859 名前: ROM人(5XSi/vJo) 投稿日: 2003/09/07(日) 23:48 [ 47WL/lUg ] ・・・・・・雨が降り注いでいる。 その雨の中に混じる赤い液体・・・・・・ 数体・・・ いや、大量の「肉片」が地面に落ちている。 ・・・・・・その中に転がる一つの死体。 そして・・・・・・ 微笑している一人の少年。 その少年は一人でこう呟いた・・・・・・ 「貴様らの種族、皆殺しにしてやる・・・・・・」 ――数日前―― 一人のちびしぃとちびモララーが下校していた。 しぃ凛「待ってよ、モラ彦君」 モラ彦「ついてくんな!」 しぃ凛「どうしてそんなに私を避けるの?」 モラ彦「お前が俺と一緒に居るとお前まで虐められるだろ?」 しぃ凛「私平気よ、虐められても・・・ だって慣れてるもん」 不意にモラ彦が振り返る モラ彦「お前は良くても俺は良くないんだよ!」 とモラ彦が怒鳴ると反対側の道からちびギコ達の罵声が飛ぶ。 「ヒューヒュー アツイデチー!」 「お前たち、いつも一緒デチねぇ~」 「アツイらデキテルデチ!」 「落ちこぼれは落ちこぼれ同士仲良くするデチ!」 ・・・・・・いかにも子供が言いそうな幼稚な煽りであったが モラ彦も子供、ムキにならないハズがない。 モラ彦「何だと!?お前らぶっ飛ばしてやる!」 しぃ凛「止めなさいよ!またこの前みたいに怪我しちゃうよ?」 しぃ凛は必死に止めたが、モラ彦はその手を振りほどいた。 モラ彦「お前はあんなこと言われて悔しくないのか!?」 しぃ凛が説得する間もなく、モラ彦は猛ダッシュでちびギコ達の元へ向かった。 860 名前: ROM人(5XSi/vJo) 投稿日: 2003/09/07(日) 23:49 [ 47WL/lUg ] ――数分後―― しぃ凛「だから止めてって言ったのに・・・・・・」 モラ彦「・・・・・・でも、数匹はぶっ飛ばしてやった」 しぃ凛「でも結局やられちゃったじゃない」 モラ彦「・・・・・・あいつら卑怯だ、仲間を呼んでくるし」 しぃ凛「あんな奴らほっとけばいいのに・・・・・・」 モラ彦「・・・・・・でぃお姉ちゃんの所へ行ってくる」 しぃ凛「え?私も行く!」 ――でぃお姉ちゃん。 モラ彦の良き兄弟のようなものだ。 モラ彦は今よりもっと幼い頃に両親を無くしていた。 身寄りの無いモラ彦を村の人たちは厄介者扱いしていた・・・・・・ 嫌がらせの数々の中、モラ彦は完全に人間不信になっていた。 その時現れたのが「でぃお姉ちゃん」である。 そのでぃはモラ彦にやさしく話し掛け、モラ彦は次第に心を開いていった・・・・・・ おそらく、同じ境遇にあるモラ彦を見て同情したのであろう 彼女が居なかったらモラ彦は今ごろどうなっていたかわからない。 ところ変わってここは野原。 見渡す限りの草原、生い茂る木々。 ここで昼寝をしたらさぞかし気持ちが良いであろう。 モラ彦「でぃお姉ちゃん~~」 でぃ「・・・・・・ア、モラ彦クン・・・・・・」 まるで死魚の様な冷たく透き通る目。片腕、片足は無く義手や義足をしている。 格好はボロボロだが結構美人のようである。 でぃ「ア・・・・・・マタ怪我シテルネ・・・・・・」 モラ彦「このくらい大丈夫だよ」 しぃ凛「だめよ、治療しないとバイキン入るよ」 でぃ「包帯巻イテアゲル・・・・・・」 でぃがモラ彦の腕や足に包帯を巻いていく 手馴れたもので、あっという間に治療は終わってしまった。 でぃ「マタ喧嘩シチャッタノ・・・・・・?」 モラ彦「だってあいつら・・・・・・」 でぃ「喧嘩ハ良クナイヨ・・・・・・」 しぃ凛「そうよ、お姉ちゃんの言う通りよ」 モラ彦「わ、わかったよ・・・・・・」 モラ彦の幸せな時間。大好きなお姉ちゃんとの会話。 大切な友達との会話・・・・・・。 しかし、この幸せな時間は二度と帰ってこなくなる・・・・・・。 861 名前: ROM人(5XSi/vJo) 投稿日: 2003/09/07(日) 23:50 [ 47WL/lUg ] ――翌日―― モラ彦がいつものようにお姉ちゃんの元に言ったが 今日は様子が変だった。 いつもいるハズの場所にお姉ちゃんがいない―― モラ彦「・・・・・・?おかしいな、どこ行ったんだろ・・・・・・」 その時―― 悲鳴が聞こえた。聞き覚えのある悲鳴が。 モラ彦「・・・・・・お姉ちゃん!?」 モラ彦は悲鳴の聞こえた方に駆け寄った。 そして、モラ彦の前に信じられない光景が映っていた。 ちびギコ「おーおー、来たデチね。汚い弟が」 モラ彦の前には――― 怪我だらけになっているお姉ちゃんが倒れていた。 