しぃの部落の話

Last-modified: 2021-08-22 (日) 03:14:36
234 名前: 補語 投稿日: 2003/02/13(木) 23:19 [ PgVkiZoU ]
しぃの地位はいつも弱い。これは、そんなしぃの部落の話である。

そのしぃの部落には、虐殺者も手を出せなかった。部落の土地はあるモラ一の所有物だからである。
モラ一(もらかず)がこの土地に来たのは、二十年前のことである。
突然この部落に来たモラ一は、
しぃが虐待されているこの部落の様子を見ると、部落の土地を買い取り、病院をつくり、自らが診療を始めた。
内科、外科、小児科、消化器科、耳鼻科など何でもありである。
最初は警戒していたしぃもだんだんなれて今では尊敬すらされている。
四十一歳になるモラ一は昔のことを回想していた。                 

「シィィィィィ!シィノ アカチャン カエシテー!」しぃが、ベビしぃを踏みつけたまだ少年ののモラ一に抗議した。
「そんなに言うなら、土に返してあげるよ。」ベビしぃをグシャッと踏み潰した。
「シィィィィ!シィノ ベビチャンガー!!」しぃが悲鳴を上げた。
モララーは虐殺者だった。
モララーは、金持ちの三男坊に生まれた。二人の兄は二人とも優秀で、いつも比べられてきた。
親に言われるままに、医者への道を進んでいるモラ一だったが、親からの過剰な期待や、兄に対する劣等感で
モラ一の精神状態は、不安定だった。
モラ一が虐殺を始めたのは、中一のときに、悪友のモラ史(もらふみ)にさそわれてだった。
かわいそうな気もしたが、しぃやチビギコを頃す爽快感にはまっていった。
特に、親子連れのしぃを頃すのが好きだった。しぃとベビしぃやチビしぃの愛情が妬ましかったのかもしれない。
モラ一が高一のときである、部活で遅くなったモラ一が家に変えると、家には何の物音もしなかった。
ダイニングで家族が全員死亡していたからである。皆、頭を銃で撃ち抜かれている。強盗の仕業だった。
頭から血を流しぴくりともしない家族を見て、モラ一は本当の意味での「死」を感じていた。自分がしぃ達にしてきたことが分かった。
それ以来、孤児となったモラ一は虐殺をやめ勉学に励み、高校、大学を首席で卒業し、医者になった。
弱いしぃ達の命を助けたいと思ったからである。
そして、二十年前にこの部落にきて家族の遺産や保険金で部落の土地を買い取り、病院をつくり、自らが診療を始めた。
そして今に至る。

235 名前: 補語 投稿日: 2003/02/13(木) 23:19 [ PgVkiZoU ]
ある日のことである。虐殺者の集団がその部落に目をつけていた。リーダーはモラ史である。
モラ一の所有物である部落の中に無断で入ったら犯罪であるが、彼には策があった。
彼は、一匹のしぃに接触した。食事に誘ったり、ギコにダッコさせたりして機嫌をとった後、彼は言った。
「あなたの部落の医者は虐殺厨ですよ。やつはいずれあなた達を頃しますよ。」
「ハニャーン ソンナワケ ナイジャナイ ショウコデモアルノ?」
「この写真を見てください。」写真には、少年時代のモラ一とモラ史がボロボロのしぃの死体の前でピースしている。
それには、モラ一の面影があった。
「ハニャ!ソンナ・・・ デモ ベツノヒトカモ シレナイシ・・・」
「奴が、何でしぃの体に詳しいとお思います?しぃを解剖したことがあるからですよ。」実際そうである。
「ソ、ソンナ・・・」しぃは青ざめている。
「奴を頃さないと大変なことになりますよ。」モラ史は、内心ニヤリとした。

次の日のことである。刃物を持ったしぃがモラ一に襲いかかった。
「シニナサイ!!ギャクサツチュウ!」
「ぐはぁ」モラ一の腹部に深々と刃物が刺さっている。
不意をつかれたモラ一は致命傷を負った。それを見ていた、モラ史達虐殺者の集団は、部落に襲いかかった。
他者の権利を守るために行った行為、正当防衛の名目の元に。
しぃたちが次々と血祭りにあげられる中でモラ一が言った。
「くそ、血が止まらない・・・。守ってきたしぃに裏切られて死ぬか・・・しぃ達を頃してきた漏れにふさわしい最期だ。
 ただ、しぃに結果的に何もしてやれなかったのが残念だ。漏れのやってきたことは、やつらがすべて水泡に帰してしまった。
 ゲボッ・・・」虐殺者の歓声としぃの悲鳴の中で、モラ一はこときれた。

 終