来ることなんてコウビぐらいだろ!…いいから黙ってろ!」

ー数分後。
汚れたベットの上で、しぃは泣きながらビリビリに破かれたワンピースを持って泣いていた。
しぃ達が夢見ていたのは、このワンピースをかっこ良く着こなして、
テキパキと仕事をする自分の姿だった。
しかし、しぃ達に与えられた本当の仕事の内容とは、
船で長い旅に出て、満足に自分の欲望を満たす事の出来ない船員達の性のはけ口になる事だったのだ。
涙があとから、あとから流れてきて頬をつたう。
しぃ達は各自部屋の中に閉じ込められた。

これで、しぃ達はこの船の中から逃げ出すことが出来なくなった。
外側から鍵をかけられ、食事も刑務所の如くドアの横に設けられた小さな窓から受け取った。
何か欲しいものがある時も、洗濯ものがある時も同様だった。
しぃ達が唯一部屋の外に出る事が出来るのは、
首輪で繋がれて、ヒモで引っ張られて外でのコウビを迫られた時のみだった。
時々廊下ですれ違う、何匹かのしぃの腹が日に日に大きくなっていった。
多分妊娠したのだろう。
船に常駐する医者がしぃの妊娠を確認すると、同時にしぃの手足は根元から切断された。
しぃが自らの手で、自殺したり、腹の中の子供を殺すのを防ぐためだった。

513 名前: 511 投稿日: 2003/03/07(金) 18:07 [ FXeMvshY ]
数十日後の明け方、妊娠したしぃは双子のベビしぃを生んだ。
しぃは不自由な四肢を使い、生まれたばかりの我が子を母性なのか、ペロペロと舐めている。
小さな小さなベビしぃは、チィチィ…と泣きながら母しぃの懐に入っておっぱいを飲んでいた。
ガチャリと無遠慮に部屋の鍵が開けられて、このしぃを妊娠させたであろうモララーが入ってきた。
しぃの顔に緊張が走る。
「生まれたのか…ガキはこっちで預からせてもらう。」
モララーはしぃの懐に入って気持ちよさそうにおっぱいを飲んでいるベビしぃを、
無理に引っ張り出そうとする。
「…!痛てぇっ!」
しぃがモララーの腕に噛みついた。モララーの腕からはドクドクと血が流れている。
「シィノ アカチャンニ キタナイ テデ サワラナイデ!」
モララーの顔が見る間に般若のような形相に変わった。
「シィィィッ!?」
モララーの足がしぃの顔を蹴り上げた。
ゲフッという音と一緒に喉元から血液が飛び散った。
「ギャァァァァッ!」
モララーは芋虫のようにのそのそと逃げようとするしぃの腹に何度も何度も執拗に蹴りを入れた。
「ゴミの癖に人様の手に噛みつきやがって!!」
しぃに蹴りを入れているモララーの足元に、いつのまにかベビしぃが近づいてきていた。
モララーは一旦しぃを蹴るのを止める。
そして、一匹のベビしぃを抱き上げた。
「オナガイィィィィーーーッ!シィノ ベビチャンカエシテェーーーッ!」
モララーに抱き上げられたベビしぃは嬉しそうにチィチィと泣いている。
「漏れに噛みついたバツだ!」
モララーは声高に叫ぶと、手にしているベビしぃの首をねじり曲げた。
ボキッという香ばしい音が部屋の中にこだまする。
ベビしぃは「ヂィッ」と断末魔をあげ、事切れた。
しぃは呆然とモララーを見上げた。
「死んじゃったよ。もういらないよね。こんなの。」
モララーはさっき殺したベビしぃを床に無造作に叩きつけると、足で踏み潰す。
柔らかいベビしぃの体は、グニュッという音をさせ、体の中身をぶちまけた。
床の上にはベビしぃの内臓がドス黒い血液と共に広がっている。
「グロいねぇ。」
「コンナノイヤァァァァァ!」
母しぃは絶叫しながら首を振った。
「もう一匹いたねぇ。…寂しいだろうから、コイツも…」
モララーはもう一匹の自分の足元にまとわりついていたベビしぃを足で踏み潰した。
バキバキっという音の後、さっきのベビしぃと同じように嫌な音をさせて体の中身をぶちまける。
「シィィィィィッ!?」
モララーは床に転がるペースト状になったベビしぃの死体を後ろに、
さっきまで母しぃだったしぃの体の上にのしかかった。

