がんばれモララー係長

Last-modified: 2015-06-25 (木) 22:43:27
480 名前:1/4 投稿日:2005/12/24(土) 22:23:05 [ rJd5B/zs ]
がんばれモララー係長

金曜日の午後6時、退社時間である。
「んー」
皆が次々と帰宅する中一人の男がデスクにうつ伏せになりうなっていた。
「うーん」
彼の名はモララー修一。年齢31歳。株式会社ダスキソ営業開発部所属係長待遇。
「ぬーん」
家族は両親・妻・弟の4人。マイブームは不倫。月給33万円。もちろんモララー族。
「あー困ったなー」
彼のいる営業開発部では毎月1回新商品のアイデアを発表するための会議が
開かれるのだが、会議まで残り3日しかないのにいまだに新商品のアイデアが
出てこないのだ。

そんなモララー係長に声を掛ける女がいた。
「係長どうしたんですか?」
彼女の名はレモナ百合子。年齢28歳。株式会社ダスキソ営業開発部所属。
「えっ、まだ新商品のアイデアが出ないんですか?」
家族は母・妹の二人。マイブームは不倫。月給26万5千円。もちろんレモナ族。
「こんなときはデスクで考え込むよりも気分転換した方がいいですよ。
私もついていきますから」
「うん。それじゃお言葉に甘えさせてもらうよ。だけど少しまってくれないか」
レモナの提案に乗ったモララー係長は今日の帰りが遅くなりそうな事を携帯電話で
家族に伝えることにした。

ピッ・ピッ・ピッ・・・・ジリリリリーン・ジリリリリーン
「はい、モララーです」
電話に出たのは彼の妻だった。
「もしもし、僕だ。今日はレモナ君と不倫するから遅くなる」
「そうですか。こちらへはいつ頃帰ってきますか?」
「たぶん居酒屋へ行った後ラブホテルによっていくと思うから今日はご飯も
セックスもいらない。それじゃ」
ツー・ツー・ツー
モララー係長は妻公認の浮気ものなのである。

481 名前:2/4 投稿日:2005/12/24(土) 22:23:49 [ rJd5B/zs ]
午後7時。二人は居酒屋で飽くまで食べた。
「平和だな」
「幸せですね」

午後9時二人はラブホテルで愛し合った。
「良かったよ」
「リフレッシュできましたね」

そして現在午後10時。駅前で別れようとしていた二人の前にしぃが現れた。
「やっぱりな」
「お約束ですよね」

しぃは両手を前にだして二人の方へ近づいてくる。ダッコを求めているのだろうか。
「そこのあんたお金か食べ物くれない?ダッコするよ」
やはりこのしぃはダッコを求めていた。それを知ったレモナは眉間に皺を寄せて
しぃに聞こえるように言った。
「係長、このゴミどうします?殴り殺しますか?蹴り殺しますか?それともビーム
うちますか?」
不倫の締めくくりを台無しにされてレモナは怒りでプンプンだった。
「なにぃ、お前今なんていった?先にビームうつぞコラ!」
売り言葉に買い言葉。しぃもレモナの態度にプンプンになった。

しかしモララー係長は違った。彼は少し考えてから答えた。
「よし、ダッコしよう」
「「えっ!?」」
ありえない答えに驚いてモララー係長の方を向きそして軽蔑する女性達。
「係長、私達の関係今日で終わりにしましょう」
「空気読めよアンタ。ここアブ板だろ」
そういって別方向へ帰っていく二人。
「まてまてまてまて待てーい。そうじゃないんだってば!!」
モララー係長はなんとか二人を引き止めて先程の問題発言の説明を始めた。

482 名前:3/4 投稿日:2005/12/24(土) 22:24:27 [ rJd5B/zs ]
「えーとねレモナ君、そこにいるしぃをダッコするのはなんでかと言うと発想の
逆転なんだよ」
「発想の逆転―?」
鼻をほじりながら適当に話に相槌を打つレモナ。そこにはモララー係長に対する
愛は1ミリグラムも残っていなかった。アブ板はマターリ信者には厳しいのである。
しかしそれでもめげずにモララー係長はレモナの信頼を取り戻すため半泣きになり
ながらも説明を続けた。

「ほら、1ページ目で私はしぃ虐殺用商品のアイデアが出なくて困っていたじゃ
ないか」
「あー、ありましたよねそんな設定」
「だからいつもと逆の事をする事により何かを閃こうとしたのであり決して禁断
のマターリネタをやろうとしたわけではないんだよ。オーケー?」
「オーケーです。係長さっきはごめんなさい」
指を鼻の穴から抜き姿勢を正してレモナは謝った。レモナの信頼は回復した。
「いやいいんだ。私も説明不足だった。しぃもオーケー?」
「オーケー」
しぃの信頼も回復した。

「そんじゃ」
「ま」
「やりなおしますか」
三人が手をつなぐと風が吹き雨が降りそして駅前の時計が逆回転を始めた。
「「「じーかーんーよーもーどーれー、れーどーもーよーんーかーじー」」」
三人を中心にしてグニャグニャグニャグニャ~と駅前の空間が歪みそして―





駅前は再び午後10時となった。

483 名前:4/4 投稿日:2005/12/24(土) 22:25:03 [ rJd5B/zs ]
駅前で別れようとしていた二人の目の前にしぃが現れた。
「そこのあんたお金か食べ物くれない?ダッコするよ」
しぃはダッコを求めてきた。
「わかったダッコしよう。いつもと違う事をすれば新商品のアイデアが出るかも
しれないからな」
「流石です係長」
モララー係長は承諾しレモナは賛同した。まるで物語の台本があったかのごとく
会話は円滑に進んだ。

「それじゃあダッコするからちょっと待ってくれ」
そう言うとモララー係長は着ている服をすべて脱ぎしぃと同じ姿になり両手を前
にだして叫んだ。
「せーの、ダッコ!!」

「・・・・」
「・・・・」
突然の事態にレモナとしぃはポカンと口を開けていた。
「ダッコ!!」
モララー係長はもう一度叫んだ。しぃと違い体毛が薄いのでとても寒そうだ。
実際全身は小刻みに震え金玉はアメリカンクラッカーの様にカチカチと鳴っている。
「ダッコ!!」
モララー係長はもう一度叫んだ。レモナとしぃはどうしたものかと頭を抱えている。
「ダッコ!!」
モララー係長はもう一度叫んだ。レモナは電車に乗って帰ってしまった。
「ダッコ!!」
モララー係長はもう一度叫んだ。そうしたらレモナと入れ替わりに警官がやって来て
モララー係長をダッコしてそのまま駅前からフェードアウトしていった。

 残されたしぃはモララー係長と警官が去っていった方を向き両腕をクロスした。
「ダッコビーム」
駅の遠くでピンク色の爆発が起こり夜空に笑顔のモララー係長の全裸姿が
一瞬写って儚く消えた。

この日の出来事をヒントにレモナ係長が開発したのが虐殺ビームガンである。

終わり