目はかすれており、このままではじき死ぬであろう。 でぃ「ア・・・・・・ウ・・・」 モラ彦「・・・・・・貴様ら・・・・・・お姉ちゃんに何をした!?」 「こいつ邪魔なんデチよ、いつも汚い格好で同じ場所にいて・・・」 「見てるだけでウットーしいんデチ!」 「だからちび達がこうして制裁を食らわせたんデチ!」 ちびギコ達の勝手な言い分。モラ彦が黙っているはずがない。 モラ彦「ふざけるな!貴様らにそんな権利があると思うのか!?」 モラ彦がちびギコ達に殴り掛ろうとしたが、後ろにいたちびギコ達に押さえつけられた。 「お前みたいなザコが粋がるなデチ!」 「お前はそこでコイツがくたばるのを見てればいいんデチ!」 「自分の非力さを恨むがいいデチ!」 ――目の前で姉が殺されてしまう―― モラ彦は自分の非力さを恨むと同時に・・・・・・ モラ彦の中での決定的な何かが切れた。 862 名前: ROM人(5XSi/vJo) 投稿日: 2003/09/07(日) 23:50 [ 47WL/lUg ] モラ彦「やめろォォォォ!てめえらァァァァァァ!!」 そう言って後ろにいたちびギコ達を吹き飛ばすと モラ彦は姉の周りにいたちびギコ達に向かって行った。 ちびギコA「なっ・・・・・・!?」 ちびギコB「ヒィ!」 確認する間もなく、ちびギコ1の片耳が吹き飛ぶ。 ちびギコA「ひぎゃあああああ!ち、ちびタンの耳がぁぁぁぁぁ!!」 ちびギコB「ヒィ!一体何が・・・・・・」 ちびギコBは叫ぶ間も無かった。 叫ぶ前にちびギコBの頭が吹き飛んだ。 ビチャビチャ・・・・・・と嫌な音を立てて肉片が飛び散る。 ちびギコC「あ・・・・・・あわ・・・・・・あわわわ・・・・・・」 ちびギコCは失禁して腰を抜かした。 ちびギコA「だッだずげで!だ、誰か!」 モラ彦「誰もこねえよ・・・・・・ククク・・・・・・」 モラ彦がちびギコAの顔面を掴むと顔面の皮膚と唇を引き剥がした。 ちびギコA「ギィア!※@$#&#%!!!」 悲鳴にならない悲鳴。もはやそこは地獄であった。 後ろにいたちびギコ達は完全に腰を抜かし逃げ出すこともできなかった。 モラ彦「次はどいつから殺してほしい・・・・・・?」 ちびギコC「た・・・・・・たす・・・・・・助けて・・・・・・」 モラ彦「なるほど、お前か」 ちびギコC「や・・・・・・やめ・・・・・・やめ・・・・・・」 ・・・・・・もはやモラ彦は完全に"虐殺者"の目であった。 不気味に微笑み、物凄い殺気をしている。 ちびギコC「ギャアアアアアアア!」 モラ彦「次は手だ」 ちびギコC「ヒギャアア!手が!デガアアアアア!」 モラ彦「次は目だ」 ちびギコC「アギィィィィァァァアアア!アアアアアアア!!!」 モラ彦「次はどこがいい?」 ちびギコC「アガッ!アガガ・・・・・・ガ・・・・・・」 もはやちびギコ達に"未来"は無かった。 ちびギコ達に逃げ延びる道は無かった・・・・・・。 ちびギコC「・・・・・・・・・」 モラ彦「もう死んだのか?・・・・・・まあいい、次はお前らだ」 モラ彦が振り返ると さっきまでモラ彦を押さえつけていたちびギコ達が失禁しながら震えてる。 ちびギコD「た、たす・・・・・・助け・・・・・・て・・・・・・て・・・・・・」 ちびギコE「こ、ころ・・・・・・ころ・・・・・・殺さない・・・・・・で・・・・・・」 ちびギコF「ひ、ヒヒヒ!皆死ぬんデチ!ヒヒヒ!」 ちびギコG「ア・・・・・・!ア・・・・・・!」 必死で命乞いするちびギコ、恐怖で声も出ないちびギコ。 死を悟って狂っているちびギコ。 もうちびギコ達は助からない―― モラ彦「安心しろ、俺が全員仲良く殺してやる」 863 名前: ROM人(5XSi/vJo) 投稿日: 2003/09/07(日) 23:51 [ 47WL/lUg ] ――数分後―― 雨の降るなか、モラ彦は我に返った・・・・・・。 そこには虚しく横たわっている姉の姿があった。 モラ彦「目・・・・・・開けてくれよ・・・・・・」 でぃ「・・・・・・」 モラ彦「・・・・・・目・・・・・・開けてよ・・・・・・」 尽きた命。 もう動くはずが無い。 わかってはいたが。認めたくは無かった。 モラ彦「・・・・・・何故だ・・・・・・」 モラ彦「なぜあんなカスのような種族が存在するッ!」 モラ彦が不気味に微笑む。 モラ彦「ククク・・・・・・貴様らの種族、皆殺しにしてやる・・・・・・」 モラ彦「必ずな・・・・・・!」 雨は降りつづいている―― まるで彼の心を表すように・・・・・・ ~ちびギコ狩りエピローグ~ 終