514 名前: 511 投稿日: 2003/03/07(金) 18:09 [ FXeMvshY ]
しぃ達が船に乗せられて一ヶ月ほど経ったある日。
船はとある港に停泊した。
数匹のしぃ達が車に乗せられて港から街の繁華街の方へ連れていかれる。
車は大きなテントの前で停車した。
おもむろに車のドアが開けられ、首輪で繋がれてワンピースを着たしぃ達は車から下ろされた。
これから何をされるのだろうか。
しぃ達はビクビクしながら、テントの中に連れて行かれた。
パッとしぃ達の体にスポットライトが当たる。
そして、耳をつんざくような大音響がテントの中じゅうに響き渡った。
「おまたせしました!今日のメインイベント、ダルマショーの時間です!」
しぃ達を囲むように座っている沢山の客が歓声をあげた。
「ナンナノ?シィ ナニヲサレルノ?」
しぃの心配や心細さをよそに、ステージの上では着々と準備が進んでいる。
「おまたせしましたぁっ!これよりダルマショーを開始します!」
物陰から電動ノコギリのうなるような音をさせながら、
2匹のモララーが飛び出してきた。
観客の歓声がテントの中にこだました。
首輪に繋がれたしぃ達は、両手足に金属の枷を取り付けられ、十字架に張り付けられた。
そして、人間ルーレットのようにグルグルと回される。
「シィィィィ ヤメテェ キモチワルイヨウ!」
「ルーレットストップ!」
しぃの頭を床スレスレにしてルーレットは止まった。
「最初に切断するのはーーー!右のアンヨ!」
司会者が叫んだ。
電動ノコギリを持ったモララーがしぃの元へと近づく。
「ギャァァァァァァァァァァァッ!!!!!」
小枝のようなしぃの足に、電動ノコギリが入った。
「シィノアンヨガァァァァァァァァーーーーーッ!」
右のアンヨを根元から切断されたしぃは、ワンピースを真っ赤に染めて十字架の上でジタバタと暴れた。
「次はどこかなー!?ルーレットスタート!」
足を一本失ったしぃの体はまた回転を始めた。
「今度はーーー!おおっと!左のオテテ!」

30分後、ステージの上には四肢を失ない、ワンピースを赤黒く染め抜いたしぃ達が
血みどろになっているステージの上に整列させられていた。
「見事なダルマが出来ました!さて最後にもう一度モララー達に登場してもらいましょう!」
ステージの影から電動ノコギリをうならせて2匹のモララーがもう一度登場する。
「モウ イヤダヨウ コレイジョウヤメテヨウ!」
「ダッコスルカラ ヤメテヨウ!」
ステージの上のしぃ達は口々に司会者に向かい訴える。
しかし、電動ノコギリのうなるような大音響にかき消されてしまう。
「最後はステージの上のしぃちゃん達にありがとうの気持ちを込めて、オツムをもぎ落として、
今日のショーの終わりの時間とします!」
「ハニャッ!?」
しぃ達は呆然としながら、観客達を見た。
観客達は大歓声を上げて、ステージの上に拍手をおくっている。
「まずは右のしぃちゃんから!モララー!ヨロシク頼む!」
電動ノコギリをうならせながら、一匹のモララーが一番右端にいたしぃの元へと近づいてくる。
「ハニャァァァァァァァァァ……イヤァァァァァァ…」
しぃの首元にうなりをあげるノコギリの刃があてられた。

515 名前: 511 投稿日: 2003/03/07(金) 18:09 [ FXeMvshY ]
「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ??」

516 名前: 511 投稿日: 2003/03/07(金) 18:10 [ FXeMvshY ]
ステージの上には切断されたしぃ達の四肢と、切り取られた頭が転がっていた。
客が全部帰ったのを見届けたクリーンサービスの職員達が、ステージの上を掃除し始めた。
次の日、残ったしぃ達も何も知らずに車に乗せられ街へ行く。



2ヶ月後、街角の薄汚れた掲示板の上には、ニコニコと笑いながらモナーとダッコしている
しぃのポスターが貼りつけられていた。
「しぃちゃん大量募集!!ダッコがイパーイの楽しい仕事です!」
一匹のしぃがポスターを見ながら目を輝かせていた。

今回も沢山のしぃ達が、船に乗せられてお仕事をしに行く。

そして2度と戻ってこなかった。

                                 終ワル。